予定の管理のために、手帳を持ち歩く。細かなメモのために、小さなノートを用意する。そして、まとまった文章を書くために、パソコンを起動する――。私たちは用途に合わせて、何らかのツールを用意しますよね。

では、あなたは考えるとき、何を使っていますか?

もしも考えるときに何も使っていないのであれば、A4の紙に考えを書き出すことをおすすめします。A4の紙は思考と相性が良く、とても便利なツールなのです。

今回は、考えるときにA4の紙に書き出すメリットについて考えてみます。

「考える」とは思考を形にすること

しっかり考えているつもりだったのに、話そうとしたら何も言葉が出てこない……。こんなことを経験したことはありませんか? こうしたことが起きてしまう理由を、コピーライターとして数多くの話題作を手掛けている梅田悟司氏は次のように述べています。

頭に浮かぶ「内なる言葉」は、単語や文節といった短い言葉であることが多く、頭の中で勝手に意味や文脈が補完されることで、あたかも一貫性を持っているかのように錯覚してしまうからである。

(引用元:梅田悟司著(2016), 『「言葉にできる」は武器になる』, 日本経済新聞出版社.)

つまり、考えているつもりなのにうまく言い表せないのは、頭の中に浮かんでいるのは短い言葉の羅列にすぎず、考えているだけでは文章になっていないからなのです。

現実の厳しいところは、「えーと」「あの~」などといってなかなか考えを言葉にできないと、「この人は考えていないな」「考えが浅い人だな」と思われてしまうこと。考えていないわけではないのに、もったいないことですよね。

だからこそ、考えるときは頭の中にあるイメージをアウトプットする必要があります。そして、そのイメージを“人に伝わる形”にするときにおすすめなのが、A4の紙なのです。

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A4の紙のメリットその1: 高い自由度

まず、紙の選び方ですが、縦書きまたは横書きを示す罫線の入っていないものがお勧めです。難しいことを考えず、真っ白なものを選べば大丈夫。目的に応じて、薄い線でマス目が書かれた方眼紙を選んでも良いでしょう。紙の上で領域を区切ったり図表を書いたりするときに役立ちます。

こうしたA4の紙の良さは、やはり「自由度の高さ」です。

頭の中にあるイメージのアウトプットは、言葉だけに限りません。例えば、プレゼンスライドのデザインなどは、図や絵で書いた方が早くアウトプットできるでしょう。また、論理を考えるときは、接続詞の代わりに矢印を使用したほうが早く考えられます。

 【例:この記事を構想した時のメモ】
紙のA4は便利←(なぜなら)自由だから
→(具体的には)・図が書きやすい ・いくつかの領域に分けやすい

このように、文章以外でのアウトプットをする際、A4の紙ならとても自由に書けます。特に図表については、パソコンを使うのに比べて手書きのほうが断然描きやすいものです。

また、A4の紙には、決まった方向に文字を書かなくてはいけない気がする縦横罫線入りのノートとは違い、上から下に書かなければなならないという制約はありませんし、横と縦という区別もありません。紙をいくつかの領域に区切ったり、折ったり、切ったりと、自分が一番書きやすい形で、存分に考えを書き出すことができます。

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A4の紙のメリットその2: 考えるのにちょうどいい広さ

そして、意外と重要なのがA4という広さ。筆者はもともとB5のノートを使っていましたが、2017年の夏からA4のノートパッドを使い始めました。それから実感したのは、紙の広さが思考の量を決めるということです。

紙に書き出しながら考え事をすると、紙が文字や図でだいたい埋まると「十分考えた」と感じます。その段階から、同じことについて、次の紙を使って考えることはあまりありません。例えば、筆者はStudyHackerの記事を書くための考えをまとめる際、A4の紙1枚分いっぱいに考えを書き出した後、もう1枚紙を必要とすることはほとんどないのです。この記事も、A4の紙一枚で考えをまとめました。

考えるのに紙1枚分がぴったりなのは、「紙を書ききった」ということが思考の切れ目になるから。であるならば、なるべく広い紙を使えば、思考の切れ目に到達するまでにより深く・広く考えることになります。ただし、紙は大きければ大きいほどいいというわけでもなく、持ち運ぶことを考えると、やはり広さの限度はA4でしょう。もちろん、もっと思考が広がるときには、1枚にこだわらずもう1枚の紙を使えばいいわけです。

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(参考例:筆者が記事の執筆の際に使用しているA4用紙。1記事1枚。)

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深く考えるということはなかなか大変です。しかし、それがA4の紙というツールで楽になるなら? ぜひ一度試してみてはいかがでしょう。

(参考)
STUDY HACKER|ノート術で思考力を鍛える! 頭の回転が速い人の、情報と論理の整理法
梅田悟司著(2016), 『「言葉にできる」は武器になる』, 日本経済新聞出版社.
DIAMOND online|頭がいい人は、「四角と矢印」で考えをまとめる。