やる気に欠けている人が「ドラクエ感覚」で勉強を楽しむシンプルな方法。

勉強をゲーミフィケーションする4つの方法01

ゲーミフィケーション」という言葉をご存じでしょうか? これは、「ゲームが人を夢中にする仕組みを利用して、さまざまな問題を解決しよう」という考え方です。

皆さんにも、つい何時間もゲームにのめり込んでしまっていたという経験はあるでしょう。こうしたゲームの中毒性は2010年頃から注目され始め、ビジネスにおける集客や、魅力的なウェブサイトの設計など多くの場面に応用されています。

そして勉強についても、このゲーミフィケーションを適用すれば、まるでスーパーマリオやドラゴンクエストをやっているかのような “刺激的で楽しいもの” に変えることが可能になるのです。

勉強のモチベーションがどうしても続かず困っている方は、この記事をぜひ参考にしてみてください!

なぜ人はゲームに夢中になるのか?

そもそも、なぜ私たちは時間を忘れるほどゲームに熱中してしまうのでしょうか。立命館大学映像学部准教授の渡辺修司氏、同学部教授の中村彰憲氏は、次のように解説しています。

人には「努力すれば何かが得られる」という期待感があります。そして実際に、努力に対する適切な評価や報酬が得られる場合、その行為を持続する傾向が見られます(中略)多くのゲームは、このように、課題設定とクリアの繰り返しで進んでいきます。課題は簡単すぎても、難しすぎてもいけません。このバランスが適切にとられていれば、モチベーションを保つことができます。

(引用元:SBCr Online|なぜ人はゲームにハマるのか【前編】モチベーション ※太字は筆者が施した)

ゲーム内では、課題の難易度が絶妙に調整されていますよね。そのため、もう少し頑張れば勝てそう」という期待感が刺激され続けます。結果として、プレイヤーは「もうちょっとだけ、もうちょっとだけ……」とゲームがやめられなくなるのです。

裏を返せば、現実の勉強や仕事などが楽しくない場合、「課題が難しすぎるか簡単すぎる」「評価の仕方や報酬が明確でない」などが原因となっている可能性があります

では、勉強をゲーミフィケーションして楽しいものに変えるにはどうすればいいのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。

勉強をゲーミフィケーションする4つの方法02

1. 「小テスト」でレベルを1ずつ上げていく

1つめが、勉強の中に「小テスト」を取り入れるという方法です。人事コンサルタントの安達裕哉氏は、以下のように解説しています。

モチベーションのために重要なのは、「憶えたことを試せる機会」である。ゲームでも新しいスキルを獲得したら、強い武器を手に入れたら試したくなるのと同じだ。

(引用元:The Huffington Post|どんな生徒も勉強に熱中できる。勉強をゲーム化する10の施策

安達氏は、週に3回程度の小テストを行なうことを推奨しています。「新しい知識を使うことができた!」というゲーム的な達成感が、勉強を続けるモチベーションになってくれるのです。

それに、最近学んだことを試すだけのテストなら、難しすぎず簡単すぎないはずですよね。まさに、“ちょっと頑張れば達成できそうなレベル” の、ちょうどいい課題になってくれるはずです。

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2. 友だちと競ってランキング1位を目指す

友だちなどと競い合うこともオススメです。安達氏によると、同じ条件のもとで、他者と成果を比較したりランキングづけをしたりすることで、モチベーションの維持が促されるのだそうです。

たとえば、1で紹介した「小テスト」を共有し、友だちと点数を競い合ってみるのはいかがでしょうか。能力が同じくらいのレベルの友だちならば、1と同様「頑張れば勝てないこともない」というちょうどいい相手になってくれることでしょう。それに、「友だちには負けたくない!」というライバル意識もわくはず。

また、知識をインプットする際も、「このあと友だちと小テストで勝負するんだ」という意識があれば、集中力も違ってくるはずです。

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3. 現状を把握して「次の敵を倒す計画を立てる」

自分の能力を客観的に把握することも大切です。

現状を把握することなしに向上心は起こらない」と、安達氏は指摘します。ロールプレイングゲームでいえば、「自分が今レベル40で、次のボスがレベル50か。ということは、あとレベルを10上げればいいんだな」という具合に、現状が数値的に把握できることで初めて、次に何を頑張ればいいのか明確に知ることができるのです。

資格試験の過去問を解いた結果をノートにまとめたり、自分で行なった小テストの結果を記録したりするなど、自分が今どのくらいのレベルにいるのか、常に客観視する癖をつけましょう。

以前StudyHackerでご紹介した「ぬりえ勉強法」も、自分の現状を記録するのに役立つでしょう。用意するものは方眼ノートと蛍光ペンです。やり方は簡単で、15分勉強するごとに1マス、蛍光ペンで方眼を塗っていくだけ(つまり、1時間で4マス塗られることになります)。

勉強するたびにどんどんマスが塗られていくので、まさにRPGのレベル上げのように、自分の力が増していくのが視覚的にわかって楽しいはずです。勉強の内容に応じて蛍光ペンの色を変えれば、どんな勉強をどのくらいやったのか、ひと目で把握することもできますね!(詳しくは『勉強嫌いの私が1年で3000時間勉強して京大に合格した「ぬり絵勉強法」』を参照)

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4. 頑張りに応じて「達成ボーナス」を設ける

4つめの方法は、頑張った量に応じて「達成ボーナス(ご褒美)」を設けることです。「1週間、毎日小テストを継続できたらショートケーキを買う」「過去問で80点以上獲れたら漫画の新刊を買う」など、趣味嗜好に応じてさまざまなものがご褒美になりえるでしょう。

自分が心から欲しいと思うものや、ある程度希少性の高いもののほうが、ご褒美としての力をより発揮してくれると、安達氏はいいます。また、たとえご褒美の品物自体は平凡だったとしても、「くじ引き」を取り入れることで希少性を高めることができるとのこと。

たとえば、「1週間ノルマを達成できたらくじを1枚引く。そのくじが当たりだったらショートケーキを買う」というルールにすれば、ショートケーキがより手に入りづらいものになるため、「欲しい!」という気持ちをかき立てることができるのです。

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「小テストを行なう」「友だちと競う」「現状を把握する」「達成ボーナスを設ける」。勉強をゲーミフィケーションするための4つの方法をご紹介しました。勉強のやる気を安定させるために使える方法ばかりなので、ぜひ試してみてくださいね。

(参考)
SBCr Online|なぜ人はゲームにハマるのか【前編】モチベーション
SBCr Online|なぜ人はゲームにハマるのか【後編】フロー理論
The Huffington Post|どんな生徒も勉強に熱中できる。勉強をゲーム化する10の施策
StudyHacker|勉強嫌いの私が1年で3000時間勉強して京大に合格した「ぬり絵勉強法」

【ライタープロフィール】
佐藤舜
大学で哲学を専攻し、人文科学系の読書経験が豊富。特に心理学や脳科学分野での執筆を得意としており、200本以上の執筆実績をもつ。幅広いリサーチ経験から記憶術・文章術のノウハウを獲得。「読者の知的好奇心を刺激できるライター」をモットーに、教養を広げるよう努めている。

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