【超一流企画者が語る】経営者がこぞって欲しがる「企画できる人」になるシンプルな方法

高瀬敦也さん「企画できる人が強い理由と企画できる人になる方法」01

「企画できる人」というと、非凡なアイデアマンといった優れた人をイメージします。しかし、フジテレビ在職中にテレビ番組『逃走中』などをヒットさせたことで知られるコンテンツプロデューサーの高瀬敦也(たかせ・あつや)さんは、「企画する人間は優秀なわけでも特別なわけでもない」と語ります。その言葉に込められた意味とあわせて、「企画できる人」になるためにはどうすればいいのかを教えてくれました。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹 写真/石塚雅人

ビジネスシーンに圧倒的に足りない「企画できる人」

いま、日本のビジネスシーンでは、多くの経営者が「企画できる人」を求めています。つまり、「企画できる人」が足りない状態にあるということです。

経営者は、社員に対して「もっと自分で考えて勝手に動いてほしい」と思っています。というのも、そうでないと組織にしている理由がなくなるからです。経営者は、企画をつくってその実現に動くことだけに注力するわけにいきません。ほかにやるべきことに使う時間を、社員を雇うことで買っているのです。

だからこそ、「もっと自分で考えて勝手に動いてほしい」と思っているし、さらには「企画をつくる、企画を実現させるためのノウハウも勝手にためていってほしい」とも経営者は思っています。そのノウハウは、トライアル&エラーでしか得られません。そのため、端的に言うと「もっとやりたいようにやればいいじゃん」と経営者は思っているのです。

ところが、多くの社員はそのマインドをもっていないようです。なぜかというと、そういうマインドをもっている人は独立志向が強く、組織を離れるケースも多いからです。

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企画できるかできないかを分けるのは、「やるかやらないか」

このことは、テレビ業界にも見られます。テレビ番組は、テレビ局のなかだけでつくっているわけではありません。制作会社や放送作家など、多くの外部の人間が関わります。そういう人たちの場合、企画が通るかどうかに生活がかかっていますから、がつがつと貪欲に企画を出し続け、ノウハウと経験をどんどん積み重ねます。

ところが、テレビ局内の人間の場合、自分で企画を出さずとも外部から提案された企画を採用すればすむ側面もあります。それでも外部の人と比べると高い収入や立場がある程度保証されていますから、主体的に自分で考えた企画を出す行為を敬遠する局員も少なくないのです。

当然、そういう「企画しない人」のスキルは向上しませんから、気がついたときにはかつて下請けで使っていた人に社会的ニーズも価値も収入も抜かれ、立場も逆転されてしまうことにもなるでしょう。こういう現象は、テレビに限らず多くの業界で起こっていることです。みなさんは、ただ組織に属しているだけの人になっていませんか?

もちろん、「フリーランスになるべきだ」と言いたいわけではありません。組織のなかでもフリーランスのような感覚をもって仕事に臨まないと、気づいたときには手遅れになるし、生きていけないなんてことになりかねないということです。

そんな事態に陥らないよう、「企画できる人」になりましょう。ただ、「企画できる人」というと、何か特別な能力をもっている優秀な人間をイメージする人もいるはずです。でも、事実はまったく異なります。「企画できる人」と「企画できない人」を分けているのは、「やるかやらないか」——それに尽きます。

冒頭にお伝えしたように、ビジネスシーンに「企画できる人」が少ないのですから、ただやればいいのです。それだけで、周囲は勝手に「企画できる人」と認識し、仮に失敗続きだったとしても、少なくとも「企画する人」と思ってもらえます。その企画がうまくいけば、「優秀な企画者」と評価されることもあるでしょう。

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企画とは「可能性を狭めていく過程」

でも、「ただやればいい」と言っても、どうすればいいのかわからない人もいるでしょう。そこで、まず取っかかりとして、私のなかでの企画の定義をお伝えします。

私は、企画とは「可能性を狭めていく過程」だと考えています。何も決まっていない状態は、無限大の可能性を秘めている状態です。しかし、なんらかの企画をつくるためには、さまざまなことを「決定」していく必要があります

ある商品のターゲットを20〜30代男性と決め、それに合わせて商品名やパッケージデザイン、CMの内容などを決めたとします。すると、それ以外のターゲットがその商品を購入してくれる可能性は狭まります。このように可能性を狭めていくことこそが、企画の本質です。

もちろん、可能性を狭めていくことで、たとえば想定したターゲットにハードヒットする可能性は高まるという言い方もできます。とはいえ、トータルで見るとやはり可能性を狭めていく過程であることは間違いありませんし、どんなに周到に練った企画であってもヒットするのはひと握りというのが現実です。だからこそ、「数撃ちゃ当たる」の精神でどんどん「企画できる人」が強いのです。

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身近なことから「決定」し、「企画できる人」になる

まだ企画をつくることに慣れていないみなさんが「企画できる人」になりたいと思ったら、まずは身近なことから自分の責任において「決定」し、「可能性を狭める」ことから始めてみてください。

たとえば、「両親を旅行に連れて行く」とか「友人と合コンをする」といったことでもかまいません。旅行先やその旅程を考えることも、合コンに誰を呼んでどの店にするのかを考えることも、「決定」し「可能性を狭める」過程にほかなりません。つまり、これらも立派な企画なのです。

もしかしたら、合コン会場に選んだ店にある珍しいメニューが合コン相手にハードヒットするかもしれません。それこそ、企画者が得られる喜びです。でも、自分の責任において決めたわけでなく、参加メンバーとなんとなく決めた場合なら、その喜びは半減します。だからこそ、自分の責任において決定すべきなのです。

逆に、その珍しいメニューが不評を買うというケースもあるでしょう。自分の身近な企画がヒットするのかそうでないのか、いいリアクションをもらえるのかそうでないのか——。その感覚を繰り返し得ていくことで、みなさんの思考が「企画できる人」のそれになっていくと思います。

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【高瀬敦也さん ほかのインタビュー記事はこちら】
“企画ストック数1万以上” の凄腕が教える「企画を出せる人・出せない人」の決定的違い
『逃走中』の企画はこうして実現した。「周囲に差をつける企画」に絶対不可欠な要素とは

企画 「いい企画」なんて存在しない

企画 「いい企画」なんて存在しない

  • 作者:高瀬 敦也
  • クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
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【プロフィール】
高瀬敦也(たかせ・あつや)
1975年11月16日生まれ、東京都出身。コンテンツプロデューサー。株式会社ジェネレートワン代表取締役CEO。フジテレビ在職中に『逃走中』『ヌメロン』『有吉の夏休み』などを企画。プロデュースしたゲーム版『逃走中』は累計100万本を達成し、「ヌメロンアプリ」は350万ダウンロードを記録。アニメブランド「ノイタミナ」を立ち上げ、「ノイタミナ」を命名。独立後は多分野でヒットコンテンツを企画。「とにかくつくって世に出しまくること」を信条とする。漫画・絵本原作脚本執筆、オリジナル家具ブランド「notos」の運営の他、ボディーチューニングブランド「DEMENSIONING」やソフトウェアプロダクション「POSTURBAN」を共同創業するなど幅広く活動。また、他業種にわたって新事業・商品企画、広告戦略策定などコンサルティング業務も行なっている。著書に『企画 「いい企画」なんて存在しない』『人がうごくコンテンツのつくり方』(ともにクロスメディア・パブリッシング)がある。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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