フィッシュボーンチャートとは? 初心者でも3ステップで完成!

フィッシュボーンチャート1

フィッシュボーンチャート(特性要因図)とは、複数の原因と1つの結果を図にまとめたもの。背骨や小骨で構成されるため、魚の骨のような見た目です。

フィッシュボーンチャートは、問題が起こった原因を「なぜ?」と追究し、その答えに対しても「なぜ?」と掘り下げつづける、「なぜなぜ分析」の一種。QC(Quality Control、品質管理)の目的でよく使われ、いわゆる「七つ道具」のひとつに数えられるほど重要なツールです。

フィッシュボーンチャートの書き方を覚え、仕事やプライベートの問題解決に利用してみませんか? 図解で丁寧にご説明します。

フィッシュボーンチャートとは

フィッシュボーンチャートとは、「現在の結果」(特性)がどのような要因で発生したのかを図式化したもの。魚の骨に似た形なので、フィッシュボーンと呼ばれます。特性と要因をまとめたものなので、「特性要因図」とも。

フィッシュボーンチャートとは、1952年に工学博士・石川馨氏によって考案されたため、「石川ダイヤグラム」と呼ばれることもあります。工場の技術者から上がった「問題に対して原因が多すぎ、整理できない」という声に応えて誕生したのだそう。フィッシュボーンチャートは、商品の製造における各工程を管理するため、長年使われています。

フィッシュボーンチャートにおいて重要な要素をまとめたフレームワークが「4M」です。

  • Man(
  • Machine(機械
  • Method(方法
  • Material(材料

派生として、「Measurement(検査・測定)」や「Environment(環境)」を加えた「5M」「5M+1E」もあります。また、4Mの代わりに、「3C」や「4P」が使われることも。

3Cとは……

  • Customer(顧客
  • Company(自社
  • Competitor(競合

4Pとは……

  • Product(製品
  • Price(価格
  • Promotion(広告
  • Place(流通

フィッシュボーンチャートを作成するときは、目的に応じてフレームワークを使い分けましょう。もちろん、必ずしも既存のフレームワークを使う必要はありません。個人的な問題・悩みであれば、フレームワークにとらわれずにフィッシュボーンチャートを作成したほうが、効果的に分析できます。

フィッシュボーンチャート2

フィッシュボーンチャートの構造

フィッシュボーンチャートは、基本的に4つの部分で構成されています。

  • 特性:魚の頭。各プロセスを経た結果。解決すべき問題。
  • 背骨:特性から伸びる直線。特性と大骨をつなぐ。
  • 大骨:背骨から伸びる線。特性に至る大きな要因。4Mなどのフレームワークにおける各要素。
  • 小骨:大骨から伸びる複数の線。大骨に影響する細かな要素。

小骨をさらに細かく分け、「孫骨」とすることもあります。孫骨もフィッシュボーンチャートに加えることで、原因をよりピンポイントに探ることが可能です。

フィッシュボーンチャート3

フィッシュボーンチャートのメリット

フィッシュボーンチャートを作成して問題の構造を可視化すれば、課題の解決やブラッシュアップに役立ちます。自分の頭を整理するだけでなく、問題を複数人で共有するにも有効です。

製造業のコンサルティングを手がけるMIC綜合事務所所長の福田祐二氏も、フィッシュボーンチャートの有用性を認めています。フィッシュボーンチャートは、品質管理以外の問題を解決する際にも役立つ、具体的な行動に結びつきやすい手法とのこと。話し合いをするとき、フィッシュボーンチャートを中心にすえれば、話題が脱線しづらいそうです。

フィッシュボーンチャートは、頭のなかだけではまとめきれない情報を、見やすく図式化したもの。フィッシュボーンチャートの作成作業をとおして頭が整理されるだけでなく、完成したフィッシュボーンチャートを以下のように利用できます。

  • 問題の原因を考察する。
  • プロセスの全体を把握する。
  • 問題を組織全体で共有する。

フィッシュボーンチャート4

フィッシュボーンチャートの作り方

フィッシュボーンチャートの作り方を具体的に説明します。今回は、「自社製品Aの不良品が増加しており、その原因を分析する」という状況を想定。

フィッシュボーンチャートを作成する方法は、手書きでもPCでもかまいません。見やすさを重視したり、ほかの人とデータを共有したかったりという場合は、PCがよいでしょう。ExcelやPowerPointには、フィッシュボーンチャートのテンプレートが備わっています。

1. 特性と背骨を書く

右向きに倒れている魚の骨をイメージし、頭の部分に、解決したい問題である「特性」を書きます。そして、特性に向けて長い矢印を引き、背骨を作りましょう。

「製品Aの不良品増加」をテーマとしたフィッシュボーンチャートの例。右端に「不良品増加」という特性を書き、背骨を伸ばした。

(画像は筆者が作成・以下同様)

2. 大骨を書く

大骨を書き込みます。まずは、前述した「4M」や「3C」といったフレームワークに当てはまる要因を書きましょう。次に、自分なりに考えた要因を書き込み、大骨をできるだけ増やします。以下の図では、「仕様」が自分で考えたもの、それ以外の4つが「4M」です。「工場」および「製造方法」は、4Mの「機械」「方法」から少し表現を変えました。

工場・人・材料・製造方法・仕様という5つの大骨を書き込んだフィッシュボーンチャート。

小骨を書き足すのに余白が必要なので、大骨はある程度の間隔を空けて書きましょう。また、背骨と同様に矢印としたほうが、流れがわかりやすくなります。

3. 小骨を書く

最後に、大骨の課題や問題点として、小骨を付け加えましょう。大骨に対し「なぜこうなったのか」と原因を考え、「ツッコミ」を入れる感覚で書き込みます。特性への流れをイメージしやすいよう、小骨も矢印にしましょう。

それぞれの大骨に対し、小骨を書き込んだ。「工場」に対しては「メンテナンス不足」と「老朽化」、「人」に対しては「注意散漫」と「人材不足」、「材料」に対しては「海外製」と「不揃い」、「製造方法」に対しては「スピード重視」と「チェック不足」、「仕様」に対しては「デザイン性」と「軽量化」。

思いつくかぎり小骨を増やしていってください。常識や固定観念にとらわれず、なるべく多くの問題点を挙げれば、意外なところに隠れていた問題に気づけます。

小骨を書き終えたら、フィッシュボーンチャートは完成です。完成図を見て考え、特性について特に悪影響を及ぼしていると思われる要因をピックアップしましょう。これが、改善すべき点です。

フィッシュボーンチャート完成。「不良品増加」という問題に特に影響を及ぼしている要素は、「工場のメンテナンス不足および老朽化」、「人材不足」、「スピードを重視し、チェックの足りない製造方法」、「軽量化された仕様」だと思われる。
フィッシュボーンチャートは、組織の問題だけでなく、自分の個人的な問題にも有効です。むしろ、個人的な問題でフィッシュボーンチャートを作成・分析するほうが簡単だといえます。

フィッシュボーンチャート作成のコツ

フィッシュボーンチャートの作成には、いくつかコツがあります。

クラウドサービスを販売する株式会社Fleekdriveのマーケティング担当・菅原輝之氏によると、フィッシュボーンチャートに書き込む要因は、あくまで「客観的な事実」に基づくべきとのこと。自分の主観を入れてしまうと、正確な分析にならないためです。

また、要因を書き込んでいくときは、「漏れ」や「ダブり」がないか確認すべきだそう。骨がたくさんある場合、必要な要素を全て記入できたか、項目が重複していないか、入念にチェックしましょう。

上記の点に注意すれば、フィッシュボーンチャートの正確性が増し、問題を正しく把握しやすくなるというわけです。

***
あらゆる物事は、さまざまな要因から複雑に成り立っているため、頭のなかだけで整理するのは難しいもの。そこで、図や表としてアウトプットする必要があるわけですが、なんとなく書き出すのではなく、フィッシュボーンチャートとして整えるのがおすすめです。

フィッシュボーンチャートは、現状を整理して分析できる、優れたツール。この記事を見ながら、ぜひ一度、作ってみてください。

(参考)
吉沢正 (2004), 『クォリティマネジメント用語辞典』, 日本規格協会.
MONOist|品質管理に活用される主な統計的手法「特性要因図」
Fleekdrive|問題解決に役立つ特性要因図(フィッシュボーン図)の作り方

【ライタープロフィール】
武山和正
Webライター。大学ではメディアについて幅広く学び、その後フリーのWebライターとして活動を開始。現在は個人でもブログを執筆・運営するなど日々多くの記事を執筆している。BUMP OF CHICKENとすみっコぐらしが大好き。

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