あなたはどの「技」をまねる? 成功者たちの上手なノートの使い方。

ビジネスパーソンであれば、手帳やノートを普段から使っているという方も多いはず。でも、スケジュール管理やちょっとしたメモ書き程度でしか活用できておらず、「もっと効果的なノートの使い方をしたい」「もう少し工夫してノートを上手に使いこなしたい」などと感じている方もいるのではないでしょうか。

近年「ノート術」を謳った書籍や雑誌の特集が増えて人気を集めていることからも、このような悩みを抱えて解決策を模索している人が多いことが見て取れます。そこで今回は、ノートを上手に使いこなして活躍されている(いた)方々に注目しながら、彼らの「技」をご紹介していきましょう。

こんなノートの使い方、していませんか?

「どのノートに書けばいいのか迷っているうちに、書くべき内容を忘れてしまった……」 「どこかにメモを残したはずなのに、どこに書いたのかを忘れてしまった……」 「ノートに書きこんだだけで安心してしまい、あとからそれを振り返ることをしない……」

このような経験のある方はいないでしょうか。これでは、大事なことをうっかり忘れてしまったり、せっかく「これはあとで使えるかも!」と感じた情報を無駄にしてしまったりしますよね。

これらは些細な出来事のように感じられるかもしれません。しかし改善しないまま放置しておくと、仕事や生活において “うっかり” が多発してしまい、信頼の失墜や重大な失敗につながってしまう危険性だってあるのです。

手元にノートの用意があるだけで安心してはいけません。ノートを上手に使いこなせれば、このような “うっかり” を未然に防げるのはもちろん、私たちをレベルアップさせてくれる最強のツールとして役立てることができますよ。

1. ノートは1冊にまとめよう

皆さんの中には、“スケジュール管理” “アイデア整理”、あるいは “プロジェクトごと” など、用途に応じてノートを使い分けている方もいるのではないでしょうか。しかし、著作家・ライターの奥野宣之氏は、自身の著書『情報は1冊のノートにまとめなさい』で、「常に1冊のノートだけを使い、あらゆる情報を時系列に収録していく」というノートの使い方を推奨しています。

「持ち歩くときにカバンが重くなる」「書きたいと思ったときに該当のノートを探すのに手間がかかる」など、複数のノートを使い分ける場合にありがちな面倒を解消できるのはもちろん、奥野氏は下記の2つの利点にも注目しています。

まず1つめは、参照のしやすさです。1冊にまとめることで、書き込んだ情報が複数のノートに散らばることがないため、情報の一元管理ができるようになります。つまりノートをさかのぼっていきさえすれば、該当の情報に容易に辿り着けるようになるのです。

そして2つめは、インプットのしやすさです。

どのノートに書くか、どのページに書くか、迷うことはありません。記入するところは常に「今使っているノートの新しいページ」です。どこに書くか迷っているうちに良いアイデアを霧散させることもなくなるし、常に同じノートを持ってさえいればいいので、会議に会議用ノートを持ってくるのを忘れるといったミスも、まったくなくなってしまいます。

(引用元:BPnet|なぜ1冊だけを使うのか

書きたいときにすぐに書けて、振り返りも楽にできる。ノートを1冊にまとめることで、情報のインプットとアウトプットをしやすい環境を作ることができますよ。

2. ノートを使ってアンテナを張ろう

フィギュアスケーターの羽生結弦選手は、自身で「発明ノート」と名づけたノートに、練習で感じたことを毎日のように記しています。練習中に気になったことや思いついたこと、ジャンプのタイミングや感覚、自分が試してみて良かったことや悪かったことなど、全てをノートに殴り書きしているのだそう。また「布団の中に入ってイメージトレーニングをしている最中にひらめき、起き上がってノートを書く」こともあるのだとか。

このような “こまめなアウトプット” には、問題について考える姿勢が潜在意識の中に刷り込まれていくという効果があります。つまり自分では意識していなくても、脳が常にその問題について考え続けてくれるようになるのです。この「アンテナを張った状態」を作り出すことで、思いもよらない場面で突然解決策がひらめいたり、全く関係ないと思っていた事柄が予想だにしなかった場所でリンクしたりします。

こまめにノートやメモに書き残す習慣は、実は多くの偉人たちも行なっていました。たとえば発明家のトーマス・エジソンは、他人の論文や発明はもちろん、一見すると研究には何の関係もなさそうな自身の関心ごと、さらには今使えないと思ったアイデアまで、欠かさずノートに残していたのだそう。また幅広い分野において顕著な業績を残した万能人レオナルド・ダ・ヴィンチも、膨大な数のノートに大量のアイデアを記しています。

皆さんも、どんな些細な思いつきや気づきでも、あるいは今は実現不可能だと思う壮大なアイデアでも、自分の頭に浮かんだその瞬間に、ノートに書き出す習慣をつけてみてはいかがでしょうか。

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3. ノートを何度も読み返そう

メモ魔として上で取り上げたエジソンですが、じつは彼はこまめにノートに書くだけでなく、それを何度も見返していたそうです。問題の解決策を探しているときや乗り越えられない壁にぶつかったときに現状からの打開を図るためであったのはもちろん、物事がうまくいったときでさえ、ほかの問題とリンクさせて解決することができないかと模索するために、ノートを振り返っていたのだそう。

同じ内容のメモを何度も見返すことは一見無意味なように感じられるかもしれませんが、決してそんなことはありません。昨日の自分と今日の自分と明日の自分では、物事を見る角度や考え方が少しずつ異なっています。エジソンが数々の発明を生み出すに至った背景には、このようなノートの振り返りから得た、たくさんの “気づき” があったからかもしれませんね。

「とりあえずノートにメモしておしまい」とするのではなく、毎日たった5分でもかまわないので、ノートを振り返る習慣をつけてみてはいかがでしょうか。忙しくてそんな時間は取れないという方であっても、移動の電車の中でスマートフォンをいじっている時間や、待ち合わせまでの少し空いた時間など、スキマ時間は意外と多く眠っているはず。ちょっとだけノートを開いてメモを読み返す時間に充てることで、新しい気づきが生まれるかもしれませんよ。

*** ノートを上手に使う「技」といっても、今日から実践できる簡単なものばかりだと思いませんか。ぜひこれらを参考にしながらノートを有効活用し、毎日の仕事や生活を充実させてくださいね。

なお、「勉強ノート術7選! 東大生・京大生おすすめ」では、さまざまなノート術を紹介しています。ぜひご参照ください。

(参考) 東洋経済オンライン|「ノート術」にハマる人は何を求めているのか 奥野宣之 (2013),『情報は1冊のノートにまとめなさい[完全版]』, ダイヤモンド社. BPnet|なぜ1冊だけを使うのか YOMIURI ONLINE|羽生結弦の強さの秘訣 “発明ノート”とは? ~トップアスリートが実践するメンタル・メソッドの効果 朝日新聞デジタル|羽生、王子から王者へ 苦手のジャンプ、「科学」で克服 PRESIDENT Online|毎日、紙に書き出すことは本当に効果があるのか? リクナビNEXTジャーナル|デキる人は、やっぱり「メモ魔」だった――メモのもたらす5つの効果 nanapi|天才たちの日課に学ぶ!クリエイティブに生きるための生活習慣5選 偉大なる発明家トーマスエジソン|エジソンと発明を考える

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