職場で「イラッ!」とするのは、当たり前。イライラをリセットする簡単3ステップ

気まずい同僚

「え、それっておかしくない?」と感じることが、最近増えていませんか?

多様性の尊重が広がる一方で、その意味を履き違えている人も増えている印象がありますよね。特に職場でそうした相手と仕事をするときは、ついひとこと言いたくなってしまうもの。かといって、下手に指摘して関係がこじれるのも避けたいところです。

今回は、価値観の違いにイラッとくるのは当たり前である理由と、イライラを鎮める3つのステップを紹介します。

そのイライラ、あなたが悪いわけではありません!

「こんなにすぐイラッとしてしまうなんて、自分がダメなんじゃないか……」と自分を責めていませんか?

いいえ、そう感じてしまうのは人間として当たり前のこと。

研究で、自分の考えと矛盾する意見に触れると、人は心理的に不快感を覚え、無意識のうちにその意見を退けたくなることがわかっています。*1

つまり、「それは絶対におかしい」と感じる意見を目の前にすれば、腹が立って当然。「怒ることなんてあるのかな?」と感じるような穏やかな同僚だって、心のなかでは同じようにイラッとしていたりするのです。

ただ、そのイライラをそのまま相手にぶつけてしまうのは考えもの。反射的に反論したり、頭ごなしに否定したりすると、人間関係がぎくしゃくするだけでなく、ハラスメント問題に発展してしまう恐れもあります。

そんなときは、相手にひとこと言う代わりに「イライラを鎮める3つのステップ」を試してみてください。簡単なアクションで感情を落ち着かせることができます。

それでは、その「3つのステップ」を具体的に見ていきましょう。

コーヒーカップ

イライラを鎮める3つのステップ

1

「心の実況中継」で怒りにブレーキ!

相手の発言にイラッとしたら、まず「いま自分はイラッとしたな!」と、自分の心を実況してみましょう。驚くことに、たったそれだけで怒りのボルテージが下がっていくのです。

「自分はいま反発を感じた」という事実を認識するだけで、感情の暴走にパッとブレーキがかかることが研究でわかっています。*2

イラッときたら、まず心の実況中継。

そんなクセをつけるだけで、感情的に言い返してしまった……なんて失敗を防げます。

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2

「あなたの立場なら」で一応正解にしてあげる

次に、まったく理解できない意見でも、いったん相手の立場で考えてみましょう。

たとえば「うちの社員、老害ばっかりだろ」なんて、若手が言っているのをたまたま耳にしてしまったとします。ステップ1の方法でイライラを少し鎮めたら、あえて相手の立場を想像してみましょう。

話が通じにくい年上の社員しかいないのかもしれませんし、まだ社会に出たばかりで見えていない部分が多いのかもしれません。

この条件下ならば、若手の意見は、若手にとっては「一応正解」ともとれるかもしれませんよね。

このように相手の立場や状況を想像することを、心理学では「パースペクティブ・テイキング」と言います。相手への理解を深め、円滑なコミュニケーションにつながる手法です。*3

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3

「そういう考え方もあるのか」で怒りを追い払う!

最後に、「自分はそう思わないけれど、そういう考え方もあるのか」と心のなかでつぶやいてみましょう。

価値観の違いによるイライラは、つい自分のなかに溜め込んでしまいがち。もう済んだことなのに、「やっぱり、あれって変だと思うんだよな……」と、あとから思い出してはまたイライラ、なんて経験はありませんか?

そんなとき、このフレーズを言うことで、自然と相手の意見から距離がとれ、結果的に自分のなかからイライラを追い払うことができるのです。

出来事・相手から距離をとって眺める手法を「セルフディスタンシング」といい、ネガティブな感情をやわらげる効果があるとされています。*4

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イライラをコントロールする術を知っておくと、まわりに振り回されずに済みます。ぜひ、3つのステップを参考にしてみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 自分と違う意見にイラッとしてしまうのはなぜですか?
自分の考えと矛盾する意見に触れると、心理的に不快感を覚えるためです。心理学ではこの状態を「認知的不協和」と呼び、人は無意識のうちにその不快感を解消しようとすると考えられています。あなたの器が小さいわけではありません。
Q. 納得できない意見でも、同意しないといけませんか?
同意する必要はありません。自分の意見を変えなくても、「そういう考え方もある」といったん受け止めるだけで、頭ごなしの否定を避けることができます。
Q. この3つのステップは、どんな場面で使えますか?
職場で価値観の違う相手と仕事をするときや、SNSで自分と違う意見の投稿を見たときなど、イラッとした瞬間ならいつでも使えます。声に出す必要はなく、頭のなかでとなえるだけで実践できます。
Q. 感情を我慢するしかないのでしょうか?
感情を否定したり、無理に我慢したりする必要はありません。「感情のラベリング」「パースペクティブ・テイキング」「セルフディスタンシング」といった心理学的な手法を使って、いったん受け止めてから穏便に対応するのがポイントです。伝えるべきことは、冷静になったうえで伝えて構いません。

【ライタープロフィール】
朝井律

人はなぜそう考えるのか。ついそうしてしまうのか。ある条件下で、人がしてしまう行動は? 行動経済学・心理学・脳科学など、「人の意思決定」や「思考のクセ」に特に関心をもち、その知識を活かした記事に強みをもつ。