「最高年収10億円の弁護士」へ大変貌した元フリーターの興味深い仕事観。

「24歳フリーター→最高年収10億円」の弁護士・福永活也さんインタビュー01

24歳のときに一念発起してフリーターから弁護士へ。いまでは不動産会社等の複数の会社を経営し、タレントや冒険家としての顔も持つ福永活也(ふくなが・かつや)さん「月収6、7万円」の若者は、「最高年収10億円」の億万長者へと変貌しました

そんな福永さんは、いったいどんな仕事術を持っているのでしょうか。最も大事なことは、「いま現在のワクワク感に着目すること」だといいます。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹 写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)

偶然が重なり月収6、7万円のフリーターから弁護士へ

僕は24歳まで月収6、7万円のフリーターでした。そこから弁護士になったのは、本当にたまたまといっていい。きっかけのひとつは父の死でした。親が亡くなると、やはり多かれ少なかれ人生を考えるきっかけになります。

ただ、当時フリーターだったことで自分の人生が駄目なものだなんて思っていませんでした。というのも、仕事とは自分が楽しく過ごすためのツールのひとつに過ぎないと考えているからです。この考えはいまも昔も変わりません。でも、世の中の人が一度は挑戦する勉強や仕事に真剣に取り組んだ経験がないということは、人生にとってなにかよくないのではないかと思ったのです。

そして当時、たまたま観ておもしろいと思っていたのが『カバチタレ!』(フジテレビ)というドラマでした。深津絵里さんと常盤貴子さんが主演で、行政書士が題材のものです。その作品を観て、法律というものに漠然とした興味を持っていました。また、当時は司法制度改革が行なわれて全国にロースクールができた時期でもあった。僕のような法律の知識がまったくない人間でもウエルカムという時代になったわけです。

そうして、24歳で法科大学院に入り、3年間のコースで勉強をして司法試験に合格しました。いま振り返っても、その経緯はやはりたまたまとしかいえません。当時、もしゴルフブームが来ていて僕自身もゴルフに興味を持っていたら、ゴルファーを目指そうなんて思っていたかもしれませんからね。

「24歳フリーター→最高年収10億円」の弁護士・福永活也さんインタビュー02

仕事の対価とは報酬でもあり経験でもある

司法試験合格後、僕はわりと大きな法律事務所に入りました。規模が大きいこともあってか、その事務所にはいわゆるサラリーマン的な弁護士が多かったように思います。給与は年俸制でしたから、どんなに熱心にたくさん仕事をしても適当にやっても、収入は変わりません。その収入を仕事の対価だと考えると、サボるとまではいわないまでも、上役からやれといわれたことだけをやるというふうな発想になりがちです。

でも僕は、「仕事の対価とは報酬でもあり経験でもある」と思っていました。これは、ユニクロの柳井正さんが起業するときに参考にしていたという、ハロルド・ジェニーンの『プロフェッショナルマネジャー』という本に出てくる言葉です。僕もその言葉にはすごく感銘を受けていました。

当時の僕の仕事だと、2倍の量の仕事をしても収入は変わりません。でも、経験はそれだけ増える。しかも、経験というのは二次関数的に増えるものだと考えています。仕事量が2倍になれば、経験の量は2倍ではなく2.3倍とか2.5倍くらいの量になる。仕事を詰め込めば詰め込むほど経験という対価をたくさん得られてお得だと、僕は思っていたわけです。

すると、新しい仕事をするにも楽しみが大きくなりますし、新しい仕事ではなくても経験があることなら、今度はより精度を上げることができる。そういうワクワク感があったので、収入が増えなくても毎日が楽しくて仕方ありませんでしたね。

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楽しさという軸で考えれば、仕事も遊びも変わらない

そのように仕事量を意図的に増やしていたことは、なにも将来のことを見据えてやっていたわけではありません。何かをやるというとき、それが将来的にどんな役割を果たすのかと打算的に考えると、大きなモチベーションを生むことはおそらく無理でしょう。いま現在のワクワク感が何よりも生々しくてリアルですから、「現在、どれだけ楽しく感じられるか」ということが大事なのです。

「将来、こういうことをやりたい」という目標を持つのもいいですが、それをいかに現在の楽しみに変換して落とし込むかが大切です。どんなことも、本当に将来に役に立つかどうかはわかりません。でも、そんなことをいっていたら、何もできませんよね? ですから、それそのものが楽しいかどうかというところに着目すべきなのだと思います。

ですが、その前に、「勉強や仕事は楽しくないもの」という思い込みが多くの人にある気がします。僕はよく海外に出かけますが、するとまわりからすぐに「仕事ですか? 旅行ですか?」と聞かれる。その二択ってなんだろうと思うのです。世の中の人は、「仕事じゃなければ楽しい」「仕事だったら楽しくない」と分けて考えています。でも本来、楽しさという軸で考えれば、仕事でも遊びでも変わらないのではないでしょうか。

いい意味で、仕事も遊びの延長として考える。そういう意識の改革があったほうがいいかもしれません。

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「ビジネスパーソンとしてこうありたい」という思い

僕の場合、仕事でワクワクすることのひとつとして、「クライアントにサプライズをする」ことが挙げられます。プライベートでも、友だちの誕生祝いをこっそり考えているときってワクワクしますよね。その感覚を仕事でも感じたい。

たとえば、金曜日に仕事が終わってそろそろ飲み会に行くというときに、クライアントから法律相談のメールが来たとします。クライアントは「来週末くらいまでにご回答いただければ嬉しいです」と書いている。

普通は、そのまま飲み会に行って土日は休んで、「月曜日からリサーチをして、ちょっと早めに水曜日くらいに回答すればいいかな」くらいの感覚の人が多いでしょう。なかには本当に週末の金曜日に回答する人もいるかもしれません。

それだったらなにもおもしろくない。僕なら、飲み会には行くけど二次会には参加せず、職場に戻って深夜のうちにちゃんとした完成度の回答をしておく。クライアントがメールを見るのは月曜日の朝でしょう。でも、送信日時は金曜日の深夜だということに気づく。クライアントは、おそらくは驚き、そして喜んでくれることでしょう

ただ、そういうことも周囲に評価されたいという思いがあるからやるわけではありません。クライアントが喜ぶかどうかはどっちでもいい。ナルシシストなのかもしれませんが、「自分はビジネスパーソンとしてこうありたい」という思いからの行動です。

納期まで1週間の仕事を、常に1日や2日で終わらせるビジネスパーソンがいたら格好いいじゃないですか。先に述べた、将来を見据えた打算的な考えがモチベーションを生まないということもそうですが、やはり自分自身の気持ちに着目することが大切で、それが結果的に周囲の評価も生んでいくのだと思います。

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日本一稼ぐ弁護士の仕事術

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  • 作者:福永活也
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【プロフィール】
福永活也(ふくなが・かつや)
1980年11月12日生まれ、三重県出身。弁護士、冒険家。名古屋工業大学卒業後、一般企業に就職するも2カ月で退社。2年間、フリーターとしてフラフラした生活をしていたが、父の死をきっかけに一念発起し弁護士を目指す。27歳で司法試験に合格。弁護士法人北浜法律事務所東京事務所に入所。2012年、株式会社東日本大震災事業者再生支援機構に出向。独立してわずか数年で累計数百億円もの案件をひとりで扱ってきた。現在は、弁護士業の他に、不動産投資、アプリ開発、ファッションブランド立ち上げなども行っている。また、バックパッカーとして世界を駆け巡っており、世界7大陸最高峰を制覇した冒険家としての顔も持つ。2017年には上位2%のIQを持つ者が参加する国際グループ「MENSA」の日本支部会員にもなっている。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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