会議にこそ「生産性」を! クリエイティブなアイディアが飛び出す、会議の準備と進め方

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「この忙しいのに会議かよ……」 「今日の会議、やる意味なかっただろ……」

部下がこんな風にグチをこぼしていること、あなたは知っていますか? 会議を開くこと自体が目的になり、何も決まらないのに、とりあえず開催される……。そんな状況になっていないでしょうか。

会議で意見が出なかったり、質問や疑問が出ないまま終わってしまうのも、会議が充実していない証拠です。今日は、理想的な会議をするためのコツをご紹介しましょう。

 

「なんのために」をはっきりさせよう

 

会議とは、何かを決める、話し合うためにメンバーが集まることを指します。つまり、会議には、その決めるための「何か」話し合うための「何か」があるわけです。それがはっきりしないから、だらけた会議になってしまうんですね。

行動科学マネジメントの第一人者である石田淳さんは、会議の種類を三つに分類しています。

1, トップダウン型(情報は上から下へ) リーダーからの指示命令、意思伝達、連絡、会社が掲げたミッションの解説、プロジェクトの趣旨説明など。 2, ボトムアップ型(情報は下から上へ) リーダーが出した指示命令に対する部下からの報告、進捗状況の確認、マーケットの現状の報告など、現場で起きていることをリーダーが把握するための会議。 3, 全員参加型(情報を全員で共有し検討) 問題解決、意見交換、情報分析、ブレインストーミングなど、上司・部下の枠を取り払い、全員がフラットな状態で自由に発言するタイプの会議。

(引用元:石田淳著(2015),『マンガでよくわかる 教える技術2 チームリーダー編』,かんき出版.)

まず、自分たちの行っている会議をこの三つに分類し、重複しているものはないか、本当に続ける必要があるのか、など検討してみましょう。

その上で、

1, トップダウン方式なら「伝えることは3つまでに限定する」 2, ボトムアップ方式なら「報告には必ずフィードバックを与える、悪い報告でも叱るのではなくアドバイスを与える」 3, 全員参加型なら「目的やゴールを参加者全員が理解できる明確な表現で示しておく」

という風に対応すればいい、そう石田さんは語ります。

 

枠組みをあらかじめ決めておく「プリフレーム」

なぜ会議がグダグダになるか。どうしてうまく進行できないか。それは「枠組み」を決めていないからです。設計図のないまま家を建てるようなものなんです。

これは別に、会議参加者全員があらかじめ、完璧なまでに進行状況を把握しておく、ということではありません。例えば、会議の冒頭にさきほど紹介した会議の目的、形式を伝える、今日決めたいことをホワイトボードに明示しておく、といった些細な工夫でもいいんです。ゴールの見えないマラソンほど、辛いものはありません。説明する側と、それを聞く側。情報の共有が必要です。

このようにあらかじめ物事の枠組みを明示しておく方法のことを「プリフレーム」とよび、円滑なコミュニケーションのために必須の技術であるとされています。

 

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「物言いしやすい」雰囲気をつくる

ブレインストーミングという言葉をご存知の方も多いと思います。アイデアを出すための方法として非常に優れた手段の一つですね。大前提として「結論を出さない、どんな意見も否定しない、量より質を重視する」というルールのもと、大量のアイデアを出そうとする手法です。

そんな、一見素晴らしく見える「ブレスト」ですが、実は科学的にいくつもの欠陥があることがわかっています。簡単に言ってしまえば「気弱な人が発言しにくい」「えらい人がいると遠慮してしまう」というもの。人数が多ければ多いほど、この欠陥は浮き彫りになります。なんだか、一般的な会議にも同じことが言えそうですね。社長、役員の方がいる会議では、なかなか思ったことが言いにくいものです。

そこで試してみてほしいのが、アイデアを「紙に書かせる」というもの。ブレインストーミングに代わって「ブレインライティング」という方法がある、と以前Study Hackerでもお伝えしましたが、その応用編といってもいいでしょう。(参考:Study Hacker|ブレストはもう古い? 声に出さない『ブレイン・ライティング』の驚きの効果。

小さな紙に、2, 3分ほど時間をとって意見を書かせるのです。終わったらファシリテーターが回収して、名指しでその意見を整理していきます。「◯◯さんはこんな風にお書きになりましたが、どうしてですか? 」といった風に。

そうすることで、どんな人でも意見をアウトプットすることが可能になります。形式は問いません。どんどん実践してみてください。

 

*** 大勢の人間が一同に会し、意見を述べ合う。

高度にコミュニケーションツールが発達した現代において「直接顔を突き合わせて議論する」その意味が、問い直されているような気がします。

私はそれでも、メンバーの顔を見て、生の声を自分の耳で聞くその機会は、非常に貴重なものだと思うのです。それが、面倒臭い、時間の無駄、そんなものに成り下がっていては、あまりにもったいないとは思いませんか?

あなたの心がけひとつで、会議は変えられます。ぜひお試しあれ。

 

(参考) 日経ビジネスオンライン|参加者から100%意見を出させる Rise up CLUB|どうして部下に伝わらない?「プリフレーム」でコミュニケーションを円滑に  石田淳著(2015),『マンガでよくわかる 教える技術2 チームリーダー編』,かんき出版. Study Hacker|ブレストはもう古い? 声に出さない『ブレイン・ライティング』の驚きの効果。

 


東京大学理科二類所属。県立浦和高等学校および駿台予備校出身。小さいころから自然や生き物に関心を持ち、高校時代に読んだ福岡伸一の「生物と無生物のあいだ」に刺激をうけ、分子生物学を志す。テニス歴6年。AKB48の大ファン。

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