メンタルが整えば仕事のクオリティは上がる。「朝15分」と「夜15分」でできる最高習慣

「朝15分+夜15分」の最高習慣01

頑張っているのに仕事がうまくいかない。毎日注意されてばかり……。
頭のなかがモヤモヤして、仕事に集中できない。作業がはかどらない……。

それは、あなたの仕事に対する努力が足りないわけではなく、メンタルが整っていないからかもしれません。今回は、仕事のクオリティを上げるために朝と夜に実践したい、メンタルを整える習慣をご紹介します。

「朝の15分」でやるべきこと

仕事のクオリティを上げるには、朝の過ごし方が大切。朝は忙しくて、メンタルを整える余裕なんてないと感じるかもしれませんが、ほんの少しの時間だけでも、自分のために割いてみませんか? 習慣にしたいふたつのことを挙げてみました。

1. 散歩をする

精神科医の樺沢紫苑氏は、「朝起きてから1時間以内に15~30分の散歩をする」ことをすすめています。というのも、セロトニンの分泌を促せるから。

セロトニンの効果について、樺沢氏はこう説明しています。

セロトニンは、覚醒、気分、意欲と関連した脳内物質で、セロトニンが低下するとうつ的になります。セロトニンが活性化すると、清々しい気分となり、意欲がアップし、集中力の高い仕事ができます

朝の散歩は、セロトニンが活性化する条件(「朝日を浴びる」「リズム運動」)を満たしているそう。「セロトニン神経をしっかり活性化することで、ストレスを受け流し、脳の疲労を回復でき」るという効果もあるとのことなので、朝の散歩は、ストレスなく気持ちよく仕事に臨むのに効果的な習慣だと言えるのです。

(ここまでのカギカッコ内・枠内引用元:ダイヤモンド・オンライン|精神科医が「絶対にやるべきだ」と断言する朝のベスト習慣

なお、まずは「週1~2回でも」「5分の散歩」からでもいいとのこと(引用元:同上)。いきなり毎日は難しくても、月に1回、週に1回など、実践できそうな日から試してみてはいかがでしょうか。

2. 朝食をとる

朝、面倒だからと何も食べずに仕事を始めてしまう人は要注意。満ち足りた気持ちで、仕事に前向きに取り組みたいなら、朝食をとることが大切です。

国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターの調査(2018年発表)によれば、「うつ病になったことがあると答えた人はそうでない人と比較して(中略)朝食を食べる頻度(中略)が少ない」と明らかになったそうです。(カギカッコ内引用元:国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター|肥満や高脂血症、食生活・運動習慣がうつ病と関連~11,876 人を対象とした大規模ウエッブ調査で明らかに~

管理栄養士の平井千里氏は、上記以外の調査からも、朝食の習慣と幸福感には相関関係があることがわかっているとし、「自分でできる『朝食習慣』を身につけることは、毎日の幸福度をより高めていくのに有効な方法といえる」と述べています。(カギカッコ内引用元:All About|朝食の効果・メリット…心の健康にもよい朝ごはん習慣

なお平井氏によれば、朝食の「栄養バランスが高い人ほど『幸せ度』も高い」とのこと(引用元:同上)。

イライラや焦りを感じているより、幸せな気持ちでいるほうが、仕事に前向きに取り組めることは言うまでもありませんよね。仕事を優先したくて朝食を抜いてしまう人もいるかもしれませんが、いい仕事をしたい人こそ朝食をとるべきなのです。

「朝15分+夜15分」の最高習慣02

「夜の15分」でやるべきこと

朝に加えて夜の時間も上手に使えば、翌日の仕事に向けメンタルを整えることができます。ダラダラ過ごす代わりにぜひ習慣にしたいことを、ふたつご紹介します。

1. ベッドから電子機器を片づける

夜遅くまで起きてしまい睡眠不足になっているなら、ベッドからスマートフォンを遠ざけることを試しましょう。

もしかするとあなたがしているのは「リベンジ夜更かし」と呼ばれるものかもしれません。我慢したぶん、夜更かししてしまうことです。睡眠専門医の柳原万里子氏によれば、

  • 「夕方以降に我慢した欲求(買い物・飲食・コミュニケーションなど)の数が多いほど夜更かしをしやすい」
  • 「若年層においては、夜更かし中にスマートフォンなどの電子機器を用いてSNSや娯楽を楽しむ傾向にある」

という特徴があるそうで、「医学的に近い用語としては、『ベッドタイム・プロクラスティネーション』が挙げられ」るとのこと。(カギカッコ内引用元:コスモポリタン|知らぬ間に陥っている!?「リベンジ夜ふかし」を医師が解説

リベンジ夜更かしは「睡眠不足」を引き起こし、「脳の活動を低下させ」ることから、次のような悪影響をもたらすと柳原氏は述べます。

感情を司る前頭葉の活動が低下すると、イライラやハイテンションなどの情緒不安定を、側頭葉や後頭葉の活動が低下すると、集中力や注意力、判断力の低下、すなわち日中パフォーマンスの低下を引き起こします

(引用元:同上 太字による強調は編集部にて施した)

入眠までの時間を先延ばしにしないために、柳原氏は「ベッドに電子機器を持ち込まない」ことを推奨。やはり、スマートフォンは遠ざけたほうがよいのですね。

2. 3行日記を書く

明日の仕事を思うと、気分が憂うつ……。ストレスが多くて頭のなかがモヤモヤするなら、寝る前に簡単な日記をつけてみましょう。

順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏は、「忙しくてストレスの多い人、精神的につらいという人」に向け、寝る前に「3行日記」を手書きすることをすすめています。(カギカッコ内引用元:THE21オンライン|メンタルを安定させるメモ・手帳の使い方とは? 以下本項内の説明は同資料を参考)

それぞれの行に書く内容は、以下のとおりです。

  1. 今日、一番失敗したこと(もしくは、体調が悪かったこと、嫌だったこと)
  2. 今日、一番感動したこと(もしくは、うれしかったこと)
  3. 明日の目標(もしくは、今、一番関心のあること)

ゆっくり手書きすることで「1日の自律神経の乱れがリセットされ」、3つの内容をこの順序で書くことで「効果的にモチベーションを引き上げ」られるとのこと。

寝る前のちょっと落ち込んだ気持ちを上向かせるのに、ぴったりの習慣だと言っていいのではないでしょうか。

「朝15分+夜15分」の最高習慣03

「朝15分の朝食」「夜15分の3行日記」をやってみた

筆者も実際に、識者が推奨する習慣を朝と夜に実践してみました。仕事で集中力や思考力が落ちることがある状態を改善したいと考え、朝は「朝食をとる」習慣を、夜には「3行日記をつける」習慣を実践することに。これまであまり意識しなかった習慣だったので、難しいと感じる日には無理をせず、できる範囲で続けるようにしました。

朝食に関しては、バナナやヨーグルトなど、短時間でも簡単に食べられるものを用意。また急いでいるときでも、豆乳や野菜ジュースといった飲み物だけでも口にするようにしました。

また、3行日記のほうは、寝る前に市販のB5ノートを開いて、ボールペンで記録。内容は仕事に限らず、1日のすべての出来事を対象に書きました。その様子が以下のとおりです。

「朝15分+夜15分」の最高習慣04

※個人的な内容のため、ぼかしを入れています

朝と夜の習慣で、仕事に好影響があった!

今回の実践を通じて感じたこと、提案したいことを以下にまとめます。

メンタルを整える習慣が身についた!

朝と夜の行動を習慣化してみると、メンタルをこれまでよりもうまく整えられるようになりました

「仕事がうまくいけば、自然とメンタルが整ってくるのでは?」と考える人も多いかもしれません。しかし実際は、メンタルを整えることが先決だと感じました。仕事のクオリティは際限なく高められるうえに、次の仕事がどんどん入ってくるので、仕事がうまくいくのを待っていてはキリがないからです。

ただ、メンタルを整えるとはいっても、常に元気はつらつな状態を維持しなくてはならない、ということではないでしょう。ゲームでも、回復の作業を適宜行なわないと強いボスを倒すことはできないように、疲れたり乱れたりした心を回復させる習慣をもつことが大切なのだと、実践を通して感じました。みなさんも、前向きに仕事へ取り組めるように自分のメンタルを整えるところから始めてみてください。

メンタルが整うと、集中力・思考力も高まった!

また、集中力・思考力が回復してきているのではないか、と感じる機会も増えました

習慣を始める前には、仕事がうまく進まない状況についてただ自分を責めるような思考が、頭のなかでぐるぐると回り続けることもよくありました。しかし、その思考をうまく払いのけて、自然と目の前の作業に取り組めるようになったのです。

特に、3行日記で「今日、一番失敗したこと」を書く際に、仕事に関する内容を言語化して残すことが役に立ったと感じています。

たとえば「語彙力が足りず、伝えたい内容を正確に表現できなかった」と記録しておくと、次の日には自分を責めるのではなく、仕事のクオリティを高めようと冷静に工夫するようになったのです。

***
仕事のクオリティが上がらないことに悩んでいる人は、まず自分のメンタルの調子から整えるようにしてみてください。無理をすることなく、メンタルと仕事を徐々に上向かせていきましょう。

「メンタルが弱いなぁ……」と感じている方は、「メンタルが強い人の特徴5選×メンタルを強くする5つの方法」も参考になるかもしれません。

(参考)
ダイヤモンド・オンライン|精神科医が「絶対にやるべきだ」と断言する朝のベスト習慣
AERA dot.|「最高の1日」を作るには、まず"朝散歩"から。人気精神科医が生活の最適行動を記した総集編
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター|肥満や高脂血症、食生活・運動習慣がうつ病と関連~11,876 人を対象とした大規模ウエッブ調査で明らかに~
All About|朝ごはんの効果・メリット…心の健康・幸福感を高める朝食習慣
コスモポリタン|知らぬ間に陥っている!?「リベンジ夜ふかし」を医師が解説
THE21オンライン|メンタルを安定させるメモ・手帳の使い方とは?

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