みなさんは二つの選択肢が渡されたとき、すぐに決断を下せますか?
第一志望校に不合格でもう一回挑戦するか、滑り止めの大学に入学するか。こんなに重大な選択ではなくても、「今日のお昼ご飯にどちらを食べようか」といった選択で悩むこともあります。どうすれば後悔しない選択をすることができるのでしょうか?
今回は選択について考えてみましょう。
選択に悩むのは選択肢が互角だから
そもそも、なぜ私たちは選択に悩むのでしょう。
選択に悩むのは知識がないからで、選択肢への知識があれば迷わず決断することはできるのでしょうか?
哲学者のルース・チャン氏は、私たちが選択に迷うとき、正しい選択肢を選ぶことができなくて悩むわけではないのだといいます。彼女によると、選択が難しいのはただ単に選択肢が「互角」であるからなのだそう。
どちらを選ぶかで悩む時、それらの選択肢は自分の中の価値や重要度は同じですが、内容が全く異なるため、選択するのが難しいのです。
(引用元:JOBKULMAGAZINE|【正しい選択など存在しない】人生で直面する難しい選択の仕方【TED】)
例えば、100円と1,000円どちらがより価値がありますかと聞かれたら、すぐに1,000円だと答えられますよね。しかし、文理選択や進路などでは、将来にかかわるという点は同じなのに、それぞれ同じくらいメリットとデメリットが出てくるため、簡単に価値を判断できません。
このように選択肢が同等になってしまうと、選択に迷ってしまうのです。
迷ったときは自分の価値観を信じる
では、私たちは何を理由にして選択すべきなのでしょうか。
人気漫画であり、アニメ化や映画化もされた「宇宙兄弟」には、宇宙飛行士を目指す主人公ムッタに対し、シャロン金子博士が選択についてアドバイスをしています。
迷った時はね、どっちが正しいかなんて考えちゃダメ。 どっちが楽しいかで決めなさい。
(引用元:Lifestyle Design Guide|宇宙兄弟のシャロン博士の名言から考える幸福な選択をする方法)
選択を迷っているということは、自分のなかで二つの選択肢が同じだけの価値を持っているということです。そういうときに考える選択の正しさは、自分自身の価値観によって決まるのではないでしょうか。迷ったときは正しいかどうかではなく、自分の価値観に基づく楽しさで決めることが大事なのです。
筆者自身、文理選択をどうするか迷っていた時期がありました。「数Ⅲまで勉強したのだから、理系にするのが普通」と思い結局理系にしましたが、数学の成績が伸び悩み、最後まで苦しむことになりました。「数Ⅲまで勉強したのだから、文転するのはもったいない」という友達の価値観に引っ張られていたのです。
重大な選択ほど、自分の価値観に従っているかを確認することが大切なのですね。
選択を変えれば自分は変わる
先ほど登場したルース・チャン氏は、難しい選択は神様からの贈り物だと述べます。それは難しい選択を通して、自分は何者であるかを知り、何者になるかを決めることができるからです。
このような人物になるべきだと、自分自身で決める大義名分を、自ら作り出した場合には、心の底から真の自分になることができます。ある意味、自分の人生の作者になることができる、とも言えます。
(引用元:logmi|朝食から職業まで、悩ましい選択は人生のチャンス? 哲学者が教える、あなたの個性の作り方)
今ここにいる自分は、過去の自分が下してきた選択の結果です。過去の選択を分析すれば、自分がどんな人間かを発見することにつながります。逆に、自分の理想像が行うであろう選択をしていけば、なりたい人格に近づけるのかもしれませんね。
*** 人生は選択の連続です。朝起きるかどうかから始まり、夜いつ寝るのかまで、わたしたちは何度も選択をしています。選択するたびに自分を形作ることを意識し、一つ一つの選択を大切にできるようになりたいですね。そうすれば、難しい選択すらも楽しめるようになれるかもしれませんよ。
(参考) JOBKULMAGAZINE|【正しい選択など存在しない】人生で直面する難しい選択の仕方【TED】 Lifestyle Design Guide|宇宙兄弟のシャロン博士の名言から考える幸福な選択をする方法 logmi|朝食から職業まで、悩ましい選択は人生のチャンス? 哲学者が教える、あなたの個性の作り方