“手書き習慣” のメリットが最高すぎる。「日記」で脳が活性化、「もやもやを言語化」で思考力もアップ!

手書きで考える01

「仕事で疲れがたまっていて頭がさえない」
「ストレスを感じるけれど原因がわからない」
このように、疲労や鬱憤を抱えている人は、ぜひ一度「手書き」に頼ってみてください。

昨今は、多くのビジネスパーソンが、会議中のメモや企画書をパソコンで作っているはず。また、パソコンやタブレットを使って講義ノートをとる学生も多いことでしょう。たしかに、デジタル機器には便利な面が多々ありますよね。

でもじつは、「手書き」が脳にポジティブな影響を与えると提唱されているのです。以下で詳しく見ていきましょう。

「日記」を書くと、脳が活性化してストレスも軽減

多摩大学経営情報学部教授の樋口裕一氏によると、「日記を毎日書く」ことには、脳を鍛える効果があるのだそう。同氏がすすめるのは、その日の出来事を100文字程度の感想文形式で書くこと。以下が、樋口氏おすすめの書き方です。

  1. タイトルを必ずつけ、慣れたらテーマごとに見出しもつける
  2. 最初は100文字程度から始め、慣れたら300文字くらいまで挑戦する
  3. イラストが描ける人はスケッチも入れる
文章にまとめるという作業によって、脳は活性化します。たとえ100文字の感想でも、書いてみると何が面白かったのか…と気持ちを整理して振り返ることになります(中略)書いてしまえば自分の中に残す必要がないからストレスがたまらなくなります。

(引用元:NIKKEI STYLE|脳を活性化する「日記術」 脳を鍛える技術(4)

書く内容は自由です。仕事の仲間と話したことでもいいですし、おもしろかったテレビ番組について書くのもいいでしょう。「同僚からヘアスタイルを褒められた」「疲れていたけど自炊した」など、自分の “小さな活躍” を探して書くこともおすすめ。

自分の行動を整理して客観視することが、脳がさえるための大切なポイントなのだそうですよ。

手書きで考える02

書き出すことで目標が明確になる

物事がうまくいかずにストレスが溜まっている人は、“人生の目標を見失っている” もしくは “そもそも持っていない” ことが原因になっている可能性があります。

そこで大切なのは、「人生において何を達成したいのか」を明確にすること。「頭の中ではわかっている」という人も多いかもしれませんが、それだけでは充分ではありません。紙に書いて可視化することで、より達成しやすくなりますよ。「目標は何なのか」「いつまでに達成したいのか」「なぜそれを達成したいのか」を紙に書き出してみましょう

このとき、目標といっても、漠然と「お金持ちになりたい」などでは不充分です。「○○をするために、○年○月までに○○円貯めたい」と具体的に記載しましょう。 ハーバード大学の研究によると、目標設定をしている人は、そうでない人に比べ、成功する可能性が2倍になるのだそう。加えて、目標を「書き出して」いる人は、さらにその5倍(つまり目標のない人に比べると10倍も!)成功しやすいのだとか。

忙しさに追われて、自分の向かいたい方向を見失っていませんか。キャリアだけでなく、健康や人間関係・趣味など、人生に関わるすべてのことにおいて、目標を設定することをおすすめします。

明確な日程や細かい内容まで書き出すことで、頭の中でぼんやり思い浮かべているよりも、はるかに実現しやすくなりますよ。

手書きで考える03

「手書き」で思考力が高くなる

心理学者・臨床心理士の植木理恵氏によると、思考力が低く、深く考えられない人には、さまざまな弊害が出てくるそう。

たとえば、2回連続でプレゼンがうまくいかず、上司に怒られたとします。思考の浅い人は、「自分は本当にダメな人間だ」「上司は私を嫌っているのかも」などと短絡的な考えをし、ストレスをためるだけで終わってしまうかもしれません。

しかし、深く考えられる人は、「なぜ2回もうまくいかなかったのか」→「同じミスを繰り返しているかもしれない。プレゼンを振り返ってみよう」→「改善方法を模索」と、思考の層を重ねて改善へ向かうことができます。 同氏によると、深く考えられない人ほど、自ら選択肢を狭め、ストレスが溜まりやすいのだとか。

では、どうすれば思考力を上げられるのでしょうか。東北大学加齢医学研究所所長の川島隆太氏によると、「手書きで文章を書く」という作業が、思考や創造性を担う脳の前頭前野を活性化させてくれるそう。その部分が活性化すると、感情が抑制され、客観的に思考できるのだとか。

そこで、今抱えている疑問や心の引っかかりを、紙に書き出してみましょう。そして、そこから連想する言葉も周りに書いてみてください。

気になっていること(たとえば「仕事のミスが増えた」)を書いた周りに、関連ワード(「プレゼンの失敗が引っかかっている」「最近よく眠れていない」「同僚ともっと雑談がしたい」など)を思いつくままに書き出します。 書いたメモを眺めることで、問題を客観視できるようになり、前述したような、思考の浅さからくる短絡的なマイナス思考に陥らずにすみますよ。

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スマートフォンやノートパソコンを持ち歩く私たちは、日々たくさんの情報を浴びています。でも反対に、自分の考えを上手にアウトプットできていないかもしれません。

頭の中でもやもやと考えるよりも、ぜひ手を動かしてみてください。書き出した文字を見れば、よりはっきり自身の考えが可視化され、頭の中が整理され、思考が深まり、ストレスも軽減されることでしょう。

(参考)
NIKKEI STYLE|脳を活性化する「日記術」 脳を鍛える技術(4)
sidsavara.com|Why 3% of Harvard MBAs Make Ten Times as Much as the Other 97% Combined
Study Hacker|「考えがいつも浅すぎる人」に欠けていたのは “手書きの習慣” だった。

【ライタープロフィール】
Yuko
ライター・翻訳家として活動中。科学的に効果のある仕事術・勉強法・メンタルヘルス管理術に関する執筆が得意。脳科学や心理学に関する論文を月に30本以上読み、脳を整え集中力を高める習慣、モチベーションを保つ習慣、時間管理術などを自身の生活に取り入れている。

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