脳が働かないときにやるべき10のこと。“まず笑う” のが良いという意外な事実。

近年、アメリカで新しい流行病となっているというブレイン・フォグ(Brain fog)とは、その名のとおり、脳に霧がかかったような状態を指します。なんだか頭が働かない、ボーっとする、ここまで出かかっているのに、どうしても思い出せない、集中できない、落ち着かない、と感じるその症状は、脳の栄養不足とアンバランスな生活を送っていることが原因で起こるのだとか。

今回は、「脳が働かないときにやるべき10のこと」を紹介します。

脳が働かないときはコレ1:活動する

活動的に過ごす・運動することは、血行を改善し、脳や体に酸素や栄養を行きわたらせます。

ジャーナリストの Richard Laliberte 氏は Prevention.com のなかで、50mgのカフェイン投与よりも、10分程度の階段歩行のほうが、ワーキングメモリ・注意力・反応時間などを向上させると伝えています。

『HEAD STRONG シリコンバレー式頭がよくなる全技術』の著者、Dave Asprey 氏も、運動するとミトコンドリア(細胞小器官)が元気になり、細胞が効率的に働くようになって、脳のパフォーマンスアップにつながると伝えています。

また、運動すると筋肉が FNDC5 というタンパク質を放出し、海馬のBDNF(脳由来神経栄養因子)濃度を高めてくれるのだとか。BDNFは「脳にとって奇跡の肥料」とも呼ばれ、脳の神経発生、保護、再生、細胞生存、シナプス可塑性、新しい記憶の形成と保持を起こさせるといいます。

エレベーターやエスカレーターを、あまり使わないようにするだけでも効果があるので、ぜひお試しください。

脳が働かないときはコレ2:日光を浴びる

Dave Asprey 氏によると、「光」はミトコンドリアの栄養を供給する、薬のようなものなのだとか。ただし、パソコンやテレビ、スマートフォンなどから出ているブルーライトはそれに含まれません。

同氏はブルーライトを、ジャンクフードばりの「ジャンクライト」と表現しているほど。むしろミトコンドリアをダメにしてしまうそうです。

つまり、ミトコンドリアを元気にする光とは、自然な「日光」のこと。ミトコンドリアは、目の中にも、肌にもたくさんいるので、日光は直接浴びたほうがいいとのことです。

脳が働かないときはコレ3:タンパク質をとる

ジャーナリストの Richard Laliberte 氏によれば、炭水化物たっぷりの食事(白米や白いパン、麺類や芋類が多い)やスナック菓子は、脳内のニューロンが行う「危険を警戒する」という重要な活動を阻止してしまうそうです。

逆に、アミノ酸を豊富に含む高タンパク質食品(肉、魚、卵、豆類、乳製品)は、ニューロンをしっかりと刺激してくれるのだそう。同氏は、より多くのタンパク質を摂取するようアドバイスしています。

また、意欲にかかわるドーパミンや、心身を安定させるセロトニンなどの神経伝達物質は、アミノ酸(タンパク質をつくる最小成分)からできているため、タンパク質不足になると神経伝達物質が鈍化し、集中力や思考力を低下させてしまう可能性があるとのこと。

タンパク質は、脳の健康に欠かせないのです。

脳が働かないときはコレ4:十分に水を飲む

イースト・ロンドン大学とウェストミンスター大学の研究者らは、水分が脳を活性化させることを発見したそうです。

2013年7月16日に科学誌『Frontiers in Human Neuroscience』で発表されたこの研究では、知的作業に集中する前に約0.5リットルの水を飲んだ人は、飲まなかった人と比べて、14%反応時間が速くなったのだとか。のどの渇きを自覚した人においては、その効果がより顕著にあらわれたそうです。

研究者は、水分が不足するとホルモンがバランスを崩し、脳に影響を及ぼすと考えています。こうした実験は大人だけではなく、子供たちにも行われましたが、同様に水をたくさん飲んだ子供たちは集中力と記憶力が向上したそうです。

子供における「コップ1杯の水」の影響は、大人よりもずっと大きかったそうなので、体の大きさも考慮するといいかもしれません。

(※一気に大量の水を摂取すると危険なので、一度に飲むのはコップ1杯を目安にして、小まめに水分補給しましょう)

脳が働かないときはコレ5:ローズマリーの活用

Richard Laliberte 氏によれば、ローズマリーの精油(※)の香りが、暗算タスクのパフォーマンスを向上させることが、予備調査によって示されているそうです。

また、東京工科大学応用生物学部教授の佐藤拓巳氏によると、ローズマリーに含まれるカルノシン酸、脳細胞を保護する働きがあるそう。

佐藤氏らの研究グループは、2008年にカルノシン酸が脳の経路を活性すると報告しており、科学誌『Cell Death and Disease』2016年11月24日号に掲載された研究では、アルツハイマー病を抑制することも発見しています。

ただし、カルノシン酸に揮発性はないため、塗るか食べるかのいずれかで体内に入るとのこと。ローズマリーは肉料理の香辛料としても使用されますが、関門があるヒトの脳にカルノシン酸を到達させるのは容易ではないそうなので、精油の香りを嗅いで暗算能力を高めながら、脳の保護や活性を期待しつつ、料理に活用していくといいでしょう。佐藤教授は今後、健康食品への応用などを目指すと伝えています。

(※ローズマリーの精油は、妊娠中や生理中の方、高血圧の方、てんかん症の方などは使用しないほうがいいとのこと。ご購入先によくご確認ください)

脳が働かないときはコレ6:コーヒーを飲む

カナダ・トロントの研究所、クレンビル・ブレイン・インスティテュートの Donald Weaver 博士が率いるチームは、コーヒー豆の焙煎過程で生成されるいくつかの化合物について調査したところ、脳のゴミともいわれるアミロイドβとタウの蓄積を阻害する働きを持ち、それによって神経を保護する効果がもたらされている可能性があるとわかったそうです。

その化合物とは、コーヒーに苦味を与える「フェニルインダンのこと。“カフェイン入り・無し”のどちらにも含まれているそうです。深煎りのほうがわずかに含有量が多いとのこと。

また、コーヒー豆には「トリゴネリン」という成分も含まれており、脳の神経細胞(ニューロン)の形成を促進すると、富山医科薬科大学の服部征雄教授が報告しているそうです。

ただし、トリゴネリンは熱に弱く、コーヒーの淹れ方によって成分量が変わるとのこと。トリゴネリンを手軽に摂取できるよう工夫されたコーヒーも販売されているので、試してみてはいかがでしょう。

脳が働かないときはコレ7:ブレインフードを摂取

2019年1月9日付で『American Journal of Clinical Nutrition 』に公開された、筑波大学体育系 前田清司教授らの研究では、発酵乳から見つかった「ラクトトリペプチドが血圧の安定や、血管内皮機能の改善だけではなく、脳の活性化にも効果的だと明らかにされたそうです。同成分が配合された乳酸菌飲料は、コンビニでも購入できるはず。

また、ワイル・コーネル医科大学が運営するアルツハイマー予防クリニックの院長補佐でもある Lisa Mosconi 助教(神経科学)は、脳の健康を促進する「ブレインフード」として、以下5つを挙げています。

1.オメガ3脂肪酸など栄養豊富な「キャビア」 2.栄養度が高い 「色の濃い葉菜類」 3.抗酸化物質が豊富な「ベリー系」 (ブラックベリーやブルーベリー、イチゴ、ラズベリー、ダークチェリーなど) 4.オメガ3脂肪酸やビタミンEなどを含む「オイル」 (エクストラバージンオリーブオイルやアマニ油など) 5.抗酸化物質のテオブロミンを多く含む「生カカオ」 (高カカオのダークチョコレート)

脳が働かないときはコレ8:笑う

笑うと間脳に興奮が伝わり、情報伝達物質の神経ペプチドが活発に生産され、血液やリンパ液を通じ、体に悪影響を及ぼす物質を退治してくれる NK細胞を活性化します。笑えば免疫力が高まるということ。

また、笑うと、意志や理性をつかさどる大脳新皮質に流れる血液量が増加するため、脳の働きが活発になるそうです。脳の海馬の容量が増え、記憶力がアップするともいわれています。それに、脳にアルファ波が増えリラックスできるとのこと。

お笑いやコメディ映画を観て笑うもよし、誰かと会って笑い話をするのもよし。

「いま、ちっとも笑いたくない」というときは、割り箸を口にくわえてみるといいですよ。そうして無理やりでも口角を上げると、表情筋の動きが脳に伝わり、楽しいと感じる部分を刺激します。これによって脳は笑っていると勘違いするので、効果が生まれるはずです。

脳が働かないときはコレ9:会って喋る

東北大学加齢医学研究所所長の川島隆太氏は、さまざまな脳機能計測実験を繰り返すうちに見えてきた事実があると伝えています。

実際に誰かと会って話をすると脳の前頭前野は活発に働きますが、テレビ会議システムなどを使って、実際には会わずに話をしていると、前頭前野は働かないのだとか。

「頭が働かないなあ」と思ったら、集中しようと必死になるより、ちょっと席を立ち、休憩がてら誰かと対面で会話したのち、あらためて仕事と向き合うほうが、結果的には生産性が上がるはずです。

脳が働かないときはコレ10:寝る

仕事や勉強のパフォーマンスが低下したら、何はともあれ「寝る」ことです。

2013年10月、米国ロチェスター大学メディカルセンターの研究チームによれば、わたしたちが眠っているあいだ、脳は認知症を引き起こす要因のひとつとされる βアミロイドなどの老廃物を除去しているのだとか。

また、脳神経科学者で早稲田大学研究戦略センター教授の枝川義邦氏は睡眠時間が足りていない「睡眠負債」の怖さについて言及しています。睡眠負債が長く続くと、脳の機能が低下してワーキングメモリの働きが悪くなるため、単純ミスや物忘れが多くなってしまうのだとか。

脳が働かない? それなら、とりあえず寝ちゃいましょう!

*** 脳が働かないときにやるべき10のことを紹介しました。

1:活動する 2:日光を浴びる 3:タンパク質をとる 4:十分に水を飲む 5:ローズマリーの活用 6:コーヒーを飲む 7:ブレインフードを摂取 8:笑う 9:会って喋る 10:寝る

ご自身の体の状態や、仕事や勉強のパフォーマンスの状態を考慮しながら、うまく取り入れてみてくださいね。

(参考) マイク・ダウ著, 坂東智子訳(2017),『脳が冴える最高の習慣術~3週間で集中力と記憶力を取り戻す』,大和書房. Prevention|5 Shockingly Simple Ways to Get Rid of Brain Fog, According to Doctors ダイヤモンド・オンライン|HEAD STRONG シリコンバレー式頭がよくなる全技術|「ただの運動」が脳をとんでもなく変える理由 J-WAVE NEWS|頭をよくするには「ミトコンドリア」を働かせよう! 寝る前に摂取したいモノ POWER PRODUCTION MAGAZINE(パワープロダクションマガジン)|タンパク質の不足で起こる諸症状、その症状と対策とは WIRED.jp|水を飲むと脳が活性化する:研究結果 日本食品機能研究会:食品の三次機能(体調調節)を解明|日本食品機能研究会(JAFRA):ローズマリー由来のカルノシン酸の機能性研究~東京工科大学先端食品セミナー 東京工科大学|2016年のプレスリリース|ローズマリー由来の物質がアルツハイマー病を抑制 Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)|脳の健康に役立つコーヒー、焙煎度で効果が異なる可能性 Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)|脳を健康にする「ブレインフード」、専門家が勧める5つの食品 九州医事新報・中四国医事新報・東海医事新報・関西医事新報|鳥取大学 浦上教授開発|認知症予防向け商品 筑波大学|お知らせ・情報|注目の研究|乳由来の「ラクトトリペプチド」は脳を活性化させる! サワイ健康推進課|カラダの豆事典|“笑い”がもたらす 健康効果 AERA dot. (アエラドット)|自分の脳は騙せる! 医師直伝「ご機嫌脳」のつくり方 (1/3) 〈週刊朝日〉 東洋経済オンライン|スマホが脳の発達に与える無視できない影響 Study Hacker|「あなたの脳はゴミだらけ」睡眠を軽視しがちな人が知らない3つの真実。 Liberation|アロマセラピー|精油の禁忌

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