「大量の仕事をうまくさばけず、頑張っても頑張っても仕事が終わらない」
「上司から残業はしないように言われているが、どう考えても残業せざるをえない」
そんな状況に置かれている人はいませんか?
仕事量を減らしてもらうというのも、現実的な選択肢のひとつ。ですが、残業をしないでたくさんの仕事を片づけられたら理想的ですよね。
そこで今回は、「残業しないと仕事が終わらない人」を3タイプに分け、各タイプにおすすめの “仕事のスピードアップ法” をご紹介します。
【タイプ1】ラストスパートに賭けがち
締め切り間際になってから、ラストスパートと言わんばかりに仕事を進めてはいませんか。自分は “追い込み型” だから……などと言ってギリギリな仕事スタイルを繰り返していては、残業はなくせないもの。
そんな状況に心当たりがあるなら、「ロケットスタート時間術」で作業時間を管理してみてはどうでしょう。米マイクロソフト本社でWindows95の開発に携わった経験をもつ中島聡氏が提唱する、仕事スピードを上げるテクニックです。
「ロケットスタート時間術」では、ラストスパートではなくスタートダッシュに焦点を当てます。やることは、タスクにかけられる時間のうち最初の2割を使って、そのタスクに全力で取り組むだけです。
たとえば、上司から「1週間後までに顧客ニーズの調査をよろしく」と指示されたのなら、最初の2割に当たる1〜2日めがスタートダッシュの期間。理想は、この2割の期間で仕事の8割を終わらせることだそう。そうすれば、残り8割の期間で余裕をもって完成度を高められ、ラストスパートも残業もすることなく、仕事を完了できるからです。
もしも、最初の2割の期間で仕事の進み具合が6割にも満たなかった場合には、スケジュールの変更を上司に願い出る必要があるとのこと。「まだ締め切りまでけっこう時間があるから大丈夫」といった安心は禁物です。残業が増えるどころか、締め切りに間に合わない……といったことになりかねません。
スタートダッシュで仕事の初速を上げれば、あとあと時間に余裕ができます。仕事に追われるのではなく、仕事をコントロールできる残業ゼロのビジネスパーソンになれますよ。
【タイプ2】無計画に仕事を進めがち
スタートダッシュが大切だとはいえ、何も考えずとにかく仕事に手をつけさえすればいいというものでもありません。上司から仕事を振られたので、とりあえず開始してみたが、作業時間の読みが甘くてダラダラと残業してしまった――そんな経験はありませんか?
無計画な仕事スタイルのせいで残業しがちな人は、ブックライター・コラム執筆者・講師として多忙を極める上阪徹氏が推奨する、「小分け」と「時間割」を活用してみましょう。
ひとことで言うと、仕事を小さなタスクに分けて、学校のような時間割に落とし込むというもの。「3日後までに資料を作成する」という仕事を例にとりながら、手順を説明します。
- 仕事をいくつかのタスクに「分割」する
例:「資料の作成」は「情報収集」「パソコン上での作成」「上司への確認」「修正」に分けられそうだ。 - 各タスクの「所要時間」を計算する
例:情報収集は2時間、パソコン上での作成には3時間、上司は忙しいので確認の返答をもらうまでに半日、その後修正に1時間。最低でもこれくらいは時間がかかるだろう。 - 1時間単位の「時間割」に落とし込む
例:今日の10~11時と14~15時が空いているから、情報収集はそこでやろう。パソコンでの作成は、明日の11~13時と17~18時でできそう。上司にはそのあと確認をお願いしておいて、修正が必要なら明後日の13〜14時で予定しておこう。
こうしてつくった時間割のとおりに実行すれば、仕事は確実に終わると上阪氏。「どのくらいの仕事量があるんだろう」「この仕事はどうやればいいんだろう」といったストレスもなくなります。時間割は毎日見直して、ほかの仕事との調整を行ないつつ、早めにできるものはどんどん進めるといいそうです。
英ノッティンガム大学による研究で、「朝に、達成可能で具体的な目標を、仕事の進め方も含めて決める」ことが仕事を速く進めるコツだと示されています。残業をしないためには、時間割の作成や見直しを毎朝の習慣にするとよいかもしれませんね。
【タイプ3】メールの処理に時間をかけがち
忙しい人ほど、メールの件数は多いもの。朝から何本もメールを送っていたらあっという間に昼になり、ランチを終えたかと思えば今度は返信が届いていて、その対応に追われ……。なかなか本来の仕事ができず、今日も残業だ!――そんな毎日を送っている方もいるでしょう。
年200回の研修・講演・コーチング活動を行なう、株式会社らしさラボ代表取締役の伊庭正康氏は、仕事を爆速で進めるために音声入力を活用してメールを送ることをすすめています。
伊庭氏によれば、音声入力によってメールを作成すると、メール業務にかかる時間を10分の1以下にまで短縮できるそうです。1本あたりのメール作成時間は平均6分(=360秒)といわれるところ、伊庭氏は音声入力を駆使したった30秒程度で済ませているとのこと。
音声入力をすれば、メールを送るためにじっくり腰を据える必要がないので、何かを待つあいだに生じたごく短いスキマ時間にもメール送信が可能だと言います。
なお音声入力は、企画書や報告書といった書類作成やその他の事務作業にも、もちろん力を発揮します。音声入力に加えて、よく使うフレーズを「単語登録」しておき、1~2文字入力しただけで定型表現にパッと変換できるようにしておけば、文字入力のスピードは驚異的に上げられるそうです。
実際に伊庭氏自身、80文字を10秒で入力できるとのこと。この速さは、タイピングに長けた日本語ワープロ検定2級の人の10倍にもなるのだとか!
仕事のスピードを上げるには、ツールを駆使することも大切。減らせる時間はとことん減らして、残業ゼロを目指しましょう。
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みなさんも、ぜひご紹介した3つのテクニックを使って爆速で仕事を進め、残業ゼロを達成してくださいね。
(参考)
type|中島 聡『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』を10分で読める要約でチェック
ダ・ヴィンチニュース|超激務でも仕事が速い、クオリティが期待以上の著者による、仕事が3倍速くなる“大人の時間割”
毎日が発見ネット|仕事にストレスを感じなくなる「MY時間割」の作り方
Forbes JAPAN|ビジネスライフを爆速化する11の習慣 出来ない仕事にはNoと言え
PRESIDENT WOMAN Online|「メールは1本30秒」絶対に残業しないリーダーがやっている、10倍速の働き方
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STUDY HACKER 編集部
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