超多忙の山口真由さんが、それでも毎日「90分の空白時間」を死守するワケ。

山口真由さんが90分の余白時間を設けるワケ01

「資格取得のための勉強をしなければ……」
「会社に提出しなければならない大事な書類をつくらなければ……」

自分に課せられた「タスク」をこなしていくには、やはり毎日の時間の使い方が大切になってきます。そして、そういった “本題” に対してしっかり向き合うためには、それ以外の時間をどう過ごすかも大きなポイントになってくるでしょう。

東大を首席で卒業し、現在は執筆業やコメンテーターとして活躍する山口真由さんに、「日々の気分転換」と「好きなことをあえてやる非効率な時間の使い方」をレクチャーしてもらいます。

構成/岩川悟(slipstream) 写真/川しまゆうこ

合間の気分転換には、「どうせやろうと思っていたこと」をやる

山口真由さんが90分の余白時間を設けるワケ02

あたりまえですが、わたしたちは仕事や勉強だけをして生きているわけではありません。食事を摂らなければならないし、洗濯や掃除をしなければならないし、お風呂に入らなければならないし、歯を磨かなければなりません。

そんな基本的な生活習慣のほかにも、ネットで日用品を買い足したり、親や友だちに連絡したりと、やらなければならないことは毎日次々と起こります。

そんな用事もしっかりとこなすのは、責任ある大人としても当然のこと。ただ、気をつけたいのはそんな用事はとめどなく起こるということです。つまり、どこかで自分なりに線引きをし、力の入れ具合を考えて、取捨選択をしなければ、時間はまたたく間になくなってしまいます

そこで、わたしが実践しているおすすめの方法を紹介しましょう。それは、なにかの合間の気分転換に、そんな「どうせやろうと思っていたこと」をやることです。

「それって休憩になるの?」

そう思われるかもしれませんが、じつは「どうせやろうと思っていたこと」を放置しておくことほど、ストレスを溜めるものはありません。逆に、そんな用事を仕事や勉強の合間にさっさと片づけてしまうと、心がすっきりして、とても良い気分転換になりますよ。

しばらく連絡していなかった実家に、ちょっと電話するだけでいいのです。気分転換に友だちと雑談するのも良いのですが、そんなときこそ「やろうと思っていたこと」を片づける絶好のチャンス。

そして、気分良く仕事や勉強に戻っていきましょう。

あえて「好きなこと」をする時間を、毎日90分つくる

山口真由さんが90分の余白時間を設けるワケ03

わたしは、1日のなかで必ず90分を「好きなことをする」時間にあてています。だいたいはゆっくりお風呂に入り、仕事とは関係のない小説などを読んでいます。どれだけ忙しくても、その時間は確保するようにしているのです。

これは、1日のなかに「空白」の時間をつくるということ。毎日効率的に用事をこなして過ごしていると、ときに「もうなにもしたくない……」という瞬間がやってくることがあります。そうなると仕事や勉強にまったく集中できなくなるので、そうならないためにも、あえて「なにをしてもいい」時間を用意して、生活にリズムをつけているわけです。

かつて財務省にいたころ、当時のトヨタ自動車の社長が、新人のためにトヨタ自動車の生産方式である「カイゼン」の研修をしてくれました。ご存知のように、カイゼンは徹底的に効率を追求したシステムですが、同時にトヨタ自動車では「徹底的に遊ぶ部分」もあります。
デザインなどのクリエイティブな部分については、効率をまったく無視して追求する
そうおっしゃっていたのが印象的でした。

これは誰にでもあてはまることではないでしょうか。効率だけを追求していると、そのぶんクリエイティブな発想やアイデアの創出は減っていく。だからこそ、あえて非効率にする部分を確保することが大事だと思うのです。

人は短期的に役立つことばかりしていると、長期的には行き詰まってしまいます。とくに、30代に入ると自分の知識やスキルの「引き出し」が詰まってくるため、意識して気を抜く部分をつくり、短期的に役立たないようなことをするのも意外と大切だと思います。

そんな非効率な時間があるからこそ、効率的な時間がより生きてくるのです。

***
「努力する勉強家」である山口さんでも、このようにして気分転換になる習慣をいくつか持っているようです。

「どうせやらなければならないこと」を後回しにせず、ポジティブな考えのもと空き時間で済ませてしまう。そして、クリエイティブな発想やアイデアの創出のために、あえて「非効率な時間」をつくる。

同じ時間の使い方でも、そこに明確な意図を持たせることで、結果は大きく変わってくるのでしょう。

※今コラムは、山口真由著『東大首席が教える 賢い頭をつくる黄金のルール』(セブン&アイ出版)をアレンジしたものです。

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【プロフィール】
山口真由(やまぐち・まゆ)
1983年、北海道出身。東京大学法学部在学中3年次に司法試験、翌年には国家公務員Ⅰ種に合格。学業成績は在学中4年間を通じて「オール優」で4年次には総長賞も受けるなどし、同大学を卒業。卒業後は財務省に入省し、主税局に配属。2008年に退職し、翌年から2015年まで大手法律事務所に勤務し企業法務に従事。その後、1年間ハーバード・ロースクールへの留学をし、ニューヨーク州弁護士資格も取得。現在は、テレビのコメンテーターや執筆でも活躍している。レギュラー番組として、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系/毎週月曜コメンテーター)。著書には、『東大首席が教える超速「7回読み」勉強法』、『東大首席が教える「間違えない」思考法』(PHP研究所)、『リベラルという病』(新潮社)、『東大首席・ハーバード卒NY州弁護士と母が教える 合格習慣55 家庭でできる最難関突破の地頭づくり』(学研プラス)などがある。

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