繊細すぎて自分らしく働けないHSP。「すごい力」を発揮するには “この2つ” があればいい

タブレットを使用する女性:HSPのビジネスパーソン

感情に関わる脳の扁桃体や、共感性に関わる島皮質、直感に関わる帯状皮質の働きが活発なHSP(とても敏感な人)は、時間がかかるけれどいったん覚えたらすごい力を発揮するのだとか。HSPのあなたが「いずれ起こりうる “すごい”」を体感したいなら、仕事や新たな試みなどを長続きさせるコツを紹介しましょう。

「時間はかかる」けど「覚えたらすごい」

HSP(とても敏感な人:Highly Sensitive Person)を概念化したエレイン・N・アーロン博士の専門家認定プログラムを、日本人で初めて修了したカウンセラー&キャリアコンサルタントのみさき じゅり氏によれば、HSPは初めてのことを覚えるのは苦手な反面、いったん仕事を覚えてしまうと “すごい力” を発揮できるそうです。

同氏いわく、HSPの理解が遅いのは、周囲の状況や自分の状態、物事の流れなど、あらゆる情報を深く細かく処理しているからなのだとか。

みさきじゅり氏が著書『ささいなことに動揺してしまう敏感すぎる人の「仕事の不安」がなくなる本』のなかで表した「HSPの学習曲線」

みさき じゅり氏による「HSPの学習曲線」を参考に筆者が作成

(※上の図はSTUDY HACKERの「『時間はかかる』けど『覚えたらすごい』のがHSP。この “3つの方法” で勉強がもっと快適に!記事内から)

つまり、何事も途中でやめてしまったら非常にもったいないのです。とはいえ、敏感で繊細なHSPがあらゆる物事を継続させるにはコツがいります。そのコツとは、以下ふたつの要因を自らつくり出すことです。

要因1:【理解者】

「敏感さ」そのものよりも、自己肯定感の低さや周囲から理解されないことが、HSPを生きづらくしていると精神科医の長沼睦雄氏は言います。周囲から理解されることで自分らしさを出していけるのだそう。

臨床心理士の佐々木智城氏も、HSPは職場に理解者がいるだけで気持ちが落ち着き、本来の力を最大限に発揮できると伝えています。自分らしく力を発揮できるなら、当然その仕事や活動は長続きするでしょう。

しかし、行く先々に都合よくHSPの理解者が存在するわけではありません。だからこそHSPの特性を生かし、能動的に「理解者」をつくってしまうのです

⇒⇒⇒高い共感力で「理解者」をつくる

スティーブン・R・コヴィー博士の世界的ベストセラー『7つの習慣』(キングベアー出版)には、「理解」において有益な習慣が挙げられています。それは第5の習慣「Seek First to Understand, Then to be Understood(まず理解に徹し、そして理解される)」のことです。

株式会社リンクアンドモチベーション取締役の麻野耕司氏いわく、「その人に共感し、その人のすばらしさを自分が知ったとき、今度はその人が、私から影響を受ける」とのこと。自分を理解してほしいなら、まずは相手の理解に徹することが大切なのです。

一方で前出の佐々木氏は、HSPの島皮質(共感性に関わる脳領域)の働きが活発だと述べました。つまり共感力の高いHSPは、もともと相手の身になって傾聴することが得意なのです。「HSPである自分を理解してほしい」といった部分でも、その能力をうまく生かせるはず。

たとえば信頼できそうな人の話のなかに、その人自身が「他者から理解されていないと感じている要素」を見つけたときがチャンスです。HSPならではの共感力で傾聴することで、あなたに対し「この人は理解してくれそうだ」と感じてくれるはず。すると今度はその人があなたを理解しようとするでしょう。

ただし、HSPは共感力が高すぎて相手のネガティブな感情まで吸い込んでしまうので、前向きで建設的な考えをもつ人を選ぶことがポイントです。

共感力で傾聴するHSPのあなたに対し、熱心に話す女性:ビジネスパーソン

要因2:【競争の外】

アーロン博士によるHSPのチェックリストには、HSPは競争がとても苦手で、競争の場では緊張のあまり本来の力を発揮できなくなるとあります。

力を発揮できなければ自分を責め、なおかつ自分を否定してしまうでしょう。そんな状況では物事が長続きしません。だから、HSP独自のコースを、競争の外につくってしまうのです。

⇒⇒⇒クリエイティビティで「競争」の外へ

前出の長沼氏はHSPの特徴のひとつに創造的な感性を挙げています。

もしも一般職に就きながら、あなたにそうした自意識があるならば、たとえば誰がやるか決まっていない宙ぶらりんの図解や画像の作成、イラスト、レイアウト、装飾など、感性を生かせるちょっとした作業を「それ私やりましょうか」とすかさず申し出てみてはいかがでしょう。

その回数を重ねることで、「〇〇さん、こっちはいいから画像を選んでくれる?」などと、ひとり独自路線を歩ける可能性が高まります。

クリエイティブな独自路線で、競争の外に出て居心地がいいHSP

⇒⇒⇒リスクヘッジ能力で「競争」の外へ

また、前出の佐々木氏によれば、HSPは小さな異常にも直感が働くので、企業のリスクヘッジに欠かせない存在なのだとか。「炭鉱のカナリア」に例えられることもあるそう。炭鉱で発生する窒息ガスや毒ガスに敏感なカナリアがすぐ察知できることから、イギリスの炭鉱などでは警報として扱われていたそう。経済の悪化や、金融危機の前兆を示す事象のことを言う場合もあります。

筆者も当事者なので感じることですが、HSPにとって「炭鉱のカナリア」は歓迎しがたい形容です。だからこそ逆手にとって、自分がリスクヘッジに欠かせない存在であることを示しましょう。そうして「競争」の外に出てしまうわけです。

もともとHSPは、誰も気がつかないようなことに気がついて不安になったり勝手に自分の仕事を増やしたりしています。だから「AとBは品番を間違えやすいので印つけました」「〇〇を補充しておきます」「勝手にすみませんが、〇〇しておきました」などと、それを行動に移し伝えればいいだけです。

ただ重箱の隅をつつくのではなく、行動に移して助けてくれる人なら周囲は大歓迎。「〇〇さんはよく気がつき危険を回避してくれる」という周知で独自の立ち位置を確保でき、おまけに自信が生まれて緊張が和らぐはずです。

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自分の「すごい」を体感し、自信をもてるといいですね。

(参考)
スティーブン・R・コヴィー 著, フランクリン・コヴィー・ジャパン 訳(2013),『完訳 7つの習慣 人格主義の回復 』, キングベアー出版.
みさきじゅり(2018),『ささいなことに動揺してしまう敏感すぎる人の「仕事の不安」がなくなる本』, 秀和システム.
OVO|繊細で共感力が高い「HSP」。敏感さは軽減できる?適職は? その魅力をいかして心穏やかに過ごす方法とは。
STUDY HACKER|「時間はかかる」けど「覚えたらすごい」のがHSP。この “3つの方法” で勉強がもっと快適に!
新R25|自分を理解してもらいたいなら、自分の話をするな。人間関係の原則「傾聴」の本質とは?
type|10分で読める要約『完訳 7つの習慣~人格主義の回復~』
長沼睦雄(2017),『敏感すぎる心がスーッとラクになる本』, 扶桑社.
Wikipedia|カナリア

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