ビジネス英語力アップのための「3つの対策」。まずは○○から始めるのが上達の近道

オンラインで会話するビジネスパーソン

「英語で仕事をする」とひとくちに言っても、さまざまなシーンが想定されます。

日々の業務メールやチャットツールでのコミュニケーション、会議、テレカン、プレゼン、交渉...…。シーンごとに求められる英語力はさまざまです。学習の難易度も異なります。

今回の記事では、そんなビジネス英語を上達させるためにまず取り組むとよい3つのことについて解説します。

英語研修の導入を検討しているご担当者の方や、これからビジネス英語を習得したい方は、ぜひ読んでみてくださいね。

【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部
「STUDY HACKER」は、これからの学びを考える、勉強法のハッキングメディアです。「STUDY SMART」をコンセプトに、2014年のサイトオープン以後、効率的な勉強法 / 記憶に残るノート術 / 脳科学に基づく学習テクニック / 身になる読書術 / 文章術 / 思考法など、勉強・仕事に必要な知識やスキルをより合理的に身につけるためのヒントを、多数紹介しています。運営は、英語パーソナルジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」を手がける株式会社スタディーハッカー。

ビジネス英語力を上げたい人がまず取り組むとよい3つのこと

ENGLISH COMPANYの受講生データや各種レポートの情報をふまえると、英語力をつけてビジネスに生かしたい人がまず取り組むとよいのは、以下の3つです。

  • 「資格試験」対策(TOEIC・VERSANT)
  • 「会議・テレカン」対策
  • 「プレゼン・即興対応」対策

「たしかに」というラインナップになっていますよね。

昇進や転職の要件としてTOEICスコアが求められるケースはよくありますし、海外の取引先とのオンライン会議で「英語が聞き取れたらどんなにいいか」と思っている人は少なくないはず。

また、英語のプレゼンで発表することだけならできても、即興の対応を求められるとしどろもどろになってしまう方も多いでしょう。「日本語でならできるのに……」と歯がゆく思っている方もいらっしゃるかもしれません。

いまは、英語に不慣れな人でもAIや翻訳ツールを使えば、ある程度の仕事はできる時代です。たとえば、英文メールもテキストでのチャットコミュニケーションも、即時性を重視しなければ、AIを利用してそれらしい文章を作成することは簡単にできます。

実際、Amazonのカスタマーセンターにチャットで問い合わせると、担当者の名前が外国人であることも多いもの。それは、チャットを翻訳してやりとりしているからです。

しかし、仕事はAI翻訳に頼るだけでうまくいくものばかりではありません。想定外の方向に話が進むこともある会議や、即興対応が求められるプレゼンは、その代表例ではないでしょうか。

つまり、仕事で通用する英語力を身につけたいと考えるなら、TOEICなどの試験対策を通じて英語を読んだり聞いたりするスキルを鍛えつつ、AIや翻訳ツールでは代替できないスキルを意識して学習することが必要だと言えるのです。

4人で会話するビジネスパーソン

ビジネス英語上達のための「3つの対策」の中身とは?

では、先に挙げた3つの対策について、それぞれ具体的に解説しましょう。

「資格試験」対策(TOEIC・VERSANT)

資格試験に向けて英語を勉強することは、実際のビジネスシーンで必要なスキルを身につけるための学習にもなります。自己学習がメインとなり、相手を必要としないので、個人で最も取り組みやすいと言えます。

英語の資格試験としてよく挙げられるのは、TOEICとVERSANTのふたつです。TOEICは「読む」「聞く」スキルを、VERSANTは「聞く」「話す」スキルを測定することができます。

仕事で求められるTOEICのスコアレベル

TOEICスコアを昇進・昇格の要件としている企業では、TOEIC800点以上を求められることが多いようです。

TOEICの運営を行なうIIBCが公開している「2022年度の平均スコア・スコア分布」では、795点以上を取得した受験者は全体の15.9%。TOEIC800点は、比較的高い壁だと言ってよいでしょう。845点以上を取得した人は全体の9.1%ですので、ときどき見られる860点以上というスコア要件は、いっそう高い壁であることがわかります。

(参考:IIBC|公開テスト 平均スコア・スコア分布 一覧

仕事で求められるVERSANTのスコアレベル

「聞く」「話す」の力を測定するVERSANT Listening & Speaking Testでは、90点満点中、日本人の平均スコアは32点。この点数は、言語能力を測る国際的な基準であるCEFRでいうと、初級者相当のA2レベルです。

最低限ビジネスで英語を運用するとなれば、B1レベルの43点以上を、できればB2レベルに近い59点以上は欲しいところです。

(参考:VERSANT|スコア活用法

資格試験のスコアは、英語力の定量的なベンチマークとなります。積極的に受験して伸びを確認していくのがいいでしょう。

勉強する人

「会議・テレカン」対策

会議・テレカンで必要な英語スキルとは、主に「聞く」「話す」スキルです。「話す」ことばかりに目が行きがちですが、正確に「聞く」スキルも非常に重要なものです。

正確に「聞く」スキル

筆者はENGLISH COMPANYで、これまで100名以上の英語コーチングをし、無料体験ではその3倍の方々のカウンセリングを行なってきました。

「会議でのリスニングはわりと大丈夫です」とおっしゃる方でも、アセスメントを進めていくと、リスニングの際に正確に内容を把握できていない――そんなケースが頻繁にありました。

つまり、自分が会議で「英語は問題なく聞き取れている」と思っていても、それはただ「相手が言っていることをなんとなく理解しているだけ」に過ぎないということです。

相手が言っていることを正確に理解できなければ、当然、会議でのディスカッションや伝達に食い違いが生まれてしまいます。「聞き取りには自信がある!」という方ほど、リスニングスキルの見直しが必要です。

事前準備をもとに「話す」スキル

会議では即時的なコミュニケーションが要求されるものの、アジェンダが設定されているのであれば、会議・テレカンに臨む前に、発信したい内容について準備しておくといいでしょう。

正確なリスニング力と、話す内容の事前準備。このふたつができていれば、会議・テレカンに十分対応することができますよ。

「プレゼン・即興対応」対策

英語でプレゼンをしたり、質疑応答などで即興で話したりするのは、英語上級者にしかできないことだと思う人もいるかもしれません。ですが、以下のポイントを押さえれば、上級者でなくとも、相手に伝わるいいプレゼンをすることは可能です。

伝わりやすい英語を話すための「発音」スキル

プレゼンの “内容” を事前にしっかりと準備しておくことが大事であるのは言うまでもないこと。ここでフォーカスしたいのは、伝わりやすい英語を話すための「発音スキル」のブラッシュアップです。

ネイティブレベルの発音ができない人でも、 単語のアクセントを意識して発音する、子音部分を丁寧に発音する、英語のリズムを意識して話すという3点を押さえれば、海外の人たちを前にしたプレゼンでも、相手にとって聞き取りやすい英語で話すことができます。

プレゼンで要求される発音スキルについては、下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ読んでみてくださいね。
>>英語プレゼンを成功に導く3つのコツ。ポイントは「発音」スキル!

英語で「切り返す」スキル

プレゼン中やプレゼン後の質問に即興で答えることは、「聞く」「話す」を同時並行に行なう必要があるため、難易度が高いスキルです。相手の質問のポイントを整理しながら頭のなかで要約し、適切な回答を英語で発話するのは、英語上級者でも苦労するポイントです。

ただし、相手はあくまでもプレゼンに対して質問をしてくるわけですから、プレゼンの内容をベースとした想定問答集の準備をしておくことは可能なはず。あらゆる質問を想定し、英語で切り返すシミュレーションをしておくといいでしょう。

すぐに答えられないものは、「のちほどメール等でフォローする」と伝えることもできます。

プレゼンテーションするビジネスパーソン

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各種調査やENGLISH COMPANYの受講生データをもとに、ビジネス英語を上達させるためにまず取り組むとよい3つのことについてご紹介しました。

ひとくちに「社員のビジネス英語力を向上させたい」と言っても、英語力が求められるシチュエーションも、要求されるスキルもさまざま。英語力が不足している社員にとって「英語で交渉できるようにしよう!」という目標はハードルがとても高いものですが、こういった大きな目標へのスモールステップとして、資格試験の学習は最初の足掛かりとなります。

まずはTOEIC/VERSANTの学習を進めながら、同時に英語研修サービスを使って、会議・テレカン→プレゼン→即興対応の順で習得していきましょう。これらのスキルが身につけば、英語でビジネスを進めていくのに申し分ありません。

一足とびに難しいスキルを身につけることはできませんので、スモールステップで計画的に目標に寄り添って提案してくれる英語研修を選定することをおすすめします。ぜひ本記事を英語研修導入のヒントにしていただければ幸いです。

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