自分の可能性を狭めかねない3つの最悪口癖。「ヤバい」で何も考えられなくなる。

自分の可能性を狭めるNGな口癖01

どんな人にも、多かれ少なかれ「口癖」があります。その口癖が、知らず知らずのうちに “あなたの可能性を狭めている” のかもしれないのです。

ナポレオン・ヒルの世界的名著『思考は現実化する』には、そのタイトルが表しているとおり、「目標を自らが口に出すことで、思考がその目標に向かい、現実化する」といったことが書かれています。この考え方は脳科学的にも正しいと認められており、多くの有識者たちが賛同しているほど。

例えば、トレスペクト教育研究所代表で学習コンサルタントの宇都出雅巳氏は、次のように解説しています。

一時、大ブームとなった「引き寄せの法則」。(中略)これは、脳科学や認知科学、心理学でいう「プライミング効果」で説明ができます。言葉が行動に影響を与える効果のことです。

「引き寄せの法則」では、実際には「言葉」が現実を引き寄せてくれるわけではなく、言葉が私たちの“記憶”に影響を与えており、その記憶が私たちの認識に影響を与えることで、自分の都合に「引き寄せて」現実を見られるようになると考えられるのです。

(東洋経済オンライン|「口ぐせが現実を変える」が科学的に正しい訳

逆に言えば、普段からネガティブな言葉を使いがちな人は、自分自身の可能性をかえって狭めている恐れがあるということです。改善すべきNGな口癖を3つ指摘しましょう。

自分の可能性を狭めるNGな口癖02

【NGな口癖1】「でも」で言い訳体質ができあがってしまう

「でも」は、どこか謙虚で遠慮がちな日本人が使いがちな言葉の筆頭と言ってもいいでしょう。皆さんのなかにも、「でも」が口癖の人は非常にたくさんいるはずです。

しかし、実業家の堀江貴文氏は次のように指摘します。

僕はメルマガを含め、人から相談を受けることも多いが、せっかく答えても、「でも○○だから、それはできないんです」と言われることがかなりある。その「でも」が、自分自身を不自由にしていることに気づかないのだろうか。

(引用元:東洋経済オンライン|堀江貴文氏「“でも”が口癖の人は一生ダメ」

「でも」のあとには否定のフレーズが来がち。「(スキルアップのために勉強しなければ……)→でも時間がないから……」「(成功をつかみたい……)→ でも自分には才能がないから……」など、なんでもかんでも「でも」で言い訳していては、何も行動に移せるはずがありません。まさに自分の可能性を狭めているのです。

堀江氏は「『でも』という縛りを取ってあげるだけで、もっと自由に行動を起こしていけるのではないだろうか」と提案しています。つい「でも」と言いそうになっても、いったんはぐっと飲み込んでください。そして「何ができるだろうか?」と考えてみるのです。たったそれだけで、前向きに物事を進めていける気がしてきませんか?

自分の可能性を狭めるNGな口癖03

【NGな口癖2】「えーっと」「まあ」を使いがちな人はプレゼンに不向き

話の途中で無意識のうちに挟んでしまう、「えーっと」「まあ」「うーん」のような言葉はフィラーと呼ばれます。主に話をつなぐ目的で使われますが、多用しすぎるのも考え物です。

コミュニケーション分析企業のクオンティファイド・コミュニケーションズの創業者でありCEOのノア・ザンダン氏は、次のように解説しています。

フィラーを口にしている間に、考えをまとめられるだろうし、場合によっては、次に話すことに注目してもらう効果があるかもしれない。ただし、これを乱用すると、つかえた話し方(専門用語で言えば「訥弁(とつべん)」)になり、結果的に話し手の信頼性が損なわれ、本来のメッセージから聞き手の注意をそらしてしまう

(引用元:ハーバード・ビジネス・レビュー|「うーん」「えー」「ほら」…… 耳障りな口癖を封じる3つのステップ ※太字は筆者が施した)

日常会話ならばまだしも、プレゼンテーションやスピーチの場など、話を大勢に伝えなければならないようなときには、特に気をつけたほうがいいでしょう。こういった場の聞き手は、話者の話を理解しようとするモチベーションが高くありません。そこに「えーっと」「まあ」「うーん」などのフィラーがノイズのように入ると、理解のモチベーションがさらに失われてしまうのです。

ザンダン氏は、改善方法として「あえて沈黙を作る」ことを提案しています。沈黙は、話に抑揚をつけるための武器であり、決して恐れるようなものではありません。沈黙を効果的に使いこなせば、聞き手を自分の話に惹きつけることができるのです。あるいは、自分自身のフィラーを周囲に公言し、自分がフィラーを発した際にその場で指摘してもらうように同僚や家族に頼むのも効果的でしょう。

ただしザンダン氏は、そもそもフィラーは「緊張」が最大の原因のひとつだと説きます。プレゼンテーションやスピーチの際は特に、入念な準備をして余裕を持って話せるようにしておくに越したことはないでしょう。

自分の可能性を狭めるNGな口癖04

【NGな口癖3】「ヤバい」「ウザい」で何も考えられなくなる

日常語として世に浸透してきている近年の言葉の大きな特徴でもありますが、とにかく楽な表現が市民権を得ています。その代表格が「ヤバい」「ウザい」といった言葉。しかし、中学受験専門塾スタジオキャンパス代表であり多数の著書を持つ矢野耕平氏は、このことを問題視しています。

次の例文を見てみよう。

例A:トイレの壁に貼ってある日本地図、ウザいから外していい?
例B:「家に帰るまでが修学旅行です」なんて、校長先生がまた同じ話をしたのでウザい。
例C:弟は、年下のくせに姉の私に生意気な口を利くのでウザい。

>A、B、Cにはどれも「ウザい」という表現が使われているが、それぞれの気持ちが異なる。この場合、Aは「鬱陶しい」、Bは「うんざりする」、Cは「小憎たらしい」などの心情表現がぴったりくる。

(引用元:プレジデント・オンライン|親の口癖が「ヤバい」なら子も「ヤバい」

矢野氏はこう述べ、なんでもかんでも簡単な言葉で済ませてしまうと「そのときどきの微細な心情を自覚できなくなってしまう」「そして感情そのものが貧しくなり、他者から『無表情な人間』と思われる恐れさえある」と指摘しています。そもそも、“言葉を知らない” 状態は、繊細なニュアンスを伝えきれないことにもつながるために、仕事の場面でも圧倒的に損をするのは明らかですよね。

StudyHackerの別の記事『「言語能力が高い人」がやっている4つの習慣。“10歳児にもわかるように” 説明できますか?』では、言語能力を鍛える方法として「手書きメモ」や「日記やSNSでのアウトプット」を、『“紙1枚” から始められる言語化トレーニング。「言葉にできない」解消のための4ステップ。』では「本を読む」ことをすすめています。こういった習慣を日々実践することで、使える言葉をどんどん増やしていきましょう。

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自分の可能性を狭めないために、今回ご指摘したような口癖はできるだけ早く改善させましょう。

(参考)
ナポレオン・ヒル 著, 田中孝顕 訳(2014),『思考は現実化する〈上〉』, きこ書房.
東洋経済オンライン|「口ぐせが現実を変える」が科学的に正しい訳
東洋経済オンライン|堀江貴文氏「“でも”が口癖の人は一生ダメ」
ハーバード・ビジネス・レビュー|「うーん」「えー」「ほら」…… 耳障りな口癖を封じる3つのステップ
プレジデントオンライン|親の口癖が「ヤバい」なら子も「ヤバい」
STUDY HACKER|「言語能力が高い人」がやっている4つの習慣。“10歳児にもわかるように” 説明できますか?
STUDY HACKER|“紙1枚” から始められる言語化トレーニング。「言葉にできない」解消のための4ステップ。

【ライタープロフィール】
武山和正
Webライター。大学ではメディアについて幅広く学び、その後フリーのWebライターとして活動を開始。現在は個人でもブログを執筆・運営するなど日々多くの記事を執筆している。BUMP OF CHICKENとすみっコぐらしが大好き。

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