「勉強することが多すぎる。時間が足りない……。」そう嘆いているあなた、効率の悪い勉強をしていませんか? 私が大学に入った今もずっと続けている勉強のコツをご紹介します。
教科書の重要ポイントは●●が教えてくれる
なぜそんなに勉強に時間がかかるのか?
それは試験で出る問題がわからず、すべての範囲を勉強しなくてはならないから。 そこに、効率が悪いポイントがあります。まず、教科書や参考書「から」勉強を始めるのをやめましょう。
それではどうするか、過去問から解き始めます。 いきなり過去問から始めるのですから知識もなく、解けないのは当たり前です。できなかった問題には付箋をつけ、何度か繰り返しているうちに気づくことがあります。
「……この問題よく見る。」
そう、それこそが頻出問題といわれるものです。参考書に「頻出」とか「重要」と書かれていてもなかなか覚えられませんが、自分が何度も考え、わからないと悩んだ経験をしたものは自然と頭に入ってきます。 そこで頻出問題や、さらには最近の傾向を効率よくつかんでおきましょう。
教科書はクリティカルに読む
一通り過去問をやり終えてからやっと教科書の出番です。
まっさらな状態で教科書を読んでもなかなか頭に知識は残りませんが、自分で過去問を解き、重要なポイントやわからない点を把握した後だと教科書の有用さが実感できます。 教科書、ほんとにすごい。
また、全然出ていない分野やそれほど重要でないところもわかるので、その範囲をじっくりと読む手間も省けます。
疑問を持って文章を読むことは、「クリティカルリーディング」といわれますが、これは受動的に文章を受け流すよりも何倍も理解が深まるといわれています。 わからないところがあって文章を読むのですから、効果的な読み方になるのも納得ですね。
数学の得点は約10倍に
ここで少し私の話をしてみたいと思います。
私は高校2年生の冬、初めて京都大学の過去問に手を付けました。 得意だった数学ならば、正直太刀打ちできるのではないかと思っていました。 ……ですが結果は惨敗。
時間が足りない。どこから手を付けていいかわからない。解答の書き方がわからない。採点もしてもらいましたが、12/150点という悲惨な点数でした。
ですがここで私が思ったことは「どうしよう。」ではなくて「よかった、早めにこのことに気付けて。」でした。 これが入試直前だったら絶望でしたが、今はまだ高校2年生の12月、時間はたっぷりあります。
まずは赤本の解答をじっくり読み込むことから始めました。 納得できないものはインターネット上の解法や他の予備校の解答なども読み、典型的な解答の型や問題のパターンというものを実際に目で見て理解するようにしたのです。 そこで教科書を読み直し、京大入試の特徴的なの解法などは教科書に書き込み、次からはいろいろ見なくても、教科書だけを読み直せばいい状態にしました。
それを繰り返していった結果、私は図形問題が苦手ということがわかったのです。 普通の図形問題なら得意だと思っていましたが、京都大学の図形問題は他分野との融合問題や、ひらめきを必要とするものが多く、なかなか一般の参考書では対処できなかったのです。 ですがそれも慣れさえすればそれほど問題ではありません。 私は早めに過去問にぶつかり、たくさんの問題を解き慣れたことで、1年後の入試本番では見事108/150点という高得点をとることができました。
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いかがでしたか。過去問から解き始めるのは時間もかかるし非効率的なように思われがちです。 しかし、重要な点を把握できないまま教科書を読んでわかった気になるほうが、何倍も時間がかかるものです。 本当に時間がない人にこそ試してほしいこの方法、是非一度試してみてくださいね。
(参考文献) 「文章を論理で読み解くための クリティカル・リーディング」 福沢一吉 著