ホワイトカラーとクリエイター

長いこと日本の労働層は、「ブルーカラー」「ホワイトカラー」とざっくりと分けられてきましたが、現在は多種多様な職業が増え、とてもその二つだけには分類できなくなっています。最近割合が多くなっている職種の一つに、“クリエイター”があります。

現在はデザインシンキング等が叫ばれており、一般の営業職や事務職でさえ物事を組み立てる力が必要性を増しています。それは従来存在した垣根が低くなる、あるいはなくなっていくことを示しています。これは決して実務的な部分を担うというわけではなく、頭の中でデザインしていくという思考力を養う必要があるということです。

本コラムでは、クリエイターの方々と仕事をうまく進める際の注意点を述べたいと思います。その中から自分自身にも取り入れられることをぜひ探してみてください。

クリエイターのマインドセット

実際クリエイターの方と仕事をしていくと、いわゆる会社員とはマインドセットの違いが感じられます。例えば、価格設定について。一見何の工夫がないように見えるデザインだとしても、発注側がその価格に納得できれば高額な金額設定となり、どんなに複雑で凝ったデザインでも、クライアントの意図に沿っていなければ価値がないと見なされます。

発注側は予算制約や納期を一番重視しがちですが、クリエイターはそれよりも「何がおもしろいか」という一点に重きを置き、考え抜きます。これはクリエイターとしてあるべき姿であり、「面白く仕上がった作品」をいかに当初の発注意図に合わせて軌道修正やブラッシュアップできるか、が、一般サラリーマンである我々に求められます。

「お互いに見ているものが違う」という相互理解が無いまま仕事が進んでしまうと、後でトラブルの種になりかねません。

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ディレクション

予算の制約や納期、あるいはその他満たしておかなければならない条件がある場合はまずそれらを全て提示してからミーティングやブレーンストーミングに移りましょう。実際始まってから制約が追加されたり予算が思ったより少なかったりすると、思い描いていたことが次々できなくなりモチベーションの低下にもつながります。
まず条件を漏れなく網羅しましょう。

思考と条件のバッファ

1で制約条件をはっきりさせておくことを重要点として挙げましたが、ただただ制約するだけではなく、違うベクトルでは自由を確保しておいてあげるなど、思考の幅を広げてあげるような働きかけが重要になります。制約条件の中でうまく抜け道を模索したり、思わぬアイディアを出してくれるのがいいクリエイターなので、そのための道具をいくつも準備して上げる、ということです。

自由に発想を広げるだけの余裕を見越しつつ、「必ずここだけは必須」というマストな条件は毎回伝えるなど、「クリエイターの自由な発想を妨げずに、こちらの意図もしっかりと実現する」という両方のハンドリングが必要となります。

協働感覚

クリエイターにとって、案件の投げっぱなしはあまり良い印象ではありません。気持ちよく仕事をしてもらうためには、ただただ条件を提示したりダメ出しをするだけではなく、一緒になっていいものを創ろうという想いが重要です。
例えば自分なりのアイディアを考え伝えたりすることもいいでしょう。「企画を形にするのがクリエイターの仕事だ」と決めつけず、時には一緒にブレストをするのも有効です。

情報交換や進捗確認は発注側の自分のためだけではなく、相手のモチベーションを上げるための「想い」のメンテナンス作業でもあることを認識しておいてください。モチベーションが上がれば良い作品につながるので、そういった細やかな心配りができるかどうかも、発注者側の「腕」ということになります。

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クリエイターは孤独な生き物

もちろんチームでの作業もありますが、一般的に「クリエイターは孤独だ」と言われます。自らのこだわりを実現させることに精力を尽くしてモノづくりをして、時にそれは他人の理解を得ることが難しいこともあるからですう。孤独に仕事をしているからこそ自分よがりな考えに陥ることもあるので、その辺りを正していくという感覚も必要です。

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いかがでしょうか。クリエイターやデザイナーなど、発想力が最も重視されている職種の方々は、会社のルールに則って仕事をしている一般のサラリーマンとは違う思考回路を持っています。そこをうまく理解しつつ、彼らの柔軟な発想をうまく取り入れることができれば、大きな成果につながります。また自分自身も新しい価値観が生まれ、成長のきっかけとなります。
これからは一般のサラリーマンも指示されたことだけをするのではなく、「クリエイター的発想」が求められるでしょう。一緒に仕事をする機会があったら、ぜひ思考を盗んでくださいね。

《参考文献》
実践デザインシンキング | 日経デザイン | 日経BP社
もうひとつのプレゼン-選ぶ側の論理- | 野口恭平 | インプレスジャパン