新入社員研修に英語研修を導入するメリット|導入計画の立て方や注意点も解説

企業におけるグローバル人材の育成が課題となっている昨今、新入社員研修で英語研修を取り入れることは、英語学習の習慣化やカルチャー醸成、全体的な英語力強化につながる、業務で英語を活用できる社員が増えるなど、多くのメリットが生まれます。

しかし、人事担当者の方の中には、次のような疑問を持つ人も多いでしょう。

・新人社員教育で英語研修の実施は本当に必要か?

・中堅社員向けの英語研修とは何がどう違うのか?

・新入社員研修で英語スキルは実際に向上するのか?

本記事では、企業が新入社員研修で英語研修を導入するメリットをはじめ、研修の導入方法や手順、注意点などを解説します。

 

【この記事はこんな方におすすめ】

  • 新入社員の育成に力を入れたい人事担当者の方
  • グローバル展開を視野に入れている企業の経営者や管理職の方
  • 効果的な英語研修プログラムを導入したい企業の研修担当者の方

新入社員研修で英語教育の必要性が高まっている理由

新入社員に英語教育を施す重要性は、近年ますます高まっています。TOEICを運営するIIBCが上場企業3,875社に実施した「英語活用実態調査2022」によると、「今後のビジネスパーソンに必要な知識やスキル」の最多回答率を占めたのが「英語」で74.5%に達しています。さらに、「社員に不足している知識・スキル」でも「英語」がトップに挙がりました。

※参照:一般社団法人国際ビジネスコミュニケーション協会|英語活用実態調査(企業・団体、ビジネスパーソン)2022

また、経済産業省が「令和4年度我が国のグローバル化促進のための日本企業及び外国企業の実態調査報告書」で139社の外国企業に途上国と比較した日本のビジネス環境の強みと弱みについて調査を実施したところ、「弱み」は「事業活動コスト」、「税率」、「英語での円滑なコミュニケーション」の順に回答数が多いという結果が出ています。

※参照:経済産業省|令和4年度我が国のグローバル化促進のための日本企業及び外国企業の実態調査報告書

少子化やグローバル化が進む現在、事業を発展させるためには海外での展開が大きな鍵となっています。世界市場で存在感を示すためには、社員の英語力を向上させることが必須だと言えます。

新入社員は、これからポテンシャルを見極めて人員配置をする存在です。新人に英語教育を実施することで、より幅広い選択肢の中から適性にあった部署に配属できるようになるでしょう。

新入社員研修に英語研修を導入する5つのメリット

新入社員研修に英語研修を導入するメリットをご紹介しましょう。

グローバル人材育成の基盤をつくれる

入社早々に英語研修を受講することで、「グローバル人材の基盤をつくれる」というメリットが発生します。前述のように、グローバル化は日本企業にとって急務です。新入社員に英語研修を実施することによって、英語力を底上げでき、企業のグローバル化を進められるでしょう。

加えて、英語研修によって英語力のみならず、グローバル精神を養うことも可能です。グローバル精神には異なる文化への理解だけでなく、主体性やリーダーシップも含まれます。英語学習の習慣を身につけ、将来会社を牽引する人材を育てることにつながるのです。

モチベーションが高いため、短期間で成長しやすい

入社直後は成長意欲が最も高まる時期です。このタイミングで英語研修を実施することで、短期間に集中したスキルアップが叶うというメリットもあります。特にZ世代は、ビジネス英語を学ぶことを「タイパがいいキャリアアップ」だと思う傾向にあります。

ビジネス特化型オンライン英会話事業「Bizmates」を展開するビズメイツ株式会社の調査によれば、Z世代(22歳〜25歳)会社員の約9割が、「日常英会話ではなく、ビジネス英語から学ぶことはタイパがいいキャリアアップ方法だと思う」と回答していることが明らかになりました。(引用元:PR TIMES|【Z世代の英語学習に関する実態調査】 Z世代社会人の約9割が「ビジネス英語学習はタイパが良いキャリアアップ方法」と回答

モチベーションが高い時期に英語研修を実施すれば、よりスピーディーな英語力向上が期待できます。また、大学や高校を卒業して間もない社員であれば、直近まで英語の学習習慣があったため、吸収力も高いと考えられるでしょう。

社員の英語力の平均レベルを強化できる

英語力強化を実施している企業では、新入社員や若手社員の語学スキル向上に注力するケースが増えています。新入社員の英語力を優先的に育成することで、企業全体の英語力の底上げが可能になり、グローバル展開の基盤を築くことができます。

受講しやすく業務との調整も不要

業務量が少ない配属前の新入社員研修に取り入れることで、全員が一斉受講しやすいというメリットもあります。部署への配属後に実施しようとすると、各々の業務やスケジュールとの兼ね合いで一斉受講は難しく、コストも増大する恐れがあります。

また、配属前に一斉に語学研修を受けることで、新入社員同士のコミュニケーションが円滑になり、チームワークが向上するという利点も考えられます。配属後の業務においても、即戦力としてスムーズなスタートを切れるでしょう。

外国籍人材を採用しやすくなる

日本人社員が英語でのコミュニケーションを可能にすることで、多国籍の優秀な人材を採用できる環境が整います。人材不足により採用活動の難しさが社会全体で問題視される中で、優秀な人材を採用するためには国籍を限定しない募集をすることが理想です。日本人社員が英語でのコミュニケーションに対応できれば、幅広い国籍の人材の採用が可能になります。

例として社内公用語として英語を導入した楽天グループ株式会社では、社員全体の約20%、開発部は約50%が外国籍の社員で多様な視点を持つチームが形成されています。朝礼や定例会議などのオフィシャルな場面での進行やドキュメントも英語に切り替えることで、全社員が国籍を問わず参加しやすい環境を整えました。

楽天グループでは英語を社内公用語にするために、「グローバルリーダーシップ開発研修」として英語研修にとどまらず、外国籍社員を対象とした日本語研修、多文化でのチーム形成に必要な多様性を学ぶクロスカルチャー研修などを研修プログラムに組み込んでいます。

また、海外の店舗展開を積極的に行なうユニクロの運営会社である株式会社ファーストリテイリングでも、英語の社内公用語化を推進しており、本部の外国籍社員を3分の1以上にまで増やすことが目標です。英語力アップだけでなく、多文化理解を進めるためのサポートも実施していて、日本人管理職や海外赴任者などを対象にグローバル人材研修も実施しています。

新入社員研修で活用される英語研修の種類

新入社員の英語研修は主に5つの種類があります。各研修の内容を順を追って説明します。

英語プレゼンテーション研修

英語を使ってプレゼンテーションをする研修です。プレゼンで頻出する英単語や英会話フレーズを覚えられるほか、スライドの作成方法やジェスチャーなども習得できる利点があります。これにより「英語力」と「プレゼン力」を同時に鍛えられるのです。

具体例として、当社が提供中の研修では実際のプロジェクトを題材にした模擬プレゼンを行ない、英語での説得力ある説明や質疑応答の練習を繰り返すことで、実践的なスキルを磨き上げています。

ただし、英語でのプレゼンにはある程度の基礎英語力が求められます新入社員に一定の英語力がすでに備わっている場合に適しています。

英語ライティング研修

海外クライアントとのテキストコミュニケーションのため、英語でのビジネスメールやチャットの作成方法を訓練する研修です。部署によっては、英語の契約書や経理系の文章を読み書きする研修もおすすめです。

実際のビジネスシナリオに基づいたメールの作成や、上司からの指示に対して正確かつ丁寧な返信を練習することで、リアルな実務に即したスキルを身につけられます。

専門用語研修

業界や業種ごとに、よく使われる専門用語の英単語を学ぶ研修です。業界特有の専門用語や言い回しを英語でどのように表現するかを学ぶことで、海外の取引先と円滑なコミュニケーションをとれるようになるでしょう。

IT業界の研修では、プログラミング関連の英語用語や、システム開発における専門的な言語表現を習得することで、海外のエンジニアとスムーズな技術的会話が可能になります。

例として、「このアプリケーションはユーザーインターフェースの改善により、操作性が向上しました」という文章を「This application has improved usability through enhancements in the user interface」と英語で表現する仕様や技術的な用語を学ぶことで、より実践的な英語力を養うことができます。

ビジネス英会話研修

日常英会話とは異なる、ビジネスシーンに特化した英会話レッスンです。海外クライアントとのビジネストークにおける基本的なマナーを学びつつ、英語力を鍛えることが可能です。

例として当社が提供中の研修では、新入社員が架空のクライアントと電話会議を行なう練習をしています。製品の納期に関する問い合わせに対し、「納期は予定通り進行しており、次のステップは品質確認です」と英語で説明する場面や、クライアントからの要望を聞き取り、「その点については再検討し、再度ご連絡いたします」と回答する場面を想定して研修します。

これにより、実際のビジネスシーンで即戦力となるスキルを身につけることが可能です。

職種に応じた実践的な英語研修

商談や会議、マネジメントなどの場面を想定した、実務に即した実践的ビジネス英語研修です。普段英語を使わない企業でも、外資系企業との交渉や、海外拠点とのやり取りに活用でき、ビジネスの幅が広がります。

実践的なカリキュラムには、例として以下のようなものがあります。

  • ロジカルスピーキング研修
    フレームワークを用いながら結論を先に話すといった、会議や商談などの場で論理的に説明する力を養う研修です。論理的に構成立てて話すスキルが身につくため、英語だけでなく日本語でのビジネスコミュニケーションにもスキルアップ効果が期待できます。
  • アサーティブコミュニケーション研修
    アサーティブコミュニケーションとは、相手の気持ちを尊重しながら、言いにくいことを伝える手法です。自分の主張を円滑に伝える力を養えるため、社内外で穏やかなコミュニケーションが可能になります。
  • ネゴシエーション研修
    相手を説得して意思決定を円滑に行なう交渉力を養う研修です。ビジネスにおけるネゴシエーション(交渉)では準備や根回しも重要になってくるため、海外の商習慣を学びながら、よりスムーズに自分の希望する意思決定を実現できるスキルを身につけます。
  • マネジメントコミュニケーション研修
    マネージャーとして部下や他部署との信頼関係を構築するための、語彙やフレーズなどを学ぶ研修です。特に外国籍社員がチーム内にいる場合では、日本の習慣にもとづいてコミュニケーションを行なうと信頼関係に影響する可能性があるため、多国籍企業でリーダーシップを発揮する上では重要なカリキュラムです。

新入社員研修に英語研修を導入する方法

新入社員研修に英語研修を導入するには、どのような方法が有効か、順を追ってご紹介します。先輩社員によるOJT

社内に英語力が高い社員がいる場合は、先輩社員によるOJTで英語研修を実施するのがおすすめです。新入社員に近い立場の社員が指導することにより、業務上よく使う言い回しや、ちょっとしたコツなど効果的なテクニックを伝えやすい利点があります。

コスト面でもコーチ役の社員への手当や教材購入費程度に抑えられ、最低限の費用で英語研修を実施できるのが魅力です。

ただし、英語力の高い社員が必ずしも英語を教えることに長けているとは限らない点に留意してください。新入社員を教える社員の選定には、十分な配慮が求められます。

専門の外部講師を招く

英語研修専門の外部講師は英語の専門的な指導を行うプロフェッショナルなので、質の高い授業を期待できます。ビジネス英会話の経験があり、実際の現場で使えるテクニックを教えられる講師を選ぶことをおすすめします。

外部講師による社内研修の費用相場は、グループ形式なら1人あたり月10万円程度、マンツーマンレッスンなら月10〜20万円程度です。

ただし、外部講師を長期的に雇用することが難しいというデメリットもあります。語学学習は積み重ねが大切なので、なるべく長いスパンで研修計画を立てることが重要です。

オンライン英会話サービスを活用する

パソコンやタブレットなどを用いて、どこからでも気軽に受講できるのがメリットです。講師とのマンツーマンが基本なので、集団研修と比べて、個人の英語力に合わせたレッスンがしやすいという利点もあります。

1人あたり月額1万円以内のオンライン英会話もあるため、コストパフォーマンスに優れています。

また、会社だけでなく自宅からも受講できるので社員が研修を継続しやすいという特徴もあります。

関連記事:【費用別・目的別】ベストな英語研修はどれ? 英語研修プログラムの上手な選択術

語学留学

アメリカやオーストラリア、フィリピンといった英語圏の語学学校に留学して、一定期間学ぶ方法もあります。日常生活で英語を使わざるをえない環境に身を置くことで、圧倒的に英語を話す機会が増え、短期間で語が身につくことが魅力です。

ただし、複数の新入社員が同時期に同じ留学先で学ぶと、日本語での会話が多くなってしまい、期待していたほどの効果が上がらない可能性もあります。

また、コストが莫大になることもデメリットです。語学学校に通う場合、渡航費や学費など合わせて1人あたり月額20万円〜50万円ほど必要です。着実に研修成果を出せるように、学校選びは慎重に実施しましょう。

関連記事:入社後すぐに英語で活躍できる社員が育つ「新入社員向け英語研修」導入のポイント

新入社員向け英語研修と一般社員・管理職向け英語研修の違い

新入社員と、一般社員・管理職における英語研修では求められるものが変わってきます。

新入社員にまず求められる英語スキルは、挨拶や日常業務での基本的なコミュニケーションです。必要な英語レベルも比較的易しいため、研修で学んだスキルをすぐに実務で活用できます。成長実感が湧きやすいため、モチベーション高く取り組みやすいでしょう。同期がたくさんいる会社であれば、同じスタートラインの同期と切磋琢磨しながら学習を進められることも魅力です。

やがてポジションの重要性が上がるごとに、会議やプレゼン、海外出張、海外赴任など、実践的でより高度なビジネス英語が求められます。専門性が高い英単語を使ったコミュニケーションが増えるため、基礎から英語を学ぶとなるとかなりの時間が必要です。そのため、求められるハードルの低い新人のうちに英語教育を実施しておくことで、実務を通して段階的に英語力を高めていけるでしょう。

英語研修の導入計画を立てる5つの手順

英語研修を導入する際には計画を立てることも重要です。ステップごとに行なうべきことや注意すべきことについてまとめました。

STEP1. 課題の明確化

まず、今後の経営計画と現状から、自社が抱える課題を明確化しましょう。

(例)

  • 海外の取引先とやりとりできる人材が必要
  • 異なる文化への理解を深めなければならない
    など

STEP2. ゴール・目標の設定

次に、自社が目指すゴールを設定します。

(例)

  • 海外の取引先と英語でミーティングができるようにする
  • グローバルリーダーを育成する
    など

TOEICをはじめとしたテストのスコアを具体的な成果指標とするのもよいでしょう。

STEP3. 研修期間の設定

新入社員の現状とゴールを確認し、そのギャップを埋めるための計画と期間を考えます。
たとえば、TOEICのスコアなどを提出してもらえば、新入社員の現状となる英語力を確認できるので、そこから目標値を達成するために必要な期間を考えるといいでしょう。

STEP4. 研修方法の検討

対面研修にするか、オンライン研修にするか、それぞれのメリット・デメリットをふまえて検討します。

対面研修では、同じ場所で学ぶことによって新入社員同士の交流が生まれ、モチベーションを高められるのが利点です。また、家庭や職場の雑音がない環境で勉強できるため、学習に集中しやすくなります。

反対に、場所を選ばずにオフィスや自宅でも気軽に受講できるのがオンライン研修のメリットです。移動の必要がないため、経済的負担も軽減できます。ただし、自宅での学習では環境が整っていない場合も多いため、集中力が途切れがちになったり、モチベーションが維持しにくかったりするデメリットもあります。

STEP5. 研修タイプの検討

新入社員研修で効果の高い研修の種類を選びましょう。特に英語の基本的な会話や実務英語を習得したいなら、ネイティブスピーカーとの英会話研修が有効です。ロールプレイを繰り返すことで定着を図り、現場で活用できるスキルを習得できます。

少人数のレッスンであれば一人ひとりが話す機会が多くなり、実践で使える英語力を習得できるでしょう。グループレッスンは費用を抑えながら同レベルの社員同士での受講が可能です。クラスの雰囲気と相乗効果でやる気も維持しやすくなります。

関連記事:「オンライン英会話」と「対面英会話」の比較、迷ったらどっちがいい?

新入社員に英語研修を取り入れるべき2つの理由

新入社員に英語研修を導入する必要性を、改めて2つの視点から整理してみましょう。

理由①:若手のうちに成長し、即戦力に

新入社員は、成長意欲や吸収力が高い傾向にあります。また、大学などで英語教育を受けていた方も多いですが、入社後は英語を使う機会を失ってしまうケースが大半です。入社直後から英語を学習する機会を与えることで、英語力の低下を防ぎ、さらに向上させられます。

また、若いうちに英語教育を受けた効果は数年後に現れてきます。キャリアが長く、将来的に管理職への昇進も期待される新入社員への英語投資は、長い目で見れば企業に対してより多くのリターンをもたらすでしょう。

理由②:人材の流動化と定着率アップに貢献

人材の流動化が進み、転職がさかんになっている現代社会では、魅力的な仕事や就労環境、自身の成長への支援など、会社が社員へ与える「付加価値」が、社員の定着につながります。「英語教育」はそのような付加価値の一つになるでしょう。

社員が経営から大切にされていると感じることや、将来のキャリアにつながるスキルが身についていると感じることは、積極的に業務に取り組んだり退職を思いとどまったりする要因になることがあります。

新入社員研修で英語教育を導入する際の注意点

新入社員の語学研修を成功させるには、以下のポイントに留意するといいでしょう。

モチベーションが途切れないよう継続させる

語学力向上には継続的な学習が重要です。モチベーションが落ちないよう、目標とその達成度合いを数値化したり、定期的に成果を確認できる仕組みを作りましょう。例えば、TOEICでの目標スコアを設定することで、社員の意欲の向上、成果測定が行えます。

また、少人数のグループレッスンなど、孤独を感じない研修方式を取り入れることをおすすめします。同僚の頑張りをみて励みになったり、雑談を交えながらリラックスして受講できたりするでしょう。

日々の業務の中に英語を取り入れる

研修以外に英語に触れる機会が少ないと、語学力は定着しにくく、効果があらわれるまでに時間がかかります。研修に加えて、日々の業務で英語を使う場面や機会を増やすことで、より効果を実感しやすくなるでしょう。

  • 業務内容の一部を英語表記にする
  • 社内Slackで英語チャンネルを設ける
  • 週1回など時間を区切って公用語を英語にする
  • 朝会で一言ずつ英語で話す
    など

楽天グループのように、会社全体での英語の社内公用語化にも挑戦してみるのも、おすすめです。

海外展開を積極的に進めたり海外拠点を持つ場合は、社内公用語化を英語にする活動は特に役立ちます。

また、社内公用語化により、英語しか使えない従業員との意思疎通が必要になり、多言語多文化な職場環境が構築されていくでしょう。

実際に実施している企業としては、伊藤忠商事株式会社や住友商事株式会社、ヒルトン東京、株式会社資生堂、シャープ株式会社などがあります。

関連記事:社内公用語を英語にするメリット・デメリットとは? 導入企業例やポイントを解説

研修に現場の声を反映させる

新入社員に実施する英語研修の内容を、配属先の部署や上司の要望にマッチさせると良いでしょう。配属予定部署で実際に使われる英語の用法を研修に取り入れれば、研修内容がより実践的になり効果も実感しやすくなります。

例として研修担当者が部署の上司に「具体的にどのようなビジネスで英語が必要ですか?」「メールやミーティングなど、どのようなシーンで英語を使いますか?」と質問し、その回答をもとに研修内容をカスタマイズします。受講後すぐに実務で役立つスキルを身につけることで、学習意欲の向上にもつながるでしょう。

国際文化やグローバルマインドをあわせて学ぶ

英語は単に言語を操るスキルではなく、異文化コミュニケーションの手段です。語学を習得するだけでなく、国際文化の知識や異文化への適応力も必要になるでしょう。ビジネス英会話を教えるだけでなく、グローバルマインドを育てる教育も取り入れることが理想的です。

例として、異文化コミュニケーションを学ぶカリキュラムでは、国によるコミュニケーションスタイルの違いやビジネス習慣の差異を理解し、適切に対応する方法を身につけます。これにより、単に言葉が通じるだけでなく、真の意味で効果的な国際コミュニケーションが可能になります。

新入社員向け英語研修の成功事例

新入社員向け英語研修に取り組んでいる企業の事例を紹介します。

自動車部品メーカーA社(英語の共通言語化によるコミュニケーション機会の増加)

自動車部品メーカーのA社では、海外拠点とのコミュニケーションを増やし、グローバル視点を持った人材を育成するために、新入社員向けの英語研修を導入しました。また、メールやチャットなどの社内での情報共有も英語で行なうルールを設けています。

新入社員向けの英語研修では、マンツーマンのオンライン英会話を2日に1回、毎回20分ほど、業務の合間に実施しています。日常的に英語に触れる頻度が増えたことで、社員の英語力はめざましく向上しました。それに伴い、海外拠点とのコミュニケーションも円滑になり、顧客満足度の上昇や業務の効率化につながりました。

電機メーカーB社(海外赴任前研修としての英語教育)

電機メーカーのB社は、若手の海外赴任が多いことから、入社時に英語研修を実施しています。入社前の内定者研修から英語クラスを設け、ビジネス英語の基礎を学べる環境を整えています。

海外赴任する社員向けには、1日3時間の英語研修を毎日実施するなど、より集中的に学べる研修を用意しています。また、英語以外にも赴任国の文化や生活に関する講義も導入しているため、語学だけでなく異文化理解にも力を入れています。こうした研修を2か月実施した後に海外赴任者を送り出したところ、業務にスムーズに対応でき、現地での生活にも早く慣れることができたという効果が得られました。

IT企業C社(エンジニア育成のための英語研修)

グローバル展開を視野に入れているIT企業のC社では、エンジニア向けの専門的な英語研修を実施しています。プログラミングに必要な英単語はもちろん、GitHub上での英語でのコミュニケーション方法など、実務に特化したカリキュラムを組んでいます。

そのおかげで、海外のエンジニアと英語でスムーズに会話できるようになり、海外の最新技術情報もいち早くキャッチアップできています。また、プロジェクト開始前にメンバーがツールを使って英語ミーティングの練習を行うことで、よりスムーズな英語コミュニケーションが可能となりました。

ENGLISH COMPANY for bizでビジネス英語を学ぶ

ENGLISH COMPANY for bizでは、自社の新入社員に必要な英語力や導入したい英語研修の種類、研修期間、目標などをヒアリングした上で、オーダーメイドの研修カリキュラムをご提案します。

企業の課題やニーズに合わせたカリキュラムを提供することで、短期間で結果を出す英語研修が実現可能です。

また、集中的に英語を学ぶコンテンツだけでなく、トレーナーによる学習サポートもついています。継続性の課題を乗り越えて、モチベーションを維持させる仕組みを取り入れている点が特徴です。

新入社員がこれからグローバルに活躍するためにも、最適な英語学習環境を整えましょう。

【公式】イングリッシュカンパニーフォービズ|法人向けビジネス英語研修・英語コーチング

まとめ

英語の知識・スキルをビジネスで活かすには、継続的な学習が欠かせません。そのため、企業が新入社員研修から英語プログラムを導入すれば、語学力の底上げを効果的に行えるのです。英語力の強化は企業の成長や収益性、ブランド力の向上に直結します。

自社の成長を見据え、グローバル人材の育成に力を入れてみてはいかがでしょうか。

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【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部

「STUDY HACKER」は、これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディアです。「STUDY SMART」をコンセプトに、2014年のサイトオープン以後、効率的な勉強法 / 記憶に残るノート術 / 脳科学に基づく学習テクニック / 身になる読書術 / 文章術 / 思考法など、勉強・仕事に必要な知識やスキルをより合理的に身につけるためのヒントを、多数紹介しています。運営は、英語パーソナルジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」を手がける株式会社スタディーハッカー。

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