デジタルデトックスをやってみよう! 自宅・キャンプなど方法6選

デジタルデトックスの方法1

デジタルデトックスとは、スマートフォンやパソコンといったデジタルデバイスから距離を置き、ストレスや疲労をデトックス(排泄)すること。テクノロジーが進化し、インターネットが生活必需品となった現在だからこそ、ときにはデジタルデトックスを行なう必要があります。

デジタル機器の普及によって私たちの生活は豊かになった一方、大量の情報を浴びつづけるストレスや、肩こり・眼精疲労などに悩まされるようになりました。特にスマートフォンには、SNSでコミュニケーションをとる・ゲームアプリで遊ぶ・動画を見るなどさまざまな機能が集約されているため、仕事はもちろんプライベートでも手放せない人は多いはず。「時間を浪費してしまっている」と気づいていても、なかなかやめられないのではないでしょうか。

「パソコンやスマホを使いすぎている」と少しでも自覚しているあなたのために、デジタルデトックスの効果と、具体的なやり方を解説します。

デジタルデトックスとは

デジタルデトックス、と聞くと仰々しい感じがしますが、要するにスマートフォンやパソコンなどを使わないようにし、疲れ・ストレスを軽減すること。たとえば、「今日は一日、スマホやパソコンを使わない!」と決めて実行することも、立派なデジタルデトックスです。

単にデジタル機器の使用を封じるだけでなく、デジタル疲れした心身を自然環境でリフレッシュすることも含めて、デジタルデトックスと呼ぶ場合も。旅行会社が企画する「デジタルデトックス・ツアー」や、宿泊施設の「デジタルデトックス・プラン」の多くには、リフレッシュ目的のアクティビティが含まれています。

デジタルデトックスの方法2

デジタルデトックスのメリット

わざわざデジタルデトックスを行なうことに、どのようなメリットがあるのでしょうか? 6つご紹介します。

脳機能が回復する

デジタルデトックスには、脳機能の回復というメリットが期待できます。

デジタルデバイスを使いすぎると、「脳過労(オーバーフロー脳)」状態に陥ってしまうかもしれません。脳の機能や判断力、意欲、集中力が低下し、もの忘れが激しくなるなどのさまざまな弊害が現れる状態です。脳神経外科の奥村歩医師によると、最近では、30代~50代という比較的若い世代が脳過労に悩み、奥村医師の「もの忘れ外来」を訪れるケースが増えているのだとか。

脳神経科学の専門家・枝川義邦教授によると、スマートフォンなどの液晶画面には光や色などの情報量が多いため、脳に大きな負荷がかかるのだそう。「ながらスマホ」などのマルチタスクも、脳が複数の情報を同時に処理するため、負荷の原因なのだそうです。

そこで、デジタル機器を遠ざけ、脳に過度な負荷をかけないようにすれば、衰えていた脳機能が回復するというわけですね。

健康状態が改善される

脳だけでなく、身体の健康の改善も期待できます。

「スマホ首」という言葉を知っていますか? スマートフォンを長時間使いつづけ、うなだれた猫背ぎみの姿勢のままでいると、首や肩の筋肉が凝ってしまいます。

「たかが凝り」と侮ってはいけません。鍼(はり)師・武笠公治氏によれば、スマートフォンの使いすぎで首が凝ると、耳鳴りやドライアイ、慢性鼻炎、吐き気など、さまざまな症状が付随する可能性もあるのだそう。デジタルデトックスは、脳だけでなく身体の健康のためにも必要なことなのです。

「SNS疲れ」が軽減される

TwitterやInstagramなどSNSの普及にともない、「SNS疲れ」という問題が生まれました。SNS疲れとは、SNS上での人間関係が元で心理的ストレスを感じている状態です。

ITジャーナリストの高橋暁子氏は、SNS疲れが起こるパターンには2つあると言います。1つ目は、現実での知人とSNS上でもつながっているパターン。友人や仕事仲間とSNS上でつながっていると、現実での関係を壊さないよう、SNS上でのやり取りにも気を遣うので、神経がすり減りやすいのです。

2つ目は、SNSに対する自分自身の関わり方が原因となるパターン。SNSを日常的に見ていると、SNS上でつながっている人(フォロワー)にどう思われているか気になったり、ほかの人の投稿で感情が左右されたりして、精神的に疲れてしまうことがあります。高橋氏によると、まじめである・相手に気を遣う・他人の気持ちに敏感である……という人ほど、特にSNS疲れを起こしやすいのだそうです。

睡眠の質がよくなる

スマートフォンやパソコンには、「ブルーライト」という光が多く含まれており、睡眠の質に悪影響を及ぼします。眼科医で構成される「ブルーライト研究会」によれば、ブルーライトが目に届くと、脳がブルーライトを太陽光と勘違いして「活動のスイッチ」を入れてしまうため、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりするのだそう。

2016年に慶應大学などの研究者が共同で行なった実験では、被験者に就寝の2時間前からタブレット端末を使用させ、ブルーライトの有無が入眠にどのような影響を与えるのかを調べました。すると、「ブルーライトカット眼鏡」を使ったグループは、使わなかったグループよりも、入眠がスムーズで、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が活発だったと判明したのです。

デジタルデトックスを実践すれば、ブルーライトの弊害に悩まされないため、睡眠の質が向上することでしょう。

新たに時間が生まれる

私たちは、多くの時間をスマートフォンに費やしがち。通勤・通学中や休憩時間、わずかでも時間があれば、すぐスマートフォンに手を伸ばしてしまう人は多いのではないでしょうか。

通信関連の市場調査を行なうMMD研究所とオンラインゲームを開発する株式会社コロプラによるアンケート調査では、スマートフォンの利用時間が「2時間以上3時間未満」だという人が24.1%、「3時間以上4時間未満」の人が18.5%でした。あなたも、自分が一日にどれくらいの時間スマートフォンを使っているのか、振り返ってみてください。SNSや動画を見たり、ゲームで遊んだりすることが癖になっているなら、合計してかなりの時間を費やしているはずです。

デジタルデトックスを行ない、スマートフォンから離れれば、いかにスマートフォンに時間を費やしていたか実感するはず。いつもは「スマホいじり」にあてていた時間で、読書や勉強をしたり、ひとつの物事についてじっくりと考えたり、疲れた心をゆっくり休めたりと、より有益な活動ができるはずです。

ネット依存の予防・対策になる

スマートフォンやパソコンを使い、ネットサーフィンやオンラインゲームなどに没頭しすぎると、やめられなくなってしまうことがあります。いわゆる「ネット依存(インターネット依存症)」です。

精神医療を専門とする榎本クリニックによると、ネット依存に陥った人には、以下のように深刻な症状が現れるのだそう。

  • 食事・入浴・睡眠をおろそかにする
  • 引きこもりがちになり、社会生活能力が低下する

ネット依存治療の専門外来を設けている大石クリニックのWebサイト上には、「インターネット依存度テスト」が公開されています。計20個の設問に回答すると、自分がインターネットにどれだけ依存しているかわかる仕組みです。設問には以下のようなものがあります(一部抜粋)。

  • 気がつくと思っていたより、長い時間インターネットをしていることがありますか。
  • インターネットのために、仕事の能率や成果が下がったことがありますか。
  • 睡眠時間をけずって、深夜までインターネットをすることがありますか。

全くあてはまらないという人は少ないはず。気になる人は、ぜひ診断してみてください。

ネット依存の自覚があったり、ネット依存になりそうで不安だったりするなら、デジタルデトックスにチャレンジしてみては?

デジタルデトックスの方法3

デジタルデトックスの方法

では、デジタルデトックスのやり方を具体的に見ていきましょう。

自力でやってみる

まずは、デジタル機器を触らないよう自力で工夫する方法。「今日はスマホもパソコンを触らない」といったマイルールを決めればいいだけなので、方法としては最もシンプルです。

とはいえ、仕事の連絡や友人とのやりとり、電子マネーでの支払いなど、さまざまな場面でスマートフォンが必要になることを考えれば、現実的に実行は困難かもしれません。「電話とメール以外の機能は使わない」など、一部の例外を許すかたちでのデジタルデトックスでもいいでしょう。

自力でデジタルデトックスを行なう際、どのような点に気をつければいいのでしょうか。生き方やライフハックに関する著書を多く持つ編集者・米田智彦氏の『デジタルデトックスのすすめ:「つながり疲れ」を感じたら読む本』を参考に、3つのコツをご紹介します。

コツ1:デジタルデバイスの使用時間を可視化する

まずは、スマートフォンやパソコンを一日に何時間使っているのか、円グラフなどで可視化してみましょう。自分がスマートフォンなどで消費している時間がどれほどのものなのか、数字として客観的に把握できるため、デジタルデトックスの必要性が身に染みてわかるはず。「せいぜい1時間くらいだろう」と思っていたら、実は2時間半もスマートフォンをいじっていた……という事実に気づけるかもしれません。

コツ2:デジタルデバイスを使うメリット・デメリットを書き出す

次に、スマートフォン・パソコンを使うことによるメリット&デメリットを書き出しましょう。デジタルデバイスとの関わり方を客観視することで、デジタルデトックスの必要性をあらためて認識できます。

コツ3:デジタルデバイスを使っていた時間を、ほかの行動に転用する

では、デジタルデトックスを実践していきましょう。

しかし、そう簡単ではありません。デジタルデトックスを始めると、手持ち無沙汰になったり、スマ―トフォンを使いたいという欲求が抑えられなくなったりする可能性があるからです。

そこで役に立つのが、習慣化コンサルタントの古川武士氏が紹介する「スイッチング」という技術。スイッチングとは、「何かをやめるため、代替物を用意すること」です。

スイッチングの例としては、「タバコをやめる代わりにガムをかむ」が挙げられます。タバコによって得ていた「リラックス感」や「味覚への刺激」が、ガムという代替品によってもたらされるため、タバコをやめることで生じる心理的な負担が軽減されるのです。古川氏自身も、大好物のコーラを、似たような刺激が得られる「キリートレモン」に置き換えたことで、「コーラ断ち」が容易に実現できたのだそう。

デジタルデトックスの場合、以下のような置き換えが考えられます。

  • SNSを使う→「友だちと直接会う」に置き換え
  • 移動中にネットサーフィンをする→「本や雑誌を読む」に置き換え
  • 気晴らしにYouTubeを見る→「テレビや映画を観る」「漫画を読む」に置き換え

「スマートフォンをいじる代わりにやること」をあらかじめ決めておけば、デジタルデトックスにともなう欠乏感を軽減できます。

デジタルデトックス・キャンプに参加してみる

デジタルデトックスを目的とした「ツアー」や「キャンプ」に参加する、という方法もあります。研修旅行などを手がける株式会社Ridiloverの「デジタルデトックスツアーin鎌倉」は、集合後すぐにスマートフォンを預け、寺で瞑(めい)想をしたり自然と触れ合ったり、鎌倉の街を巡ったりしながら心をリフレッシュする、というもの。

自分の意志でデジタルデトックスを続けるのが難しくても、このようなイベントの力を借りれば、楽しみながらスマートフォンを手放せるはず。ただデジタル機器を遠ざけるだけでなく、アクティビティを通じて心身をリフレッシュできるという点も、ツアーに参加する大きなメリットです。

ホテルのデジタルデトックス・プランを利用してみる

デジタルデトックスを目的とした滞在プランを提供するホテルもあります。滞在中はフロントにデジタルデバイスを預け、さまざまなアクティビティやリラクゼーションを体験しながらリフレッシュするというものです。

株式会社星野リゾートが展開する高級ホテルブランド「星のや」は、2014年に「脱デジタル滞在」というプログラムをスタートしました。デジタルデトックスだけでなく、各地の文化や自然環境の体験を最大限織り交ぜたのが「星のや」流のこだわり。「星のや京都」には禅寺での読経など京文化体験が、「星のや竹富島」には琉球の伝統的な木造船「サバニ」での釣り体験などが用意されているのだそう。

何日か宿泊して、とことんリフレッシュしたいという人には、こうしたデジタルデトックス・プランがオススメです。

「アナログゾーン」でキャンプしてみる

山奥などには、「アナログゾーン」と呼ばれる、電波が圏外になる場所が存在します。アナログゾーンではインターネットを利用できないので、キャンプを楽しみつつデジタルデトックスを行なえますね。

日本デジタルデトックス協会の公式サイト「DIGITAL DETOX JAPAN」は、アナログゾーンとして、長野県大桑村の「阿寺国有林」を紹介しています。エメラルドグリーンに輝く阿寺川、「美顔水」と呼ばれるおいしい湧き水、手つかずの渓谷の景色など、見どころが豊富な人気のキャンプ場です。

ほかには、以下のような場所がアナログゾーンになっているようです。

  • 明ヶ島キャンプ場(静岡県掛川市)
  • 菅沼キャンプ村(群馬県利根郡)

「禁欲ボックス」を使ってみる

自宅で手軽にデジタルデトックスを行ないたい人には、「Kitchen Safe タイムロッキングコンテナ」という製品がおススメ。「タイムロッキングコンテナ」の通称は「禁欲ボックス」。スマートフォンやゲーム機など、使用を我慢したい物品を入れてタイマーをセットすると、設定した時間までは蓋が開かないというものです。

これなら、ほかの人の手を借りなくても、自宅で強制的なデジタルデトックスが行なえますね。ただし、一度タイマーをセットすると、破壊しないかぎり開かなくなってしまうので、使用の際は十分に注意しましょう。

アプリを使ってみる

デジタルデトックス目的のアプリは、数多くリリースされています。ここでは「Flipd」(iOSAndroid)というアプリケーションを紹介しましょう。

「Flipd」は、「カジュアルロック」「フルロック」という2つのモードで、デジタルデトックスをサポートします。「カジュアルロック」モードは、設定した時間内にスマートフォン内のアプリケーションを触らなければ、「Good Job!」というメッセージが表示されるというもの。あくまで自分の意志で「スマホ絶ち」するのをサポートするための機能です。

一方、「フルロック」モードでは、設定した時間中はほかのアプリケーションがロックされ、使うことができません。どのアプリケーションをロックするかは自分で決められるので、TwitterやYouTubeなど、ついつい開いてしまうアプリケーションを登録しておくといいでしょう。

以上、デジタルデトックスの方法を6種類ご紹介してきました。いずれの方法を試すにしても、急に連絡がとれなくなると、友人や家族に心配されたり、仕事仲間に迷惑がかかったりする恐れがあります。デジタルデトックスをするとあらかじめ連絡・公表しておくか、誰にも迷惑がかからない日を選ぶようにしましょう。

***
デジタルデトックスの実践方法は、手軽なものから本格的なものまでさまざま。まずは「入門編」として、一日数時間だけでもスマートフォンを手放すことから始めてはいかがでしょうか。

(参考)
NHKオンライン|“スマホ脳過労” 記憶力や意欲が低下!?
東洋経済オンライン|スマホの使いすぎは、身体をボロボロにする
りっすん|「SNS疲れ」はなぜ起きる? 無理のないSNS利用のすすめ
ブルーライト研究会|就寝前2時間のブルーライトカット眼鏡の着用で睡眠の質が改善される!
MMD研究所|2018年版:スマートフォン利用者実態調査
榎本クリニック|インターネット依存デイナイトケア
大石クリニック|ネット依存チェック
習慣化コンサルタントの「続ける習慣」ブログ|悪い習慣をやめる『スイッチング技術』
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【ライタープロフィール】
佐藤舜
中央大学文学部出身。専攻は哲学で、心や精神文化に関わる分野を研究。趣味は映画、読書、ラジオ。人生ナンバーワンの映画は『セッション』、本は『暇と退屈の倫理学』。好きな芸人はハライチ、有吉弘行、伊集院光、ダウンタウン。

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