いつも「自分は後回し」で苦しんでる人は○○に思考を支配されている。

積田美也子さんインタビュー「いつも自分を後回しにする人の思考の癖」01

周囲と余計な衝突をすることなく、円滑に物事を進める「和」の文化。協調性を重視する日本人らしい文化ですが、それを意識しすぎるあまりに精神的に疲弊している人が増えていると危惧するのは、心理カウンセラーの積田美也子(つみた・みやこ)さん。そういう人たちは「自分を後回しにして、苦しんでいる」と積田さんは言います。では、どうすれば自分を優先できるようになるのでしょうか。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹 写真/石塚雅人

自分を後回しにしがちな人が持つ思考の癖

いま、「自分を後回しにして他人ばかりを優先し、苦しくなっている人」が増えているように感じています。これは日本の文化も影響しているでしょう。謙遜が美徳とされる日本の社会では、自分を優先することは「自分勝手だ」とか「わがままだ」というふうにとらえられ、良くないこととされる傾向がありますよね

もちろん、謙遜そのものは悪いことではありません。むしろ、日本人らしい良い文化でしょう。それこそ、他人を優先することに喜びを感じるタイプの人であれば、自分を後回しにしてもストレスを感じることもないので、なんの問題もありません。でも、本音を押し殺して他人を優先することが苦しいと感じてしまう人が増えていることが問題なのです。

では、どんな人が自分を後回しにしがちなのでしょうか。そういう人には、いくつかの行動パターンと、それを引き起こす思考の癖があります。

ひとつは、「人から何かを頼まれると断れない」という行動パターン。自分の仕事だけで手一杯の状態にもかかわらず、職場で何かを頼まれたら断れない。こういう人には、頼まれ事を断ったら嫌われるのではないか、職場に居場所がなくなるのではないか、今後は大事な仕事を任せられないのではないか……というふうに、断ったあとのことを勝手に悪い方向に考えてしまう思考の癖があります。

それから、「まわりに遠慮して本音を言えない」というのも、よく見られる行動パターンです。そうなりがちなのは自己評価が低い人。「自分の意見には価値がないから、言わなくてもいい」と考えてしまうのです。

また、「人を頼ることに抵抗を感じる」という行動パターンもあります。そういう人が持つ思考の癖は、キャパシティーを超える仕事を抱えていても、誰かを頼ったらその相手に迷惑に思われるのではないか、不快にさせてしまうのではないか、だったら自分が我慢すればいい……と考えてしまうというものです。

最後に挙げるのは、協調性を重視するじつに日本人らしい行動パターンで、「場の調和を乱したくなくて黙ってしまう」というもの。ミーティングで自分の意見を言うことよりも、それを口にして雰囲気が悪くなることを恐れるといったものです。

いずれにせよ、ここで挙げたケースに当てはまる人の思考のベースには「恐れ」があると言えます。

積田美也子さんインタビュー「いつも自分を後回しにする人の思考の癖」02

自分より他人を優先する思考の癖をもたらす要因

これらの思考の癖は、生まれつきの性格によるものではありません。生まれてから成長するなかで、他人との関係性を通じて徐々につくられていくものです。

生まれてすぐの赤ちゃんは、いつでも自分を優先していますよね。「お腹がすいているけど、いまはお母さんが忙しそうだから泣くのはやめておこう」なんて考える赤ちゃんはいません。

しかし、成長していく過程において、家族や友人との人間関係、学校などのさまざまな環境要因が複雑に作用し、自分より他人を優先するような思考の癖を身につけてしまうことがあるのです。

また、「ダメな自分を見たくない」という心理も、自分を後回しにする思考をつくる要因のひとつです。誰かに嫌われる、自分の意見を否定されるといった「ダメな自分」は、誰だってあまり見たくないですよね? そういった心理によって、本当の自分を抑えて他人を優先させるようになってしまうのです。

積田美也子さんインタビュー「いつも自分を後回しにする人の思考の癖」03

自分を優先できるようになるには、「身体感覚」に注目

では、どうすれば本音に素直に従って自分を優先できるようになるのでしょうか?

私は「身体感覚」に注目することをポイントに挙げています。特におすすめしているのは、「深呼吸」と「温かい飲み物を飲む」というふたつの行為です。呼吸も、飲み物を飲むという行為も、普段は無意識にやっているはず。それらを、身体感覚に注目しながら、あえて意識的にやってみましょう。

息をゆっくりと吸って吐く。そのとき、「お腹が膨らんでいるな」「息がゆっくり出ていってお腹がへこんできているな」というふうに、自分の体の変化を意識してください。「温かい飲み物を飲む」ときも、基本的なやり方は深呼吸と同じです。飲み物が入っているカップの手触りや、飲み物の匂いをしっかり感じながら、ゆっくりと飲む。そして、飲み物が体に入っていく感覚に意識を向けるのです。

当たり前のことですが、自分の体は他人のものではありません。その絶対的に自分のものである体に意識を向けることで、「外」に向かっていた意識を自分に戻すことができます。そのようにして、外から自分に意識が戻れば、日常の言動も徐々に変わっていき、いずれは他人を必要以上に優先するということがなくなるのです。

積田美也子さんインタビュー「いつも自分を後回しにする人の思考の癖」04

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「相手のために無理ばかり」はもう卒業! “健全な境界線” の引き方、教えます。

「つい自分を後回しにしてしまう」が変わる本

「つい自分を後回しにしてしまう」が変わる本

  • 作者:積田 美也子
  • 出版社/メーカー: あさ出版
  • 発売日: 2020/01/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

【プロフィール】
積田美也子(つみた・みやこ)
心理カウンセラー、クリスタルボウル奏者。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、金融機関、国内外の女性の起業支援、フェアトレード事業に携わる。仕事面は充実していたものの、幼少の頃より感じていた漠然とした孤独感、疎外感をどうしても拭い切れず、さまざまなスピリチュアルや心理の学びを重ねるうち、「奇跡のコース(A Course in Miracles)」に出会い、それまでの疑問が解決するのを体験すると同時に人生が劇的に好転。「よろこびで生きる体験」をわかち合いたいとの思いから、延べ3500人以上に「奇跡のコース」をもとにしたカウセリングセッション、講座等を行う。現在、「想像を超える自分を生き、よろこびに満ちた人生を歩む」ためのサポートをすることをミッションとしている。訳書に、『今まででいちばんやさしい「奇跡のコース」』、『続今まででいちばんやさしい「奇跡のコース」』(ともにフォレスト出版)がある。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

 

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