嫌な出来事が起きたときや、気がかりなことがあるとき、意気消沈しているとき、マイナス思考の堂々巡りに陥ってしまうということはありませんか? 悶々と考えているうちにストレスが増すばかりか、問題も何ら解決せず、さらにストレスが増大する……という負のスパイラルに陥ってしまうことも。
そんな心のもやもやを紙に書き出し、晴れやかな気持ちを取り戻してみましょう。それが今回ご紹介する「ジャーナリング」という方法です。
ジャーナリングとは
ジャーナリングとは、20分程度の時間内に、今考えていることをひたすら紙に書き記していくことです。どんなことでも構いません。ポジティブな気持ちも、ネガティブな気持ちも、書き出しましょう。体調や気持ち、仕事の様子、人間関係のことなど、あらゆることについて思っていることを書き記してください。
書くというプロセスによって気持ちをすっきりさせ、考えを整理し、自分自身についての理解を深めるのがこのジャーナリングの目的です。綺麗に書かなくても大丈夫。書いた後の紙は捨ててしまっても問題ありません。思いのままにペンを走らせましょう。
嫌なことを書き出す効果とは
嫌なことやトラウマとなるような出来事を、積極的に思い出したいと思う人はいないと思います。しかし、それらをあえて思い出し、勇気を持って書き出してみてください。書いたばかりの時はネガティブな感情がよみがえり、気分が悪くなるかもしれません。しかし長い目で見ると、その作業は心身に良い影響を与えるということが分かっています。
ジャーナリングの効果についての研究では、ジャーナリングをするとストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールが減少することが確認されたのだそう。それによって免疫力向上や内臓機能の改善なども期待でき、心の健康にとどまらず、身体的な健康を取り戻すことができるのだといいます。また、ジャーナリングによって嫌な気持ちを書き記した被験者は、学業成績が上がったり、仕事を休まなくてはならない回数が減ったり、仕事の能率が向上したりするなど、勉強や仕事へ良い影響があることが確認されています。
また、以下のような興味深い実験結果も発表されています。
失業した人たち(知的労働者)を対象にして、5日連続、毎日20分間のジャーナリングをしてもらい、その後8ヶ月間、追跡調査しました。 同時に、同じような失業者(知的労働者)でジャーナリングしなかった人たちも、同じ8ヶ月間、追跡調査しました。 その結果として、8ヶ月後、ジャーナリングを5日間した人たちの就職率が、しなかった人たちよりも40%も高いことが判明したのです。
(引用元:うつ脱!|書き出せ!《ジャーナリング》:打たれ強い心を作る習慣)
失業して後ろ向きになっていた気持ちがジャーナリングによって改善され、もう一度前に進む活力が生まれたのです。ジャーナリングには驚くべき効果があるということがお分かりいただけるでしょう。
ジャーナリングを毎日の日課に
ジャーナリングの効果を得るために、日課として毎日の生活に組み込みましょう。上述では1日20分程度としましたが、難しければ最初は1日5~10分程度から始め、徐々に時間を延ばしていきましょう。
書くことに困るかもしれません。そんなときは、「仕事場での出来事」や「友人とのコミュニケーションについて」など、あらかじめテーマを設定しておくとよいでしょう。
日頃からジャーナリングに取り組むと、気持ちが落ち着きすっきりとするだけでなく、新たな気づきを得たり、自分を客観視することで冷静になれたりします。次第に、ストレスに強いしなやかな心を手に入れることができるでしょう。
*** いかがでしょうか。 吉田兼好も「徒然なるままに」物書きをしたと言っていますが、思いつくことをそのまま書いていことに慣れると、不思議な面白さを感じられるものですよ。打たれ強い心を得るために、皆さんもぜひ実践してみてください。
(参考) うつ脱!|書き出せ!《ジャーナリング》:打たれ強い心を作る習慣 healthy women|Reduce Stress by Journaling makeuseof|Start this Simple Habit to Rocket Your Productivity: Journaling makeuseof|5 Creative Hobbies That Will Make You a Happier Person PsychCentral|The Health Benefits of Journaling