勉強が継続できない人の意外な盲点。“あたりまえに” 勉強ができる人は必ず「時間」と「場所」を決めている。

勉強を習慣化する方法01

今後のキャリアのためや、業務知識の向上のため。あるいは、資格を取得するため、大学で良い成績を得るため、希望の企業に就職するため。人それぞれ理由は異なれど、「勉強しなければならない」人は多いはず。

そして、「勉強しなければならないことを頭では分かっているのに、なかなか勉強が継続できない」ということで悩んだことがある人もまた、同じように多いのではないでしょうか。

「苦もなく毎日のように勉強ができればどれだけ楽か……」と考えるビジネスパーソンや学生の皆さんに、勉強の習慣化が楽になる方法をご紹介します。毎日勉強を継続するコツは、勉強を生活の一部にしてしまうこと。勉強を習慣化する方法を分かりやすくお伝えしましょう。

【関連記事】
勉強が続かないなら単純に “これ” を繰り返すだけでいい。挫折ばかりでも立ち直る3つの方法

当たり前に勉強ができる人は「場所」を整えている

毎日勉強するのが当たり前になるよう、まずは「場所」を整えましょう。

習慣化に関する執筆やセミナーなどを行なっている習慣化コンサルタント・古川武士氏は、勉強などの新しい行動をする際は、場所を決めると習慣化しやすくなると語っています。「特定の場所に行くこと」と「勉強すること」をセットにすれば、余計な迷いがなくなり、特定の場所に行ったら即、勉強に集中できるのです。

勉強場所を決める際は、勉強をするため「だけ」の専用の場所を選ぶことを意識してください。例えば、通勤経路にあるカフェAで毎朝コーヒーを買っているとしたら、カフェAは勉強する場所としてふさわしくありません。別のカフェBを、新たに「勉強専用の場所」として利用しましょう。

普段利用していない場所を勉強場所として設定することで、「カフェBに行く」という行動と「勉強をする」という行動がひも付きやすくなります。結果として勉強の習慣化が成功しやすくなるのです。

勉強の習慣化に今度こそ成功したいなら、ぜひ「勉強専用の場所」を決めるところから始めてはいかがでしょうか。

勉強を習慣化する方法02

当たり前に勉強ができる人は「時間」を決めている

『東大首席が教える超速「7回読み」勉強法』の著者として有名な、東大首席卒・NY州弁護士の山口真由氏は、 勉強する時間を安定させることが、勉強の習慣化を成功させるカギだと言います。

勉強時間の固定のためにまずやるべきこととして山口氏が推奨するのは、日々の生活習慣の時間を安定させること。例えば、退社時刻、食事をする時刻、入浴する時刻、就寝時刻などを毎日一定にするのです。生活習慣を固定すれば、勉強に使える時間もおのずと決まります。勉強時間が決まれば、「昨日は勉強できたけれど、今日はできなかった」ということがなくなるというわけです。

また山口氏は、日々の生活習慣のなかで絶対にしてはいけないことは「時間を決めないこと」だとも語ります。時間を決めずにテレビを見る。時間を決めずにSNSをチェックし続ける……。時間を決めずに遊んでいては、いつまでたっても勉強に取り掛かることはできません。

何事も「時間を決め、決めた時間を守る」ことが大切なのだそうですよ。実際に山口氏も、好きな海外小説を読む際には一定の時間だけ読むと決め、勉強に励んでいたと言います。

皆さんも、勉強の時間を決めるために、まずは食事や睡眠時間を固定し、実際に勉強にあてられる時間を見極めてみてはどうでしょうか? 勉強に使える時間を見極められたら、勉強する時間帯を手帳に書き込み、スケジュールを押さえてしまいましょう。

無理な負荷をかけることなく、勉強を習慣化させるためには、勉強そのものをルーティーン化することが大切なのですね。

勉強を習慣化する方法03

当たり前に勉強ができる人は「きっかけ」をつかんでいる

勉強の習慣化にチャレンジしたはじめの数日間は、モチベーションが高かったので勉強を継続できた。しかし徐々にやる気がなくなってしまい、いつの間にが勉強をしなくなっていた。やっぱり、やる気を維持するのは難しいよなぁ……。そのように感じた経験が今までにないでしょうか? 

しかし、そもそも勉強の習慣化に「やる気」は必要ありません。やる気の代わりに「トリガー」さえあれば、勉強を続けることは可能です。

「トリガー」とは、「きっかけになるもの」のこと。人間の心理に詳しいメンタリストDaiGo氏は、習慣化を成功させるには「時間」と「場所」のほか「トリガー」が重要であると述べています。 トリガーには、勉強の習慣化を助ける強力な効果があるのだそう。当たり前に勉強ができる人は、ある行動をトリガー(きっかけ)として、難なく勉強モードに入っているのです。

上で「勉強専用の場所」を決めることが大切だとお伝えしましたが、「特定の場所に行く」という行動もトリガーのひとつと言えます。また、先ほど紹介した山口氏も、「朝起きたらすぐに机に向かって本を開く」という学生時代からの習慣があるのだとか。「起きたら机に直行する」という行動をトリガーとして、勉強モードに入っていることがわかりますね。

トリガーは勉強に取り組むためのきっかけなので、どんな小さな行動でも問題ありません。例えばカフェの席でコーヒーを一口飲むことでもいいでしょうし、参考書を開くこともトリガーになります。

自分にあったトリガーを決めて、やる気に左右されない勉強習慣を身につける工夫をしてみましょう。

勉強を習慣化する方法04

当たり前に勉強ができる人は「集中できる間隔」を知っている

たくさん勉強をしたいけれど、なかなか集中力をキープできないせいで、勉強が習慣化できない。「集中力がないから勉強を継続できない」と悩んでいる人は、自分が集中できる時間はどれぐらいなのかを知らないのかもしれません。

勉強を習慣化させるために、「自身が集中力をキープできる時間」を把握してください。そもそも人の集中力には限界があります。限界を超えてまで勉強を継続しようとしても、集中力を保つことなどできません。

当たり前に勉強ができる人は、適度な間隔で休憩をとりながら集中力を持続させる工夫をしています。例えば山口氏の場合、集中力を保てるのは90分間とのこと。90分サイクルの最後の10~15分ほどを休憩にあて、集中して作業に取り組んでいるそうですよ。

もちろん、集中できる時間には個人差があるので、山口氏と同じ方法が全ての人に適切なわけではありません。参考として、科学的に実証された「人が集中できる時間」を紹介しましょう。

脳研究者で東京大学教授の池谷裕二氏が2017年に、人が継続して集中できる時間の限界は15分だ、とする研究結果を発表しました。

研究では、中学1年生の被験者を、学習パターン別に「60分学習(休憩なし)」「45分学習(休憩なし)」「15分×3学習(あいだに7.5分休憩)」の3グループに分けて英単語の学習をさせ、当日・翌日・1週間後の3回に分けてテストを行ないました。学習中の集中度合いを知るために、脳波の計測も行なったそう。

学習前に実施していた事前テストの成績と1週間後の事後テストの成績を比較したところ、「15分×3学習」グループの成績の伸び方は、「60分学習」グループの成績の伸びよりも、117.2%高い結果となりました。また、こまめに休憩を入れることで、集中力と関係がある脳波「ガンマ波」が回復し、集中力が維持されたそうです。

実験の結果から、長時間の勉強を継続するよりも、短時間の勉強と休憩を繰り返したほうが、集中力にも学習内容の定着にも効果があることが判明したのです。

「勉強しようにも集中できないから、勉強の習慣化なんて無理だ」という人は、まずは15分勉強してみて7~8分休憩する、というサイクルで取り組んでみてはどうでしょうか?

***
勉強の習慣化を助ける「場所」「時間」「トリガー」「集中」について紹介しました。 資格の勉強や就職のための勉強となると、本腰を入れて始めないといけないイメージがありますが、まずは「継続」させることが大切です。 継続の負担を軽減するため、まずは「場所と時間の固定」を始めてみましょう。

(参考)
「続ける習慣」ブログ|場所を決めると習慣化しやすい!
StudyHacker|学力向上は生活習慣の確立と時間の使い方で勝負が決まる——東大首席卒・NY州弁護士 山口真由さんインタビュー【第2回】
StudyHacker forStudents|「時間を決めて繰り返す」に尽きる。勉強を“あたりまえ”にする大切な習慣
Mentalist DaiGo official Blog|挫折終了のお知らせ!習慣化を成功させるには
PR TIMES|学習時間を細かく分けた「45分」で「60分」と同等以上の学習効果を発揮 “長時間学習”よりも短時間集中の“積み上げ型学習”が有効であった

【ライタープロフィール】
森下智彬
大学卒業後、国内外の農業に従事。帰国後はITインフラエンジニアとして都内の企業に勤める。仕事の傍ら、自身のブログを開設・運営を始める。現在は、自身のブログ運営とライターの業務をメインに行っている。

会社案内・運営事業

  • 株式会社スタディーハッカー

    「STUDY SMART」をコンセプトに、学びをもっと合理的でクールなものにできるよう活動する教育ベンチャー。当サイトをはじめ、英語のパーソナルトレーニング「ENGLISH COMPANY」や、英語の自習型コーチングサービス「STRAIL」を運営。
    >>株式会社スタディーハッカー公式サイト

  • ENGLISH COMPANY

    就活や仕事で英語が必要な方に「わずか90日」という短期間で大幅な英語力アップを提供するサービス。プロのパーソナルトレーナーがマンツーマンで徹底サポートすることで「TOEIC900点突破」「TOEIC400点アップ」などの成果が続出。
    >>ENGLISH COMPANY公式サイト

  • STRAIL

    ENGLISH COMPANYで培ったメソッドを生かして提供している自習型英語学習コンサルティングサービス。専門家による週1回のコンサルティングにより、英語学習の効果と生産性を最大化する。
    >>STRAIL公式サイト