メンタリストDaiGo氏に学ぶ、自然と心が通う「ソクラテス・ストラテジー」

みなさんは交渉というとどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。筆者は一対一で向かい合い、相手の腹を探り合うという、薄暗いイメージが真っ先に浮かびます。しかし、「交渉」を「お願い」と言い換えてみると、日常生活には数多くの交渉が存在することがわかります。

そこでみなさんに質問です。みなさんは交渉上手ですか? そうでないという方や、もっと交渉がうまくなりたいという方は、質問のしかたを意識してみるといいですよ。

今回は質問と交渉について、考えてみたいと思います。

交渉で大切にすべき4要素

記者時代にピューリッツァー賞を獲得し、グーグルやマイクロソフト、フェイスブックなど数多くの会社で交渉術を教えたというスチュアート・ダイアモンド氏。交渉術において、世界最高の専門家のひとりである彼は、交渉に力を用いることを否定します。彼は、交渉においては人間的つながりや協力などが成功の鍵になる、と説くのです。

そのための根本となるのは次の4つ。

1、どんな時でも、「他者」が最初で「自分」は二の次。 2、交渉においては、感情が論理よりも重要。 3、提案をしなければならないときは、相手側のスタンダードと基準を見抜くようにすること。 4、勝ち負けに気を取られないこと。自分の目的に達することを意識する。

相手を思い通りに動かしてやろう、という思いは相手にも見えるものです。無意識のうちに言葉が上から目線になったり、時には怒鳴ったりしてしまいます。あくまで「相手のために」という真摯な気持ちと、冷静な姿勢を貫くことが、交渉を成功させる秘訣ですよ。

質問でよい関係を築くことが交渉の第一歩

スチュアート・ダイアモンド氏は、先ほどの4点を意識したうえで、質問することが大事だといいます。それは質問することで、相手とのつながりを築くことができるからです。

みなさんは初対面の人と出会ったとき、何から会話を始めますか? 自己紹介でしょうか。確かに自己紹介はしますよね。しかし、ただ互いに名乗りあっただけのそれのみを指して、会話とは呼べないでしょう。

筆者は最近、所属しているサークルの新歓活動で、初対面の1年生と話す機会が多くあります。そのとき、会話は決まって質問から始まります。所属学部を聞いてみたり、出身地を聞いてみたりと、内容はさまざまですが。みなさんもそうではないですか? 質問することで会話が始まり、相手とのつながりを得られますよね。

また、心理カウンセリングには、傾聴術というテクニックが存在します。相手の気持ちに寄り添った質問をし、話を聞くことによって、患者の信頼を得ることができるのだそう。

質問することによって会話が始まり、つながりが生まれる。さらに、その質問が相手に寄り添ったものであれば、その分だけ信頼を得ることができるのですね。

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質問で相手を誘導する ソクラテス・ストラテジー

交渉において質問が大切である理由がもう一つあります。それは、質問が相手の態度を誘導する手段にもなりうるということです。

メンタリストのDaiGo氏は、ソクラテス・ストラテジーと呼ばれるその方法を紹介しています。大まかにいうと、「自分の意見を質問中に紛れ込ませながら、徐々に相手を誘導していく」方法です。

例えば、低品質・低価格品志向のユーザーに、高品質・高価格の自社製品を売り込む場合、次のように話すのだといいます。

自分 「製品を選ぶ上で大切にしたいのは何ですか?」 顧客 「やはり、重要なのはコストでしょうか。」 自分 「では、品質は犠牲にするということでしょうか?」 顧客 「もちろん品質も大事ですが。」

このケースで大切なのは、相手から品質も大事であると言ってもらうこと。自分で言ってしまったことはなかなか覆しにくいものです。

誘導尋問にならないように注意が必要ですが、うまくいけば相手の態度を変えられるはずです。どうしても自分の意見を通したい場合は使ってみてはいかがでしょう。

*** 交渉では、自分一方だけのことを考えてしまいがちです。しかし、交渉も相手と会話するコミュニケーションに変わりありません。相手がいることを意識しながら、上手に質問を使って交渉してみてくださいね。

(参考) No Second Life|傾聴術 — 「相手が本当に言いたいことを引き出す」技術を身につけよう WIRED|グーグルの交渉力を磨いた男、スチュアート・ダイアモンドの交渉術 logmi|ビジネスマン必見! 相手にお願いを聞いてもらう交渉術–メンタリストDaiGoの心理テクニック みんなのスタンバイ|【悪用厳禁】相手の心をあやつる7つの交渉術

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