「お花見の良さ」とは? 桜を見て心理的安全性を高めよう

「お花見の良さ」とは? 桜を見て心理的安全性を高めよう

日本の春といえば、花見。ピンク色に染まった桜の下、私たちは桜の美しさを楽しみ、家族や友人、同僚と楽しく食事をし、思い出をつくるものです。

しかし、花見がもたらしてくれるのは、単なる楽しみだけではありません。ビジネスパーソンにとってもメリットがあるんですよ。

今回は、花見がビジネスパーソンに与えてくれるメリットをご紹介します。

花見をするメリット:コミュニケーションの機会が生まれる

上司や同僚と花見をする機会は、昨今では少なくなっているかもしれません。「仕事とプライベートははっきり分けたい」という考えが珍しくなくなり、就業時間外に仕事仲間と食事に行ったり、イベントに参加したりといったことが当たり前ではなくなりました。

しかし、花見のような季節のイベントは、コミュニケーションが希薄な職場であれば特に、貴重な交流の機会となります。

近年はリモートワークが珍しくなくなりました。あなたの職場でも、実際に顔を合わせたことがほとんどない同僚がいたり、同じオフィスで働いていても全員がPCに向かっていて会話がほとんど発生しなかったり……ということはありませんか?

業務上のやり取りさえできていれば、雑談を交わしたり仲よくなったりする必要はない、と思うかもしれません。しかし、仕事と直接関係のないコミュニケーションは、仕事上のコミュニケーションにも影響を与えるようなのです。

2021年、転職情報サイト「エン転職」のユーザーを対象に、「職場でのコミュニケーション」に関するアンケート調査が行なわれました。

回答者8,948名のうち、職場でコミュニケーションが「取れている」と回答したのは64%。「取れていない」は36%でした。

そして、「取れている」と回答した人に「コミュニケーションが取れることは何に効果がありますか?」と尋ねたところ、以下のような答えがあったそうです(複数回答)。

  1. 働きやすさ(69%)
  2. チームワーク(63%)
  3. 仕事の効率(57%)

具体的には、

  • 普段から何気ない会話をしているので、重要な話題でも上司に話しかけやすい
  • 仲が良いと意見を出しやすくなり、結果としてチームワークが良くなっている」

などのコメントがありました。つまり、業務で必ずしも必要でないコミュニケーションを普段から重ねることで、業務上必要なコミュニケーションをとりやすくなると考えられるのです。

Q. 同僚との花見に参加するメリットは? A. 仕事以外での交流により、業務上のコミュニケーションもとりやすくなる。

コミュニケーションがとれない職場だとどうなる?

反対に、職場でのコミュニケーションが希薄だと、どんなデメリットがあるのでしょうか? 上述のアンケートで、職場でのコミュニケーションが「取れていない」と回答した人に、その影響を尋ねたところ、以下のようなコメントがあったそうです。

  • 上司に相談がしづらく、コミュニケーションを避けるためミスに繋がっている
  • 「意思疎通ができないため、業務に支障が出ている」

上司や同僚に話しかけにくく、コミュニケーションをためらうような環境だと、「この作業のやり方はこれで合っていますか?」「○○について相談したいのですが」といった話を切り出しにくいのは、イメージしやすいですよね。「よほど大事な話でもないと、声をかけたら迷惑かな……」という意識になり、報連相をしづらいのです。

コミュニケーションのとりやすさは、「心理的安全性」に関係しています。ハーバードビジネススクールでリーダーシップ・マネジメントを教えるエイミー・エドモンドソン教授によると、心理的安全性とは次のようなものです。

a belief that one will not be punished or humiliated for speaking up with ideas, questions, concerns, or mistakes, and that the team is safe for interpersonal risk-taking

意見や疑問、懸念や失敗などを発信しても罰を受けたり恥をかいたりすることがなく、人間関係上のリスクをとっても大丈夫なチームであると信じられること

(引用元:Amy C. Edmondson|Psychological Safety

「質問したいことがあるけれど、『いちいち聞くなよ』と迷惑がられないかな?
「提案したいことがあるけれど、面倒がられそうだから、やめておこう……

こんなふうに思ったことはありませんか? そうであるなら、あなたの職場は「心理的安全性が低い」ということになります。

Q. コミュニケーションが希薄な職場だとどうなる? A. 上司や同僚に声をかけづらいので、報連相の欠如やミスの発生につながる。

花見で心理的安全性を高めよう

心理的安全性が低い職場では、報連相を含むコミュニケーションをためらいがちになり、ミスや問題が発生しやすいと言えます。

そして、心理的安全性と雑談は関係しているようなのです。上述のアンケートで「職場に心理的安全性がある」と回答した人に理由を尋ねたところ、最多の回答は「他愛のない雑談ができるから」(75%・複数回答)でした。

つまり、雑談のできる職場では業務上のコミュニケーションがとりやすく、雑談さえためらわれるような職場では、業務に関係する話もなかなかできないのです。

あなたの職場では、同僚と雑談できる機会はありますか? 花見のように季節のイベントはあるでしょうか?

もし職場でのイベントとして花見が開催されたり、同僚から誘われたりしたら、できるかぎり参加してみてください。

オフィスから離れての花見では、仕事中の緊張感から解放されて、気軽にコミュニケーションがとりやすいかもしれません。コミュニケーションをとる機会が少ない職場であればなおさら、貴重な機会を逃さないようにしましょう。

季節のイベントに参加し、仕事とは関係のない雑談をすることで、業務上のコミュニケーションも円滑にとれるようになるのです。

***
花見は年に一度のイベントです。「就業時間外にまで職場の人と関わりたくない……」という方も、できるだけ参加してみてはいかがでしょうか。

仕事とは関係のない雑談をすることで、心理的安全性が高まり、仕事中のコミュニケーションも円滑になるはずです。

(参考)
エン・ジャパン|8,900人が回答!「職場でのコミュニケーション」調査 ー『エン転職』ユーザーアンケートー
Amy C. Edmondson|Psychological Safety

【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部
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