仕事や家事、育児が忙しくて、始めてみたいことはあっても、とてもじゃないけどそんなことに取り組む時間はない……!そんな風にあきらめている人、多いのではないでしょうか。でも、新しい趣味として何かを学びたい時って、「これで一生食べて行きたい!」「オリンピックに出たい!」というレベルを目指すわけではないですよね。新しいことを学習したければ、20時間あれば足りるのです。
世界レベルなら1万時間、楽しむレベルなら20時間
この20時間の学習時間を提唱しているのが、作家のジョシュ・カウフマン氏。学習オタクを自認するカウフマン氏は、子どもが生まれたことをきっかけに、自分の時間がなくなるのではという不安に駆られるようになったと言います。そこで彼は、新しいことを習得するのにどのくらいの時間がかかるのかを調査しました。その際によく目にしたのが、「一万時間を費やせば誰でも世界レベルの実力を身に着けることができる」という実験結果。これは、以前studyhackerのコラムでも取り上げた有名な理論。 →『習慣は平均66日の繰り返しによって作られる。成功を導く「習慣の作り方」』 ですが、世界ナンバー1のレベルにまで到達しなくちゃダメ、という人はなかなかいませんよね。カウフマン氏はここから更に調査を続け、有名な学習曲線から、プラトー(高原)状態という伸び悩みの時期に陥るまでの間、つまり学習を始めたてで吸収率の高い時期に着目し、20時間あれば十分という結論に至ったのです。1日45分を一ヶ月続ければ、新しいことは習得できてしまうのです。
20時間で習得するメソッド
カウフマン氏は実際この20時間の法則を活かして、1年間でヨガ、プログラミング、タッチタイピング(ブラインドタッチ)、囲碁、ウクレレ、ウィンドサーフィンの6つのスキルを習得したと言います。そのカウフマン氏がTEDで紹介していた習得方法はこちら。 1.スキルを小さく分解 どんなスキルも、小さなスキルの集合体です。英語ができるようになりたい!と思ったとしたら、書くこと、聞くこと、覚えること、話すことなど様々なスキルが必要になってきますよね。どれが重要か、もしくは自分はどれが一番苦手かを考えながらどこから練習するかを見極めましょう。
2.まずは間違いを自分で修正できるようなレベルを目指す 学習分野について3~5種類の資料を準備します。自分が学びやすいと思うものです。気を付けたいのは練習を始める前にこれを全部読んでから…というような言い訳にこれらを利用しないこと。読んで理解を深めながら、練習も進めていきましょう。
3.誘惑の排除 テレビやインターネットなど、自分で排除できる邪魔は排除してしまいましょう。
4.最低でも20時間は続けて、「自分はヘタクソ」だというフラストレーションから脱却する 何かを習得するのに一番ストレスがたまるのは、自分が自分があまりに習得できない、成長しない、と思っている時ですよね。少しずつできるようになってくると、達成感や喜びを感じることができるようになり、ストレスが減っていきます。20時間続けてみると、スタート前に比べて必ず一定の成果が出ているはず。これを実感するためにも20時間は続けましょう。
やりたいこと探しにおすすめなバケットリスト
20時間でできると知ったところで、新しいことをやろうとしてもなんだか腰が重い。そんな人におすすめしたいのが、『バケットリスト』です。バケットリストは映画『The Bucket list(邦題:『最高の人生の見つけ方』)』で話題になったもので、簡単にまとめてしまえば以下の内容。
死ぬまでにしたいことをリストにし、実現する
[引用元:by.S|壮絶な闘病で”死”と向き合ったからこそ。伊藤英明の”生き急ぎすぎる姿勢”がカッコいい]」
バスケットリストとは一言で言うと、「死ぬまでにやりたいことリスト」です。死ぬまでというとインパクトが強いのですが、その前提があることで、単なる「やりたいことリスト」よりも真剣に自分と向き合って、やりたいことを考えることができます。このバケットリストに書く段階で、やろうとしていたことは実は本当にやりたいことではない、と気が付いたり、反対に思いがけず本当にやりたかったことを発見することもあります。どうせなら本当にやりたいことを見つけて、20時間、挑戦してみませんか。
*** いかがでしたか。 カウフマン氏は、新しいことを始める時の一番の障害は、「無理なんじゃないか、という恐れやできない自分に出会うことだ」と言っています。逆に言えばこの二点さえ覚悟していれば、何も怖いことはありません。できるようになるまでは失敗もするんだと気楽に構え、20時間後の自分を楽しみにどんどん新しいことに挑戦してみましょう。
参考サイト logmi|「一人前になるには1万時間必要」は誤りだった! たった20時間で新たなスキルを身につけられる4つのコツ by.S|壮絶な闘病で”死”と向き合ったからこそ。伊藤英明の”生き急ぎすぎる姿勢”がカッコいい JOTO|棺おけリスト(バケットリスト)の作り方 IDEASITY|最高の人生の見つけ方のあらすじと感想、バケットリスト
参考文献 ジョシュ・カウフマン (著) 土方 奈美 (翻訳)|日経BP社|2014|たいていのことは20時間で習得できる