目を背けず、少しずつ向き合う練習を! 大きな失敗をしたときに知っておきたいこと【尾木直樹『カリスマの言葉』第5回】

みなさんは、仕事や勉強、また生活において大失態を演じたことがありますか? どんな人でも、多かれ少なかれそんな失敗をしたことがあるものですが、その後あなたは一体どんな事態に陥ったでしょうか? いまこれを読んでいるということは、少なくともあなたの命がなくなったわけではなさそうです。

失敗は、わたしたちが生きるうえで大切なことを教えてくれる貴重な機会です。今回は、教育評論家の尾木直樹さんが、失敗に対する向き合い方をお伝えします。

【格言】 取り返しのつかない失敗なんて ほとんどないのよ!

以前、わたしがある出版社の取材を受けたとき、編集者の人が2時間も遅刻してしまうという失態を演じたことがあります。彼は、当日の朝5時までお酒を飲んで、寝坊してしまったというのです。幸い、ライターさんが時間通りにきていたので、取材自体は時間通り滞りなく進めることができました。

2時間遅れで到着した彼は平身低頭して謝り、すっかり恐縮しきっていたので、「まあまあ、そんなこともありますよ」と慰めていたのですが、そんな彼も、取材後、一緒に食事をとったときは、「このお寿司おいしいですね!」とすっかり元気を取り戻していました。彼は寝坊したと気づいたときは、「取り返しのつかない失敗をしてしまった!」と思ったにちがいありません。しかし、その後和やかな雰囲気のなか食事ができたのです。

このことからもわかるように、「取り返しのつかない失敗」なんて、じつはほとんどないのです。失敗は誰もがするもの。少々のことで、地球がひっくり返るようなことにはなりません。

大切なことは、失敗の次にどうするかです。まず、失敗をしっかり反省して、同じ轍を二度と踏まないということ。そして、失敗から得た学びを人生の糧にするということが大切なのです。

【プロフィール】 尾木直樹(おぎ・なおき) 1947年、滋賀県に生まれる。早稲田大学卒業後、私立開城高校、東京都公立中学校にて22年間にわたって教職に従事。その後、大学教員に転身し、2012年4月からは法政大学教職過程センター長・教授を務める。子育てと教育、メディア問題の專門家として調査・研究に取り組む一方、知見を活かし各メディアに出演している。近著に『取り残される日本の教育 わが子のために親が知っておくべきこと』(講談社)、『教育とは何?―日本のエリートはニセモノか―』(中央公論新社)などがある。

Photo◎川しまゆうこ

*** 失敗をすると心が動揺して頭も混乱しがちですが、「取り返しのつかない失敗なんてほとんどない」と知っていれば、自分でリカバーしていく勇気が出てきますよね。

もっとも避けたいのは、失敗を恐れてなにも行動を起こさなくなること。これではせっかくの成長の機会を得られなくなり、結果避けたいはずの失敗をますます引き寄せるという悪循環に陥ってしまいます。思わず目を背けたい失敗でも、勇気を出して少しずつ向き合う練習をしていきましょう!

■尾木直樹さん『カリスマの言葉』一覧はこちら ogi-ver1

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