“脳の機能”を活用せよ。大事な局面で絶対に好結果を出せる「感情コントロール法」

飯山晄朗さんインタビュー「脳の機能を生かした感情コントロール法」01

「メンタルトレーニング」という言葉は、特にスポーツの場においてよく聞かれる言葉です。ただ、その力が生きるのは、スポーツの場だけには限りません。ビジネスパーソンがしっかりと成果を挙げて成長するためにも、力を発揮してくれます。

トップアスリートやビジネスパーソンのサポートを行なう「メンタルスキルコーチ」である飯山晄朗(いいやま・じろう)さんに、その基本とあわせて、誰にとっても重要なメンタルトレーニングを教えてもらいました。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹 写真/石塚雅人

「感情のコントロール」がパフォーマンスを左右する

メンタルトレーニングとは、文字どおりメンタルのトレーニングのことを指します。具体的には、アスリートなら試合や大会、ビジネスパーソンなら重要な商談やプレゼンなど、「本番」でしっかり自分のパフォーマンスを発揮できるような心の状態をつくるためのトレーニングのこと。そして、アスリートやビジネスパーソンなどのメンタルトレーニングの指導およびサポートをするのが、私の肩書である「メンタルスキルコーチ」としての仕事です。

では、メンタルトレーニングによってどんなことを身につけるのか。最も重要なものは、「感情をコントロールする方法」です。なぜなら、感情をコントロールできるかどうかで、パフォーマンスが大きく変動するからです。

たとえば、野球の試合で絶好のチャンスに自分の出番がめぐってきたバッターがいたとします。そのバッターが、「ここで打たないとヤバいぞ……」と思うのか、それとも「こんな場面で出番がくるなんて最高だ! 楽しい!」と思うのか。もちろん、その後の結果がどうなるのかは誰にもわかりませんし、その結果に感情がどのような影響を与えたのかということをはっきりと示すことも難しいでしょう。

でも、「楽しい!」と思っている後者のほうが、好結果を生みそうな気がしませんか? 「ヤバいぞ……」と思っている前者の体はきっと硬くこわばっているに違いありません。それではやはりいい結果を出すのは難しくなる。一方、後者は「楽しい!」と思っているのですから、心も体もリラックスしています。間違いなく、前者よりいい結果を残す可能性は高いはずです。

飯山晄朗さんインタビュー「脳の機能を生かした感情コントロール法」02

「入力より出力を信用する」脳の特徴を利用する

そして、先の例の「楽しい!」と思えるバッターのようになるためのトレーニングこそ、メンタルトレーニングです。

じつは、私の行なっているメンタルトレーニングは、「SBTスーパーブレイントレーニング®」という、脳の機能を利用したもの。脳には入力と出力によって記憶を強化するという機能があります。みなさんが見たもの、目の前で起こった出来事などに対して抱いた思いやイメージは、情報として脳に入力されます。すると、動作、表情、言葉といった行動が出力されるという構造です。そのために、「楽しい!」という思いが入力されれば楽しげな笑顔になるし、それこそ「楽しい!」という言葉を発するのです。

ただ、脳には入力と出力に関するあるおもしろい特徴があります。それは、脳は「入力より出力を信用する」ということです。たとえば、「楽しい!」といくら思っていても、「全然楽しくない」「本当につまらないな」という言葉を口にしたり、楽しげではないしかめっ面をしたりすれば、脳は「楽しい!」という思いを感じられなくなるのです。

そして、その特徴をうまく利用して、そのときの本来の思いがどうであれ、出力される動作、表情、言葉などを自分でコントロールすることで思いを変えられれば、先の例で挙げた誰もが緊張しそうな場面でも「楽しい!」と思えるバッターのように、高いパフォーマンスを発揮できる可能性が高まるというわけです。

飯山晄朗さんインタビュー「脳の機能を生かした感情コントロール法」03

脳はイメージしたことだけを実現しようとする

では、どんなメンタルトレーニングをすれば、自分の感情をコントロールして高いパフォーマンスを発揮できるようになるのでしょう。残念ながら、これについては人それぞれとしか言えません。立場やもともとの性格、置かれている状況はそれぞれに違うのですから、必要なメンタルトレーニングのメニューも違って当然です。

ただ、どんな人にも有効なメンタルトレーニングがあります。それは、常に「うまくいくイメージ」「なりたい自分のイメージ」をもつということ。そうはいっても、特にネガティブ思考の人だと「そんなイメージをもってもそうなるとは限らないだろう」なんて思うかもしれません。

でも、これは私自身が実証したことでもあります。私がサポートしたスピードスケートの高木菜那選手は、平昌五輪の金メダリストになりました。10年前の私にその事実を告げれば、心から驚くことでしょう。でも、当時の私は、「いずれ、自分がサポートしたアスリートがオリンピックのメダリストになるんだ!」というイメージだけは常にもっていたのです。

私たちの脳は、イメージしたことを実現しようとします。食事をすることをイメージするからこそ、脳は体に司令を下して食事をするわけです。逆に言えば、イメージしていないことは絶対に実現できないということになる。それだけ、夢の実現に対してイメージの力は大きな影響を与えるのです。

飯山晄朗さんインタビュー「脳の機能を生かした感情コントロール法」04

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  • 作者:飯山 晄朗
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【プロフィール】
飯山晄朗(いいやま・じろう)
1969年、富山県生まれ。人財教育家、メンタルスキルコーチ、中小企業診断士。一般社団法人グローアップフォーラム代表理事、銀座コーチングスクール金沢校・福井校代表、金沢大学法学部非常勤講師等の肩書も持つ。家電業界でトップセールスマンとなり後進の指導にあたったのち、商工団体の経営指導員に転職し、11年間で5000件を超える相談に対応。起業後の現在は、企業経営者や経営幹部、スポーツチームの指導者等を対象に、冷めて停滞している組織を熱く燃えるチームに生まれ変わらせるリーダーシップ教育を提供。研修講師として「コーチング手法で教える」研修スタイルが「ビジネススクールのようだ」と口コミで広まり、教育研修、講演の依頼が後を絶たない。メンタルトレーニングを指導したスポーツチームのなかには、歴史的大逆転劇を演じて甲子園出場を決めた星稜高校野球部など、全国レベルの好成績を残しているチームも多い。また、スピードスケートの高木菜那選手のメンタルスキルコーチも務め、2018年の平昌五輪では金メダル獲得に導いた。『勝者のゴールデンメンタル あらゆる仕事に効く「心を強くする」技法』(大和書房)、『自分の中の「どうせ」「でも」「だって」に負けない33の方法』(実務教育出版)、『「いまどき部下」がやる気に燃える リーダーの言葉がけ』(青春出版社)、『いまどきの子を「本気」に変えるメンタルトレーニング』(秀和システム)など著書多数。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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