「考えが浅い」のは「○○力」が欠けているから。“この3つ” であなたの考えは深くなる!

考えてるつもりなのに「考えが浅いね」と言われる人01

「『まだ考えが浅い』と上司から言われる……」
「出す案がいつもイマイチで通らない……」
「当たり障りのないアイデアしか浮かばない……」

”考えているつもり” でも、思うように思考を深めることができず、悩んでいませんか? 

考えを掘り下げることができれば、問題解決にもコミュニケーションにも役立ちます。今回は、考えが浅くなる理由について解説しながら、考えを深める方法をご紹介しましょう。

考えが浅くなる理由は「言語化できていない」から

そもそも、「考える」とはどういうことなのでしょうか。

『言語化力 言葉にできれば人生は変わる』の著者であり、クリエイティブディレクターの三浦崇宏氏は、考える力とは「言語化力」だと述べています。

人間は言葉以前に、「感じる」とか「思う」とか「悩む」とか、そういう脳の一次反応みたいなものがあります。(中略)そういう反応を、"自分という他者"と共有するために言語化し、解像度を上げていく――例えば朝起きて「今日はなんかイヤだな」と感じたら、具体的にどういうことなのかなとか、なぜなのかなとか、言葉で丁寧に砕いていって具体化していくというプロセスそのものが、「考える」という行為だと僕は思っているんです。

(引用元:週プレNEWS|「言語化力」とは、すなわち考える力。正解なき時代を生き抜く最強の武器を持て!

頭にふと浮かぶ抽象的な思いを、言葉で丁寧に具体化していく。三浦氏は、この作業を「考える」ことだと定義しています。反対に、このプロセスをどこかで停止してしまう、つまり考えや思いを曖昧にしたままで言語化しないと、「考えが浅い」人になってしまうのです。

また、伝える力【話す・書く】研究所所長の山口拓朗氏は、「言葉を知らなければ深い思考はできない」と述べています。たとえば、私たちは母語ではない外国語でものを考えることはできませんよね。それと同じように、語彙力が弱いと繊細なニュアンスを表現することができず、言語化力、ひいては思考する力の低下につながってしまうのです。

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1. 興味の外にある分野の本も読んでみよう

思考が浅くなる背景には「言語化力」の不足があると述べました。

言語化力を伸ばすには、まず言葉を知る必要があります。そのための解決策としては、シンプルに「本を読むこと」が挙げられるでしょう。なかでもおすすめしたい方法は、”興味のない分野”の読み物にも目を通すことです。

この読み方を提案するのは、前出の山口氏。多くの人は、自分の好きな分野の本を読むことに偏りがち。しかし山口氏は、その状態だと特定の分野で使われている言葉にしか触れられず、語彙の幅が広がらないと述べています。

そこで、書店で普段行かないような棚にも立ち寄る習慣をつけることで、未知の分野の言葉に触れる機会をつくりだしましょう。また、ネットのニュース記事を読む際にも、同様のことが言えます。たとえば、閲覧するものがスポーツ関連の記事に偏りがちだとしたら、1日にひとつは国際関係の記事なども目を通してみてください。

山口氏いわく、「わからない言葉に出会うのは貴重な機会」。ネットの特性を活かして、わからない言葉はその都度検索し、語彙力を高めることにつなげてみてはいかがでしょうか。 

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2.「言葉の因数分解」をしよう

前出の三浦氏は「うまく言語化できる人は、頭のなかで『言葉の因数分解』をしている」と述べています。「言葉の因数分解」とは、状況や問題に対して、繰り返し問いを投げかけながら言葉で徹底的に具体化し、考えを掘り下げていくこと。

たとえば、「仕事の悩み」といっても「職場の人間関係」「モチベーション」「業務内容の難易度」など、そこにはさまざまな要素が含まれていますよね。こういった問題の要素を具体化し、漠然とした状況を明確にして、思考を整理するのです。

言葉の因数分解のやり方の例を説明しましょう。

例:【仕事がうまくいかない】

  • 第1レイヤー
    「仕事がうまくいかないとは?」→「上司とのコミュニケーションがうまくいかない」
  • 第2レイヤー
    「上司とのコミュニケーションとは?」→「上司からの指示の意図を読み違えて、注意される」
  • 第3レイヤー
    「なぜ意図を読み違える?」→「指示内容をきちんと理解せずに受けるから。上司に言葉で確認していない」

このように、自問自答をくり返し、思考のレイヤー(段階)を上げていくのです。

「わからない」「うまくいかない」というふわっとした思いが浮かんだとき、「なぜ?」と問いかけて具体的な言葉にしていく習慣をつけてみましょう。

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3.「10分メモ書き」をしよう

最後に、コンサルティング会社マッキンゼーで活躍した『ゼロ秒思考』の著者、赤羽雄二氏が提案する10分間の「メモ書き」という方法を紹介しましょう。

これは、A4用紙1枚あたり1分という速さで思いつくことを書き出し、思考の「質」と「スピード」を上げるトレーニングです。

具体的な方法は以下のとおり。

  • 「思いついたこと」「気になること」「疑問点」など、頭に浮かんだことを書き留める
  • A4用紙1枚につき「1分」を目安
  • 毎日10ページ(10分)
  • 夜にまとめてではなく、「思いついたとき」に実行する

赤羽氏いわく、話すスピードに近い速度で書くトレーニングをすることで、思考が整理され、深まりやすくなるのだそう。10分程度なら、気軽に始められそうですよね。

***
IT化が進んだ現代社会において、「考える力」は武器になります。記事で紹介した方法を参考に、考える力を磨いていってくださいね。

(参考)
週プレNEWS|「言語化力」とは、すなわち考える力。正解なき時代を生き抜く最強の武器を持て!
STUDY HACKER|「言葉を知らない」では深い思考ができぬ。語彙力を伸ばす大切な習慣――“文章術のプロ” 山口拓朗さんインタビュー【第4回】
東洋経済 ONLINE|「仕事がうまくいかない」とボンヤリと悩む人へ
リクナビNEXTジャーナル|A4の裏紙一枚で頭スッキリ! モヤモヤをなくし、即断即決できるようになる「ゼロ秒思考」

【ライタープロフィール】
青野透子
大学では経営学を専攻。科学的に効果のあるメンタル管理方法への理解が深く、マインドセット・対人関係についての執筆が得意。科学(脳科学・心理学)に基づいた勉強法への関心も強く、執筆を通して得たノウハウをもとに、勉強の習慣化に成功している。

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