「人間は習慣の奴隷である」という言葉もあるほど、私たちは習慣にとらわれて生きています。例えば、「最新のビジネス知識を身に着けるために、毎朝新聞を読もう」であるとか、「健康を維持するために、野菜を食べることを習慣にしなければ」などと考えますよね。習慣の大切さを知っているからこそ、このように望ましい行動を習慣化したいと思っている人は多いでしょう。

しかし、そうは思っていても、なかなか習慣化できないこともあると思います。英語などの勉強や、ビジネス教養を得るための読書といったことを習慣にするには、たのしい趣味とは違い、多少の苦労を必要とします。挫折することなく習慣化するのは難しいことなのです。

今回は、英語の勉強を例にとって、無理なく習慣化するためのコツをお話ししたいと思います。

習慣化そのものを目標にせよ!

習慣化のコツを一言で表すと、「習慣化自体を目標にすること」です。

多くの方は、習慣化を目標のための手段として捉えているでしょう。英語の勉強の場合は、英語のスキルを向上させるという目標を達成するための手段として、英語の勉強を習慣化する、というような捉え方です。

確かに、習慣化は目標達成のための手段であることには違いありません。しかし、はじめから手段としてしか捉えないでいると、なかなか習慣は身につきません。

「習慣化しなければ目標達成はできない」と厳しく自分に言い聞かせることができれば、習慣化は容易にできるでしょう。しかし別の見方で「習慣化は目標達成の一つの手段に過ぎない」と考えてしまったらどうなるでしょうか。目標達成のためには、習慣化という辛いことをしなくても、何か別の手段があるのではないかと思えてきてしまい、習慣化に失敗してしまいます。

習慣化したいと考えるなら、習慣化の先にある目標よりも先に、習慣化自体を最優先にするのが大切なのです。

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習慣化するための3つのポイント

習慣が身につくというのは、それほど苦も無く、その物事が行えるようになることを指します。読書や勉強といった類の習慣は、苦にせず行えるようになるまでだいたい1ヶ月かかると言われています。ですから、「1ヶ月間、毎日続ける」ことができれば、習慣化に成功したと言えるでしょう。

しかしそうは言っても、がむしゃらに「1ヶ月間、毎日続ける」ことは簡単ではありませんよね。そこで、「1ヶ月間、毎日続ける」ための3つのポイントを紹介します。

1. 始めは無理しない

習慣化に向けて始動したら、最初の7日間は、習慣にしたいことを軽めに実践してください。もし英語の勉強を1日1時間することを習慣化したければ、最初の7日間は1日30分の勉強を続けましょう。

その理由は、最初の7日間が最も挫折しやすい時期だから。習慣化コンサルタントである古川武士氏によると、習慣化に挑むビジネスパーソンのなんと4割が最初の1週間で挫折してしまうそうです。ですから、最初の1週間を乗り切りやすくするために、はじめは無理なく行える範囲にとどめておきましょう。そして、8日目以降は当初の目標どおりに実践するようにしてください。

2. 忙しい日は、1分だけでいい

習慣化を心に誓っていても、用事が入ったり仕事が長引いたりして、どうしても習慣にしたい行動をするための時間が確保できない日が出てくるでしょう。そういう時は、ほんの1分だけで良いので、行動を起こしましょう。

英語の勉強の場合は、単語を1つだけ覚えるとか、1分間だけリスニングするとか、そのような簡単なことになります。

毎日1時間を英語の勉強にあてると決めている場合、完璧主義な人ほど、「時間が取れなかったから今日はお休みにしてしまおう」と考えがちです。しかし、それは良くありません。次も同じような状況になった時にまた休むことになり、そんなことが続くと習慣化に挫折してしまうからです。

何よりも大切なことは、習慣化すると決めた分量をきっちり守ることではありません。「毎日」続けることなのです。

3. 変化をつける

いくら習慣化とはいえ、同じことを毎日続けていると、だんだんと飽きてくる可能性が高いもの。そこで、習慣の中にも変化をつけましょう

例えば、1時間の勉強時間のうち、30分を単語、もう30分をリーディングに使っていたとします。そのリズムに飽き始めたら、30分の単語の時間のうち15分をリスニングにあてることで、時間配分に変化をつけるのです。あるいは、いつもは自室で勉強しているなら、リビングに移動するなどして場所に変化をつけることも有効な手段と言えます。

毎日続けるには、マンネリ化を防ぐことが重要なのです。

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習慣化すると意欲や実行力が増す

ここまで、習慣化を楽にするコツを書いてきましたが、習慣化そのものにもメリットはあります。それは、脳を鍛えることにつながるということです。

習慣化をするためには、自分を律することが大切ですよね。この「自分を律する」ことによって、脳の前頭葉という部分が鍛えられるのです。

前頭葉は脳の司令塔に例えられる部分で、意欲や創造、実行力を司るのだそう。そのため、前頭葉が鍛えられると、仕事や勉強などに対する意欲が湧き、怠けることなく活動できるようになります。良い習慣を多く身につける過程で前頭葉が鍛えられ、行動力まで向上するのなら、一石二鳥といえるでしょう。

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今回は、習慣化のコツをお話しさせていただきました。多くの物事は、続けることによって結果に繋がります。これらのコツを利用して、良い習慣をたくさん身につけていきましょう。

(参考)
オグ・マンディーノ著,山川紘矢訳,山川亜希子訳(2014),『世界最強の商人』,角川書店.
古川武士著(2010),『30日で人生を変える 「続ける」習慣』,日本実業出版社.
『最新科学で解き明かす最強の勉強法』,2016,洋泉社.
築山節著(2006),『脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める』,日本放送出版協会.