“要約力” を鍛えれば頭がよくなる! 東大生推奨の「軸ノート」で勉強してみた

東大生推奨の「軸ノート」をつくってみた01

「講義中、一生懸命メモはとっているのだが、話がまったく頭に入ってこない」
「本をたくさん読んではいるけど、肝心な中身を理解できている気がしない」

勉強するなかで、説明を聞いたり文章を読んだりしながら、その内容を一度で完璧に把握するのは、なかなか難しいものですよね。

このような悩みを解決できるノートテクニックを紹介しましょう。ポイントは「要約」を意識すること。筆者の実践例とともに詳しくお伝えします。

「要約」をすれば、理解力は高まる

あなたが、講義を聴いたり本を読んだりしても内容をよく理解できないのは、重要なポイントを押さえて情報を整理できていないからかもしれません。

国語講師の吉田裕子氏は、説明をただ漠然と追っていくだけでは、情報が頭のなかで整理されず、理解に至らないと指摘します。本でも新聞でも、文章の内容をきちんと理解するためには、次のふたつの要素を抽出することが大切だそう。講義のような説明を聞く際にも同じことが言えるでしょう。

  • 話題:何について述べているのか
  • 結論:結局、何が言いたいのか

これらの要素を抽出して整理する作業は、いわゆる要約と呼ばれるもの。

この要約という作業について、東大生の勉強法に関する著書を多くもつ西岡壱誠氏は、学習効果がとても高い「最強の勉強法」だと伝えています。というのも、自分自身で情報をかみ砕いたうえで「要するにどういうことなのか?」を短くまとめるプロセスを経ると、記憶に強く残りやすくなるから。

勉強した内容を本当に理解できているか確かめるのにも要約は最適で、もしうまく要約できなければ、まだまだ理解が浅い証拠なのだと言います。

西岡氏は、要約を「主人公」を見つける作業だと表現します。ここでの「主人公」とは「重要なポイント」のこと。物語を読んでそのストーリーが頭のなかに記憶として残るとき、おのずと主人公を中心とした記憶がつくられますよね。それと同じように、勉強においても「主人公=重要なポイント」を押さえることが、全体の内容を整理し深く理解するための大前提なのです。

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要約力が高まる「軸ノート」とは

勉強した内容をよりよく理解するには「要約力」が大切だ――このことが、おわかりいただけたと思います。では、どうすれば要約力を身につけることができるのでしょう。

その手段のひとつとしてご紹介するのが、『東大生のノートから学ぶ 天才の思考回路をコピーする方法』著者の片山湧斗氏が提唱する軸ノート。本や講義のメモをとるとき、自分で設定した “軸” に沿って、キーワードや説明を整理しながらノートに書き込んでいくというものです。

軸ノートの作成手順は次のとおり。

  1. 「テーマ」をページ上部に書く
    あとから振り返りやすくするため、日付とテーマを記録する。
    例:「7/15 社会学講義」「9/25 書籍『本は読めないものだから心配するな』について」など

  2. 基準となる「軸」をテーマの下に書く
    どんな基準で情報を整理するのかを決めて、軸を書く。基準がひとつであれば横軸を1本、ふたつであれば縦軸と横軸を1本ずつ。
    例:「重要度」「具体度」など

  3. 軸に照らし合わせて、メモをとる
    講義を聴きながら、あるいは本を読みながら、得た情報が軸のどの位置に来るかを考えつつメモをとる。位置は主観で決めてかまわない。

片山氏いわく、軸ノートをつくるメリットは、重要な情報とそうでない情報を分けたり、対照的な情報を比較したりといったことが簡単にできる点。本や講義に出てくる情報は、すべてが等しく重要なわけではありませんし、あまりに多すぎる情報を聞いたそばから即座に頭のなかで整理することは難しいもの。

ですが、軸ノートの紙面上に、重要度に応じて情報を書き込んでいけば、本や講義の重要ポイント(西岡氏の言う「主人公」)が一目瞭然に。そのなかから重要な点のみ抽出すれば、「要するにどういうことなのか?」を容易にまとめることができます。まさに、軸ノートは要約にうってつけだというわけです。

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「軸ノート」をつくってみた

筆者も今回、実際に軸ノートをつくってみました。テーマは、最近鑑賞した映画についてです。筆者は大学で文学と批評を学んでおり、映画はそのよいテーマになると考え、この題材を選びました。

鑑賞した映画のタイトルは『ミス・マルクス』。19世紀の哲学者・経済学者、カール・マルクスの末娘、エリノア・マルクスの半生を描いた伝記映画です。

映画を鑑賞している最中は劇場内が暗く、内容を軸ノートへ瞬時にメモすることが難しかったので、必要な情報をまずはなぐり書きでメモしました。

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普段の筆者なら、このような感じで書きなぐったまま、あとでメモを振り返ったとしても内容を思い出せなくなっていたでしょう。しかし今回は、映画観賞後、内容を覚えているうちに以下のような感じで、軸ノートに情報を編み直しました。

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ノート上部には、映画を見た日の日付と映画のタイトル、加えて劇場の場所を略語で書いています。一番目につくところに「いつ」「どこで」「何を」観たのかを書いておけば、あとからでも記憶を呼び起こしやすいからです。

そして、情報を整理する基準として、「重要度」を表す横軸と、「具体度」を表す縦軸を設定しました。左から右へかけて重要度が高くなり、下から上にかけて具体度が高くなるように、映画に関するキーワードを整理しています。

映画を鑑賞中に書きなぐっただけのメモが、軸ノートに整理しただけで、こんなにも見やすく、かつ重要ポイントがひとめでわかるメモになりました。

さらに、鑑賞してから数日後、軸ノートを参考に映画の内容を要約してみました。軸ノートを書いた段階で情報の重要度や具体度をすでに整理できていたので、150字程度で以下のように要約することができました。

主人公エリノアは女性や子ども、労働者に対する保護の重要性を説きながらも、夫や周囲の男性のあからさまな伝統的家父長制と、父・カールの「娘」という立場から自身のケア労働の搾取に葛藤する。Downtown Boysによる主題歌、パンクロック調の「L'Internationale」は、エリノアの社会主義的熱意を明確に表す。

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軸ノートをつくったら、楽に要約できて理解も深まった!

軸ノートを書いて実感した大きなメリットは、軸があるおかげで要約しやすくなり、メモした内容どうしの関係性がひとめで理解できるということでした。軸のどの位置にキーワードが置かれているかを見れば、どれが重要で、どれがより具体的なのかがすぐにわかります。時間がしばらく経ってからでも、軸ノートを見返すだけで、ポイントを簡単に思い出すことができました。

一方、設定した軸以外の内容を整理しづらいという点では、工夫の余地があると感じられました。たとえば今回、筆者は「重要度」「具体度」の2軸を設定しましたが、ここに「時間軸」を加えたいと思っても、なかなか難しいと思ったのです。

ただ、設定する軸に確実な正解というものはありません。軸ノートをつくるときは、いくつか軸を変えて試行錯誤しながら書いてみるといいと感じました。別の軸でも整理してみたくなったら、もうひとつ別の軸ノートをとり直せば、また違った要約がきっとできるはずです。

***
慣れるまでは難しいかもしれませんが、回数を重ねれば、洗練された軸ノートをつくれるようになると思います。要約力も理解度も高まるはず。ぜひご自身でも、自分だけの軸ノートをつくってみてください。

(参考)
東洋経済オンライン|読み書きを鍛えるのに「要約」が最強なワケ
ログミーBiz|メモをとるコツは「軸」と「粒度」 現役東大生が指南する、時短の情報整理術
東洋経済オンライン|マンガ!東大生の「最強の勉強法」は要約である
日経ビジネス|『東大読書』著者が問う「読後にどんな議論ができますか」
片山湧斗 (2021), 『東大生のノートから学ぶ 天才の思考回路をコピーする方法』, 日本能率協会マネジメントセンター.

【ライタープロフィール】
YG
大学では日韓比較文学を専攻し、自身の研究分野に関する論文収集に没頭している。言語学にも関心があり、文法を中心に日々勉強中。これまでに実践報告型の記事を多数執筆。効果的で再現性の高い勉強法や読書術を伝えるべく、自らノート術や多読の実践を深めている。

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