学校に「校訓」があるように、会社には「社訓や社是」があります。所属社員以外にはほとんど知られることがないその「オキテ」には、すごいニッポンをつくってきた企業の哲学が詰まっています。
ニッポンを代表する企業の「オキテ」は、あなたのモチベーションを高め、あなたをポジティブにし、あなたがより良い人生を歩むためのヒントをきっともたらしてくれるはず。今回は、大手総合商社『丸紅』の社是をご紹介しましょう。
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社是 正・新・和
大手総合商社。1858年、初代伊藤忠兵衛が麻布の行商を行ったことにはじまったというルーツは、伊藤忠商事と同じです。1949年、現在につながる丸紅が設立されました。当時の社長・市川忍が全社員を前に、大会社の矜持をもって「正しくあれ」、進取発展の気分を常に養い「新しくあれ」、そして従業員の「和」の3点を唱え、それが社是となりました。なかでも市川忍が、「もっとも望ましいこと」と訴えたのが「和」です。個が団結し集合体として強い一体感を持ってこそ、大きな力を発揮することができるのです。
*** 戦国時代に活躍した毛利元就は、「1本の矢では簡単に折れるが、3本の矢はなかなか折れない」という言葉を残したと言われています(三矢の教え)。ここでも「和」の強さが示されていますね。
正しさ、新しさ、そして和。仕事の基礎とも言えそうですが、だからこそ、忘れないように心したいものです。
※この連載コラムは、2016年に刊行された『今日から実践! できる企業に学ぶ仕事のオキテ』(セブン&アイ出版)を、当サイト向けに加筆修正したものです。
