「控えめ」なのに「仕事ができる人」がこっそりやっている、とても大切な2つの勉強習慣

物静かで仕事ができる女性

「チーム内のコミュニケーションさえ苦手な自分が、昇進なんてできるわけがない……」
「積極的なあの人はプレゼンが得意だけど、内向的な私は人前に立つと萎縮してしまう……」

「内向的だから仕事ができない」――このように悩んでいませんか? じつは、内向的であっても、仕事ができる人はいるのです。その秘訣は ”ある勉強” を実践していること。

今回の記事では、仕事のできる物静かな人がこっそり勉強していることをご紹介しましょう。

【ライタープロフィール】
青野透子
大学では経営学を専攻。科学的に効果のあるメンタル管理方法への理解が深く、マインドセット・対人関係についての執筆が得意。科学(脳科学・心理学)に基づいた勉強法への関心も強く、執筆を通して得たノウハウをもとに、勉強の習慣化に成功している。

1. 事前に情報収集をしている

意見を求められた際に、頭が真っ白になってしまった経験はありませんか? 内向型の人のなかには、ひとりでじっくりと考えることならできても、「改善できる点はどこだと思いますか?」などと急に意見を求められると、その場で答えられない――そんな人が多いのではないでしょうか。

しかし、内向型であっても物怖じせず、説得力のある話をする人もいるもの。彼らが日頃行なっているのが、事前の情報収集です。

内向型コンサルタントの堤ゆかり氏は、内向型の人が抱えがちな悩みのひとつとして「会議の場などで発言する」ことへの苦手意識を挙げています。その理由は、内向型の人は「情報の処理速度が遅い、他人と関わることが苦手」という特徴があるから。

だからこそ、堤氏は対処法を「事前に考えて準備しておく」のが大切だと言います。

(カギカッコ内引用元:STUDY HACKER|刺激に敏感な「内向型」のあなたでも、“これ” をすれば悩むことなく仕事ができる

たとえば、会議の前には次のような準備をしてみましょう。

  • 事前に会議の議題についてよくリサーチし、疑問点や意見をリストアップする
  • 資料が用意されているなら、読み込んで意見をまとめる
など

あらかじめ議題について勉強し、自分の考えを用意しておけば、急に話を振られたとしても、緊張せずに意見を述べられるわけです。

そもそも、事前準備は内向型の得意とする分野。

ベストセラー『「静かな人」の戦略書』の著者で、内向型の人のキャリア支援を専門とするジル・チャン氏は、内向型の人は「慎重かつ緻密に進める」のが得意なため、「事前準備の質が高」いと述べます。(カギカッコ内引用元:ダイヤモンド・オンライン|本当に賢い人が「人前で話すとき」にやっていること・ナンバー1

想定外の質問をされるケースを考え、客観的なデータを集める――この入念な情報収集があるからこそ、仕事のできる物静かな人は、物怖じせず説得力のある話ができるのですね。

情報収集している様子

情報収集の方法は、株式会社電通の戦略プランナー、阿佐見綾香氏が推奨する「仮説」からリサーチ内容を絞るやり方がヒントになるでしょう。仮説とは、「現時点で把握している情報から導き出す仮の答え」のことです。(カギカッコ内引用元:THE21ONLINE|情報収集で成果を出す人、そうでない人の決定的な差

たとえば、「お客様が手にとりやすい本」の特徴を調べたい場合、以下のように仮説を立てるとよいでしょう。

(例)「お客様が手にとりやすい本」の特徴を調べたい

  • 「SNSのインフルエンサーに紹介されている」と、親しみを感じるのでは?
  • 「タイトルに具体的なキーワードがある」と、本を読むメリットがわかるのでは?
  • 「本のストーリーを想像させるようなデザイン」なら、惹かれるのでは?

このように仮説を立て、ある程度内容を絞ってから調査するほうが、「とりあえず調査をしよう」とやむくもにリサーチするよりも、情報収集がうまくいくのです。

その場で考えて意見を言える自信がないなら、事前に情報をインプットし、あらかじめ意見を用意する習慣をつけましょう。きっと “できる人” の評価を得られるはずです。ぜひ、実践してみてくださいね。

仮説からリサーチしている様子

2. 並行読書をしている

普段積極的には発言をしないけれど、時に述べる意見からは深い洞察力が感じられる――仕事のできる物静かな人には、そんな魅力があるもの。彼らの思考力を高めているのは、日々の読書習慣です。

年間50冊以上の本を読む、マイクロソフト社共同創業者のビル・ゲイツ氏は、内向型リーダーのひとり。同氏は米国のニュース雑誌『TIME』のインタビューで、「読書は成功に ”絶対” 不可欠」だと答えています。

You don’t really start getting old until you stop learning. Every book teaches me something new or helps me see things differently.(中略)Reading fuels a sense of curiosity about the world, which I think helped drive me forward in my career and in the work that I do now with my foundation.

(訳:学ぶことをやめないかぎり、年をとることはありません。すべての本は新しい何かを教えてくれたり、物事の見方を変えてくれたりします。(中略)読書は世界に対する好奇心を刺激し、それが私のキャリアや財団での仕事を押し進める原動力になっていると思います。)

(引用元:TIME|Bill Gates Discusses His Lifelong Love for Books and Reading ※訳は筆者による)

ビジネス書から、業務の効率化に役立つ方法を勉強する。
小説から、異なる考えをもつ人の心理を読みとって、働く仲間のことを理解する。
新書を通して教養を得て、新たな視点で案を考える。

――このように、読書は思考の幅を広げてくれるもの。

読書を通じた勉強により自分の思考力を磨くことで、静かな人はいっそう深く考えることができるのではないでしょうか。

たくさんの本が並んでいる様子

とはいえ、ただ漫然と読書をすればいいわけではありません。

ゲイツ氏は、「関心が強いテーマは複数の本を読む」習慣があるのだとか。ゲイツ氏にインタビューした経験をもつ日経ビジネス記者の山崎良兵氏が、ゲイツ氏の読書の仕方をこう紹介しています。

さまざまな専門家の書籍を読むことで、それぞれの意見の違いを知り、可能な限り深く理解する。全体像をなるべく把握したうえで、自分の考えや意見をはっきりさせるような姿勢を持っています。

(カギカッコ内および上記引用元:日経BOOKPLUS|天才ビル・ゲイツに学ぶ 読書を“血肉”にするための5つのルール

たとえば、「商品づくりにマーケティングは基本」と主張する本を読んだら、「マーケットリサーチは不要」と否定する本も読んでみましょう。対立する両者を読めば、「マーケットリサーチには人のニーズに応えられる利点がある一方、革新的で斬新な商品はつくれない落とし穴もある」ことがわかるはず。

主張の異なる本を複数読むと、ひとつの意見をうのみにせず、両方のメリットとデメリットを理解したうえで自分の考えを明確にできるのです。

人と積極的にコミュニケーションをとるよりも、ひとり静かに過ごすほうが心地がいいのであれば、そのひとりの時間でいろいろな本を読み、多くの見解に触れてみてはいかがでしょうか。自分の考えがより磨かれて、「深い意見を言う人だ」という高評価につながるはずです。

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内向的な自分の性格に劣等感を抱く必要はありません。”物静かな人のよさ” を引き出す勉強をこっそりしてみましょう。職場できっと輝けるはずです。

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