皆さんは今の自分に満足していますか?
「今より充実した生活を送りたい」 「変わりたい」 このような気持ちの方も多いのではないでしょうか。
そんな方は、新しい習慣を始めてみてはいかがでしょうか。抱いている不満を解消させるためにおすすめの方法をご紹介します。
“習慣”の持つ効果
習慣が私たちにとってどれほど重要なものか考えたことはあるでしょうか。
イギリスの詩人であり、17世紀のイギリス文学を「ドライデンの時代」として支配していたジョン・ドライデンは「初めは人が習慣をつくり、それから習慣が人をつくる」という名言を残しています。また、経営コンサルタントであり、ベストセラー『7つの習慣』の著者スティーブン・R・コヴィー氏は「私たちの人格は、習慣の総体である」と述べています。古来から現代に至るまで、多くの偉人が「人の性質は習慣でできている」といった主旨の言葉を残しているのです。
また、ひとつの習慣によって他の習慣も生まれる「ドミノ効果」と呼ばれる連鎖反応も期待できます。2012年にノースウエスタン大学で行われた研究によると、座った状態で過ごす余暇の時間を減らすと、毎日の脂肪摂取量まで減少するのだそう。被験者は脂肪の摂取量まで指示されたわけではないにもかかわらず、座ってだらだらと過ごす時間を減らしただけで、自然と食生活まで改善されたのです。
例えば、休日に「朝活をしよう」と朝早く起き、少し遠くのカフェまでウォーキングをし、そこでモーニングを食べながら勉強したとしましょう。その後の1日は、ネットサーフィンをして自堕落に過ごすよりも、そのまま遠出したり運動したりと、有意義に過ごしたいという気持ちになりませんか?
良い習慣をひとつ始めるだけでも、連鎖的に生活自体が改善されるのです。「習慣が人をつくる」という言葉は、400年も前から核心をついていたわけですね。
おすすめの習慣
では、どのような習慣を始めればポジティブな影響をもたらすことができるでしょうか?
・身体を使う習慣
ストレッチや有酸素運動は、記憶力を高める効果があります。ドイツの国立大学であるハンブルク大学の研究によると、毎週一定の時間ストレッチをした被験者は短期的な記憶力が高まり、毎週サイクリングをした被験者は6か月後に長期的な記憶力が高まったのだそう。曜日を決めて、週に何度かストレッチや有酸素運動を行う習慣を始めてみてはいかがでしょうか。
有酸素運動の中でも特におすすめしたいのがウォーキングです。足には全身の3分の2の筋肉が集まっています。歩くことによって多くの筋肉が動き、神経を伝って脳に刺激が加えられ、脳が活性化されるのです。
また、ウォーキングは道具が要らず、運動が苦手な人でもいつでもできます。自律神経を整える効果もあるため、筆者は気持ちが落ち込んでいるときには最寄りの数駅手前で降りて歩いて帰るなど、特に積極的に歩くようにしています。
・頭を使う習慣
1日に数分でもかまわないので、数独やクロスワードといった脳トレをしてみるのもよいでしょう。さらに気軽にできるのは、車のナンバープレートの足し算。ウォーキングなどの有酸素運動と並行して行うと、なお効率的ですね。
例えば、視界に入ったナンバープレートは全て足し算すると決めてから運動を始めてみましょう。足し算だけでは物足りない方は、4つの数字を使って四則演算で10を作るテンパズルにしてみてもいいかもしれません。
また、掃除などの簡単な作業を、あえて利き手ではないほうの手で行ってみるのも手軽にできます。慣れない作業を行うことで脳が活性化されます。
・マインドフルネス
ここ数年流行している「マインドフルネス」もしくは「瞑想」はご存知でしょうか。瞑想と聞くと、お寺で座禅を組んでいる様子を想像する方が多いかもしれませんが、実際はただ背筋を伸ばして目を閉じ、心を無にするだけ。足を崩していても、椅子に座っていてもかまいません。
実践することによって集中力を高めたり、精神をコントロールできるようにする、言わば心の筋トレのようなもの。マインドフルネスを続けた人は、不安や鬱、ストレスが減少しているという実験結果もあり、科学的にも効果が実証されています。
実践者として有名なのが、スティーブ・ジョブズ氏や映画監督のクリント・イーストウッド氏、野球のイチロー選手などです。さらに、GoogleやNikeといった米国の企業も、企業研修などに採用するようになってきています。1日数分からでもかまわないので、始めてみてはいかがでしょうか。
習慣を継続するコツ
良い習慣を継続させることは大切です。そう分かっていても、つい三日坊主になってしまうのが人間ですよね。一度習慣化してしまえば楽ですが、身につくまでなかなか時間がかかります。では、どうしたらしっかり習慣化させることができるでしょうか。
・習慣をできるだけ「小さく」する
新しい習慣を始めようとしても継続できない理由に、「自分の能力を過信している」点が挙げられます。例えば、「毎日腕立て伏せ100回」「毎日1時間の瞑想」など、継続だけでなく達成できないような大きな目標を立ててしまうのは、自分を過信しているせいです。その結果、達成できずに「三日坊主になってしまった……」と自信をなくしてしまうのです。
世界各国でベストセラーになっているスティーヴン・ガイズ箸『小さな習慣』によると、三日坊主を避けるためには、目標をとにかく小さくすることが重要なのだそう。例えば、腕立て伏せは1日10回、瞑想は1日1分といったように、小さすぎるほどの目標を設定し、習慣にしていってみてください。腕立て伏せを100回やらなければならないと思うとなかなか気が進みませんが、10回でいいと思えばとりあえずやろうという気持ちになりますよね。そこから「今日は15回」「今日は20回」やろうというふうに、無理なく増やしていけばいいのです。
・アクショントリガーで成功率を2~3倍に
アクショントリガーとは、その名の通り、行動の引き金のこと。「いつ、どこで行うか」と、時間を場所を設定することで、行動の達成率が跳ね上がるというものです。
ニューヨーク大学のPeter Gollwitzer教授とVeronika Brandstätter教授が行った実験によると、被験者である学生に「いつ、どこでレポートを書くか」というアクショントリガーを事前に決めて書き出させた結果、課題の提出率が2倍以上になったのだそう。書き出させたのは「日曜日の朝、自宅の書斎でレポートに取り組む」といった簡単な一文のみです。たったこれだけで状況や感情に左右されにくくなります。
また、アクショントリガーはできるだけ具体的に決めることが成功のカギです。「火曜日と木曜日は1駅手前で降りて歩いて帰る」「食後、食器を洗った後は毎日1分間瞑想をする」のように、細かく設定し、手帳などに書き出してみてください。
習慣を継続させるためには「目標を小さくすること」と「アクショントリガー」を組み合わせるとより効果的ですよ。
*** 「人を作る」といっても過言ではない、習慣。今の自分に満足できていない方は、新しい習慣の積み重ねから始めてみてはいかがでしょうか。
(参考) リクナビNEXTジャーナル|誰でもすぐに実践できる「脳を最高の状態にする」12の習慣 NIKKEI STYLE|脳が老けないためやるべきこと、やめたほうがいいこと NIKKEI STYLE|ジョブズや琴奨菊も実践 「マインドフルネス」の効果 JAMES CLEAR|How to Create a Chain Reaction of Good Habits STUDY HACKER|良いアイディアが浮かばない? 発想力を鍛える、偉大で気軽な「歩く」という運動 STUDY HACKER|瞑想は “3分間” から始めよう。「気軽な瞑想」3つのコツ。 STUDY HACKER|習慣化の成功率が3倍もアップする! 『アクション・トリガー』のすごい効果 DIAMOND ONLINE|悪習慣は続くのに良い習慣が続かない理由は「脳の仕組み」にあった!