「面倒くさくない? 本当に効果ある?」前田裕二さんがしている “使い分けメモ術” を体験してみた

超絶効果的な “使い分けメモ術” を体験してみた01

「メモは一応とっているけれど、たいして活用できていない……」
「日々の仕事や勉強に行き詰まり感がある。自分に変化を与える刺激がほしい……」

このような悩みを解消するきっかけになるメモ帳の使い分けテクニックをご紹介します。SHOWROOM株式会社代表取締役社長で、ロングベストセラー『メモの魔力』著者の前田裕二氏が実践している方法です。ぜひご一読ください!

やり方はいろいろ「メモ帳の使い分け方」

前田氏は、仕事で見聞きしたことや用件などを「忘れない」ためだけでなく、新たな発想を「生み出す」ためにも、メモをとっているそうです。そして、前者の「備忘」用のメモ帳、後者の「知的生産」用のノートを使い分けているとのこと。

多くの人がただ単に出来事などを記録だけして終わるところ、前田氏は後述の方法で深掘りします。そうすることで、前田氏はアイデアを創出し続けているわけです。

複数のメモを使い分けている “達人” はほかにもいます。2人めに紹介するのは、キャリアコンサルタントの池田千恵氏「目標を実現しやすくする」ために、メモ帳を使い分けています。

池田氏によれば、夢や願望を実現するには、「1. 妄想を『広げる』→2. 実行計画を『まとめる』」をセットで行なうことが重要。枠にとらわれずワクワクと想像することが可能性の原点であり、その想像を夢物語で終わらせないためには、具体的な行動計画が必要だからです。

そんな「広げる→まとめる」の流れを行ないやすくするには、思考を自由に「広げる」ためのノートと、いつ何をするかという予定を「まとめる」ための手帳を使い分けるのが効果的なのだと言います。

そして3人め・花王の研究開発職を経て現在は商品コンサルタントの美崎栄一郎氏は、「仕事のミスや漏れをなくす」ために、メモを使い分けているようです。

「仕事で発生したToDo」はつど小さなメモ帳に書き、そのToDoを「作業単位に細分化したもの」をノートに書くというのが、美崎氏流。ポイントは、メモした日付と納期に加え、タスクを “名詞” ではなく “動詞” で書くこと。「報告書」ではなく「報告書を上司に出す」と書くといった具合です。仕事をざっくりではなく細かく把握すると、漏れなく実行できるそうですよ。

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このように達人たちは、目的に応じてメモ帳を使い分けることで成果を出しているのです。

前田裕二さん流・4つのメモ帳の使い分け

前田氏のメモ術について、もう少し掘り下げましょう。ノート」「手帳」「小さいメモ帳」「スマートフォンのメモアプリの4種類を、以下のようなやり方で使い分けているそうです。

1. ノート

新たな発想を生みたいときに、ノートを使って「ファクトを書く→抽象化する→転用する」というプロセスを行なうとのこと。先述の「知的生産」用のメモがこれに当たります。

  • ファクト……自分が見聞きした客観的な事実を書く。
  • 抽象化……ファクトを深掘りして、「なぜそうした(そう思った)のか?」を書く。
  • 転用……抽象化で探り当てたことを、今後の仕事や生き方にどう活かせそうか書く。

2. 手帳

次の日のミーティング予定を毎晩確認し、話したいこと・あえて話さないことなどを事前に考えて、手帳へメモするそうです。このちょっとした手間をかけることで、ミーティングの時間を有効活用できるのだとか。

3. 小さいメモ帳

対面で人と話すとき、相手の話を備忘のためにメモするほか、自分の話を補足するための図を小さいメモ帳に書いて、相手に見せると言います。

メモをとりながら話をすると、熱意が相手へ伝わりやすいとのこと。「聞き漏らしたくない」「確実に伝えたい」という思いが、メモをとる行為によって可視化されるのかもしれませんね。

4. スマートフォンのメモアプリ

いつでもどこでもメモをするために、スマートフォンのメモアプリも駆使しているそうです。たとえば映画館でも、画面を暗くしてブラインドスワイプでメモをとりながら、「このシーンの背景には何が隠されているのか?」と抽象化し、それを自分の仕事に転用できないか考えているのだとか。ノートだけでなくメモアプリで、新たな発想を生むこともあるようです。

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メモ帳を実際に使い分けてみた

繰り返しになりますが、前田氏は「備忘のため」と「知的生産のため」にメモをとっていると語っていました。であれば、4種類のメモ帳をいきなりは使いこなせなくても、ふたつの目的を達成できればよいはず……。

そう考えた筆者は、備忘用の「小さいメモ帳」と、知的生産用の「ノート」を使い分けてみることにしました

ちなみに前田氏は「ファクト→抽象化→転用」のメモ術について、人生において自分が進むべき方向性を考えたいときにも有効だと述べています。日々の仕事や生活に新鮮味のなさを感じていた筆者にぴったりだと感じ、試すことにしたのです。

小さいメモ帳

小さいメモ帳には、仕事や日常生活におけるToDo、テレビや動画を見ながら気づいたことなどをメモしました。(以下、画像の一部をモザイク加工しています)

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ノート

見開きのページを使い、次の4ステップで思考を広げました。

【ステップ1】テーマを書く

左ページの上部へテーマを書きます。筆者は、「憧れる人」をテーマとし、理想の生き方を考えることにしました。

【ステップ2】ファクトと標語を書く

左ページを左右ふたつのエリアに分け、右エリアにファクトを書きます。筆者は、憧れる人の名前と、憧れるポイントを書き出しました。

それらのファクトをひとことで表した標語を、左エリアへ記入。キャッチフレーズのようなものです。たとえば、一番上のファクトには「丁寧な暮らしの達人」という標語をつけました。

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【ステップ3】抽象化する

右ページも左右ふたつのエリアに分割。そのうち左側へ、ファクトから抜き出した重要なエッセンスを書きます。ファクト欄に書いた憧れの人に「なぜ惹かれるのか?」を自問し、自分が大切にしたいことを書き出しました。

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ところどころペンの色を変えるのも、じつは前田氏流。色を分けると、思考の整理ができるそうです。前田氏のおすすめは、客観的事実を「黒」、主観的意見を「緑」、最も重要なことを「赤」、やや重要なことを「青」のペンで書くこと(手持ちのペンの関係で、筆者は緑の代わりにピンクを使用)。

【ステップ4】転用する

右ページの右側エリアにて、先ほど抽象化した内容を転用します。「憧れの人を見て『大切にしたい』と感じたことを、自分の生き方にどう取り入れるか」考えました。今回は、「健康体で自分らしく生きて、まわりの人に元気を与える」という結論に至りました。

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ステップ1〜4を終えると、知的生産用のノートはこのような感じになりました。

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メモ帳を使い分けたことで感じた3つの効果

「小さいメモ帳」は、気づきの記録に役立った!

「メモ帳の使い分け」に挑んだものの、じつを言うと初めのうちは、小さいメモ帳しか出番がありませんでした……。というのも、小さいメモ帳に書くべきToDoや気づきはいくらでもあった一方、ノートを使って知的生産したいテーマはなかなか思い浮かばなかったのです。

そこで筆者は、知的生産用の材料を集めるために、あらゆる気づきを小さいメモ帳へメモしまくることにしました。「憧れる人」をテーマに知的生産したのも、テレビである有名人を見て「すてき! この人みたいになりたい」と思い、メモしたことがきっかけです。

「ノート」は、抽象化・転用に役立った!

小さいメモ帳に書いた憧れの人について、あとからノートを使って考えたところ、自身のありたい姿を明確にすることができました

これは、「憧れの人になぜ惹かれるのか」「どうすれば自分にも憧れの人の要素を取り入れられるのか」という、抽象化と転用を行なったおかげだと分析しています。

いつもなら「この人すてきだな」と思ってもそこで思考は止まってしまうところ、エリア分けされたノートに向き合うことで、空欄を埋めることを楽しむかのように、考えを深められました。

「メモ帳の使い分け」で、生活に張り合いが出てきた!

複数のメモ帳を使い分けたことで明確になった「ありたい姿」を意識しながら、仕事や生活をすることができるようになりました。単に事務的なことをメモするだけだった日々に比べて、仕事や生活に張り合いが出たように思います。

自分の生活を豊かにしてくれそうな “材料” を小さいメモ帳にどんどん集め、あとからノートで知的生産するスタイルが、筆者には合っていたようです。実践中はおっくうでないどころか、続けることで自分がどんどんいい方向へ変わるような期待感さえありました。

また、メモ帳の特性に合わせた使い分けは、たしかに実践しやすく感じました。ToDoや気づきを即座に書く小さなメモ帳と、思考を広げるためのノート――このたった2種類の使い分けなら、少し面倒くさがりな人にでもできそうな気がします。みなさんもぜひ始めてみてください!

***
メモ帳を適切に使い分ければ、備忘や知的生産をふまえて自分を変えることが可能。このメリットを、ぜひ多くの方に体感していただきたいです。興味をもってくださった方は、一度試してみてくださいね。

(参考)
新R25|「前田裕二流メモ術ってめんどくさくない?」とツッコんだら、そのウラにある壮大な想いを知った
朝時間.jp|もう迷わない!「手帳」と「ノート」の2冊を持つべき理由とは
朝時間.jp|「広げて」「まとめる」がコツ!手帳とノートをうまく使い分ける方法
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【ライタープロフィール】
こばやしまほ
大学では法学部で憲法・法政策論を専攻。2級FP技能検定に合格するなど、資格勉強の経験も豊富。損害保険会社での勤務を通じ、正確かつ迅速な対応を数多く求められた経験から、思考法やタイムマネジメントなどの効率的な仕事術に大変関心が高く、日々情報収集に努めている。

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