内向的な人でも仕事に自信をもっていい2つの理由。内向型は意外にも “○○する力” がある!

内向的なビジネスパーソン

「話すのが苦手で、人付き合いがうまくいかない……」
「仕事で活躍するのは外向的な人ばかり。内向的な自分には無理だ」

もしそう感じるなら、あなたはまだ内向的な人だからこそ発揮しうる素質に気づいていない可能性があります。

この記事では、内向的な人がもつ素質にスポットを当て、それを発揮するにはどうすればいいのか提案します。ご自身の才能を活かすきっかけにしていただければ幸いです。

【ライタープロフィール】
澤田みのり
大学では数学を専攻。卒業後はSEとしてIT企業に勤務した。仕事のパフォーマンスアップに不可欠な身体の整え方に関心が高く、働きながらピラティスの国際資格を取得。現在は国際中医師合格を目指し毎日勉強している。勉強効率を上げるため、脳科学や記憶術についても積極的に学習中。

1.「人付き合いが苦手」は誤解。本当は親身に話を聞く力がある!

大勢が集まる場所が得意でなかったり、新たな人間関係をスムーズに築けなかったりすることから、「自分は内向的なので、人付き合いが苦手だ」と考えている方は多いかもしれません。ですが、それは大きな誤解。内向的な人には、身近な人との関係性を深めていける素質があるのです。

筆者が以前勤めていた会社には、無口で物静かながら、いつもまわりに人がいる人気者の先輩がいました。その先輩は、どんな人の話でも途中で遮ったり否定したりせず、最後まで親身になって話を聞くのです。筆者も、仕事で悩んだときは真っ先にその先輩に相談したものでした。

『「静かな人」の戦略書』著者で、内向型人材のキャリア支援を専門とするジル・チャン氏は、内向型の人の多くがもつ武器」として「傾聴力」つまり「人の話をきちんと聞ける」ことを挙げています。

この傾聴力については、思いやりや共感にあふれていて相手の感情をスムーズに理解できることが多いという、内向型の人に多く見られる特徴によるものでもあります。その特徴によって、内向型の人は、じつは対人関係において相手と長期的な深い関係を結ぶことに長けているのです。

(カギカッコ内および枠内引用元:STUDY HACKER|『「静かな人」の戦略書』著者が解説。内向的なあなたがまだ気づけていない「内向的だからこその強み」

先に紹介した筆者の先輩は、人の話を親身に聞く力を自然と発揮していたから、内向的でありながらもまわりの人といい関係を築けていたわけですね。

そうはいっても、「自分は内向的だけど、傾聴力には自信がない」と感じる人もいるかもしれません。そんな人は、心理学者カール・ロジャーズ氏が提唱した「アクティブ・リスニング」を試してみるといいでしょう。これは「相手の話をしっかりと『聞く』ための重要メソッド」です。(カギカッコ内引用元:ダイヤモンド・オンライン|【GW特集】学校では教えてくれない! 圧倒的に「聞き上手な人」がやっている極上のトレーニングとは?

スタンフォード大学オンラインハイスクール校長の星友啓氏は、アクティブ・リスニング実践のポイントとして、以下の4つを紹介しています。

  1. 「相手の話がひと段落した」ら、「相手の発言を『まとめる(パラフレーズ)』する」
  2. 「相手の話す内容を確認」し、「少し掘り下げて質問する」
  3. 「相手の状況に身を置き」、「共感を示す」
  4. 「相手の話に集中していることを示す」ため、「自分の表情や目線、身振り、手振りを相手にシンクロさせ」る

(カギカッコ内引用元:同上 ※太字は編集部が施した)

親身に話を聞いて人間関係を築く内向的な男性

上記のポイントをふまえて人の話を聞くとしたら、どうなるでしょう。新しい部署に馴染めず疲れている同僚の話を聞く――というシチュエーションを例に、筆者なりに考えてみました。

まず意識すべきは、4つめのポイントのシンクロ。具体的には、表情に気をつけます。相手の悩みを聞くシチュエーションなので、満面の笑みで楽しそうに聞くのではなく、相手に合わせた表情やリアクションを心がけるとよさそうです。

相手に言葉を伝えるときは、ポイント1つめのパラフレーズと3つめの共感を意識します。ただオウム返しするのではなく、相手の話を聞いて理解したことを、自分なりの言葉にしてみるのです。こんな具合でしょうか。

相手「新しい部署になかなか馴染めなくて。すごく疲れているんだ……」
自分「新しい環境に馴染むまでは神経も張り詰めるし、消耗してしまうよね」

そして、ポイント2つめの質問も入れていきます。相手にもっと詳しく話してもらえるように、問いを投げかけるのです。

自分「もしかしていま、困った状況になっているの?」

質問する際には、注意点がふたつ。否定的なニュアンスにならないことと、自分の気持ちを強く出しすぎないことです。

星氏によれば、質問をする目的は相手の話の内容を確認することなので、「相手が非難されているように感じ」かねない質問はしないことが大切だそう(カギカッコ内引用元:同上)。上記の例で言えば、「どうして上司に相談しないの?」といった質問はよくないでしょう。

また、星氏いわく、「あなたの気持ちではなく、相手が感じていること」が「アクティブ・リスニングの焦点」。たとえ相手の話に強く共感したとしても自分の話はせず、「相手の気持ちを肯定」することに意識を向けるべきだそうです。(カギカッコ内引用元:同上)

相手の話を最後まで聞く行為は、誰にでもできるものではありませんが、内向的な人にはそれができうる素質があります。だからこそ、前出のチャン氏は武器だと表現しているのです。

人の話を親身に聞けるあなたに、まわりは安心して心を開くでしょう。自然と、人間関係を深めていけるはず。それでも自信がもてないなら、アクティブ・リスニングを通して、傾聴力に磨きをかけてみてはいかがでしょうか。

聞く力がある内向的なビジネスパーソン

2.「リーダーに向かない」は誤解。本当は部下の才能を引き出す力がある!

困難な状況で迫られる大胆な決断力、チームを率いるために必須のコミュニケーションスキルなど、リーダーとして必要な素質の多くは外向的な人に備わっている――このように感じられるかもしれません。だからといって、内向的な人がリーダーに向かないわけではないのです。内向型の人も、優れたリーダーになりうる素質をもっています

このことは、次のような調査結果からわかります。「アメリカの宅配ピザチェーン」を対象に行なわれた、ペンシルベニア大学ウォートンスクール教授で心理学者のアダム・グラント氏らによる共同調査です。「上司の外向性とスタッフの能動性に店舗業績が左右されたかどうかを測定」した結果、内向的な部下には外向的な上司が、外向的な部下には内向的な上司が適しているとわかったのだそう。(カギカッコ内引用元、参考:DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー|積極的な部下には内向的な上司が効果的

つまり、リーダーシップの面において、外向型・内向型で優劣をつけることはできないのです。

ただ、この調査結果から「内向的な部下をもった場合には、内向的な人はいい上司になれないではないか」と思った方もいるでしょう。じつは、そうとも限りません。

前出のチャン氏が語ったように、内向的な人はその傾聴力の高さゆえ「相手の感情をスムーズに理解できる」力があります(カギカッコ内引用元:STUDY HACKER|『「静かな人」の戦略書』著者が解説。内向的なあなたがまだ気づけていない「内向的だからこその強み」)。

内向的な人が内向的な部下をもったとしても、その部下に対して傾聴力を発揮すれば、いい関係を築いていけるのではないでしょうか。

相手の感情や能力を理解し、引き出すことのできるリーダーがいるチーム

また、心理学者のローリー・ヘルゴー氏は、「内向的なリーダーは、自分の部下の才能に気付き、それを引き出すことができる」と述べています。(カギカッコ内引用元:ウィメンズヘルス|内向的であることの5つのメリット

持ち前の傾聴力の高さを活かして、部下がどんな強みや才能をもっているかを見つけられれば、メンバーを適材適所に配置できてチームの力を底上げできるはず。あなたの内向性は、リーダーとしての利点になりうるのです。

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内向的な自分を無理に変える必要はありません。自身の素質を認め、自信をもって仕事に取り組んでみてくださいね。

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