勉強ノート2種「反復練習×メモリーツリー」の組み合わせが最強。本当に覚えたい人だけやってみて

勉強ノート術「反復練習ノート」「メモリーツリーノート」の効果01

勉強した内容を覚えようと頑張っているけれど、いまいち記憶につながらない……。
覚えたと思っても、時間が経つと忘れてしまう……。

そんな悩みを効率よく解決できる「反復練習ノート」と「メモリーツリーノート」というふたつのノート術をご紹介します。実際にこの方法で勉強してみると、たしかな効果を実感できましたよ。

暗記が苦手な人には「反復」が足りない

「勉強したことを記憶できない!」という人は、学習内容の「反復」が足りない可能性があります。参考書を1回読んだら、すぐ次の教材に移る。ノートはつくるけど、あまり見直さない……。心当たりはありませんか?

脳研究者の池谷裕二氏によると、脳は「生存に不可欠」と判断した情報だけを、長期記憶として保管するそうです。ところが、私たちが勉強する情報の多くは、大切ではあっても生存に不可欠とまでは言い難いもの。つまり、脳の性質上、勉強で得た知識は覚えづらくて当然なのです。

しかし池谷氏は、こうも言います。脳は、何度も繰り返し送り込まれた情報を、生存に不可欠と判断する――。ということは、勉強を通じて得る知識のような、生存とは関係のない情報でも、反復すれば記憶に定着させられるのです。

勉強ノート術「反復練習ノート」「メモリーツリーノート」の効果02

 

暗記が苦手な人には「関連づけ」も足りない

覚えるのに時間がかかる。覚えたはずなのに思い出せない。そんな暗記効率がいまいちな人は、知識の「関連づけ」が不足しているのかもしれません。教科書の丸暗記やノートへの丸写しをしがちな人は、 これに当てはまる可能性大。

精神科医の樺沢紫苑氏によると、情報は孤立していると忘れやすいが、枝葉がついていると覚えやすいそうです。たとえば「本能寺の変は1582年」と単独で情報を覚えようとするよりも、「本能寺の変、1582年、京都、光秀の謀反、信長の死、秀吉の台頭」というように、関連情報を加えてボリュームを増やすほうが効果的。

脳科学に基づく受験指導を行なう医師の吉田たかよし氏は、脳内では記憶どうしが神経細胞でつながっていると説きます。別の知識と関連づいた情報ほど、覚えやすく思い出しやすいという仕組みが、脳にはあるとのこと。ですから、勉強しても覚えられず困っているなら、この「関連づけ」を強化してみるといいと言えます。

勉強ノート術「反復練習ノート」「メモリーツリーノート」の効果03

以上をまとめると、記憶の定着に重要なふたつの要素は、「反復」と「関連づけ」

これらを実現できるのが、『東大生のノートから学ぶ 天才の思考回路をコピーする方法』著者で東大医学部生の片山湧斗氏が推奨する勉強ノート術、「反復練習ノート」と「メモリーツリーノート」です。

「反復練習ノート」とは

では、反復練習ノートから詳しく紹介しましょう。ノートの1ページを縦に3分割し、以下のステップで作成・運用します。

  1. 左の列に、覚えたい語句を書く。赤シートで隠せる色のペンを使用。
  2. 右の列に、語句の意味や説明を書く。余裕があればここも色ペンで。
  3. 左の列に書いた語句を赤シートで隠し、右の列の説明を読んで語句を当てられるかチェック。正答できなかった回数を、中央の列に正の字で書く。

勉強ノート術「反復練習ノート」「メモリーツリーノート」の効果04

片山氏によると、反復練習ノートのメリットは以下の2点。

  • 弱点を可視化できる
    →間違えた回数を記録するので、「なんとなく覚えた(覚えていない)気がする」とイメージだけでとらえがちな記憶の程度を明確に把握できる。重点的に復習すべき箇所を見定められる

  • 効率よく「アウトプット」できる
    →脳は、積極的なアウトプットを通じて記憶を定着させる。「赤シートで隠して答える」という問題形式のアウトプットは、記憶定着に最適

反復練習ノートは復習特化のノートであり、左右の列を書き込んでおけばいつでも手軽に学習内容を反復できます。講義で聞いた話を復習したいときなど、もととなるテキストがない場合でもつくれます。

「メモリーツリーノート」とは

続いてメモリーツリーノートのご紹介。こちらは、勉強内容をインプットする際に効果を発揮します。「メモリーツリー」を書く手順は以下のとおり。

  1. 中心にテーマを書く
  2. テーマのまわりに、関連情報を書き、線でつなぐ
  3. 2で書いた情報のまわりに、さらに関連情報を書き、2と線でつなぐ
  4. 離れた場所に関連情報が出てきた場合も、線でつなぐ
  5. スペースに余裕があれば、情報どうしの関係を書く

勉強ノート術「反復練習ノート」「メモリーツリーノート」の効果05

メモリーツリーを書く際は、以下のポイントを意識します。

  • 丁寧に書きすぎない
    →このノートの目的は、きれいに書くことではなく、情報どうしを関連づけて覚えること。丁寧にまとめようとせず、思いきってどんどん線でつなぐことが大切。

  • 直感で書く
    脳内のイメージを紙に落とし込むように書く。図や絵の利用も可。

テキストの内容をただノートに書くだけでは、知識どうしのつながりを理解するまでには至れないもの。その反面、メモリーツリーを書けば、情報の関係性をひとめで把握可能。知識の関連づけが容易に行なえるのです。

「反復練習×メモリーツリー」で勉強してみた

筆者もちょうど骨格や筋肉の勉強をしていたところだったので、「反復練習ノート」と「メモリーツリーノート」の両方を取り入れてみることにしました。

【用意したもの】

  • テキスト『歌手ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと』(春秋社)
  • 横罫ノート(反復練習ノート用)、無地ノート(メモリーツリーノート用)
  • ペン(黒、オレンジ、青)、マーカー(緑)
  • 赤シート

勉強ノート術「反復練習ノート」「メモリーツリーノート」の効果06

 

【筆者がとった手順】

  1. テキストを読みながら、覚えたい章のメモリーツリーを作成
    ※特に覚えたい語句は、赤シートで隠せるようオレンジペンで記述。
  2. メモリーツリーの内容をもとに、反復練習ノートを作成
    ※あとで情報を書き足せるよう、見開きの半分は余白のまま。
  3. 反復練習ノートで1日1回復習。テキストから追加で覚えたい知識、テキスト以外で関連しそうだと感じた知識を、随時余白に追加。
  4. 3を1週間継続。必要に応じて、メモリーツリーに情報を追加

まずは筆者の作成したメモリーツリーをご覧ください。

勉強ノート術「反復練習ノート」「メモリーツリーノート」の効果07

※線が増えすぎたため、離れた場所にある事柄は緑マーカーでつなぎました。青字は、復習の過程で書き足したものです。

そして、反復練習ノートがこちら。

勉強ノート術「反復練習ノート」「メモリーツリーノート」の効果08

「反復練習×メモリーツリー」の組み合わせは最強だった

実践を通して感じたことや、提案したいことをまとめます。

メモリーツリー:関係性の「発見」が記憶に大貢献!

メモリーツリーをつくる過程で、情報どうしの関係性をたくさん発見。関連づけのおかげで、周辺知識を楽に覚えられました。作成には1時間かかりましたが、それを長いとは感じないほどの手ごたえがありました。

また、直感を意識したことで、メモリーツリーが自然と自分の覚えやすい形にまとまりました。ですので、考えすぎず思うままに書くことをおすすめします。自由度の高い無地のノートや画用紙を使うといいですよ。

反復練習ノート:復習時間の大幅削減!

反復練習ノートによって、復習時間の大幅な削減に成功しました。これまでの筆者の復習スタイルは、付箋を貼ったページをあちこち読み直すといったやり方。それが「赤シートで隠してチェックするだけ」に変わったことで、1回の復習にかかる時間が “30分以上” から “たったの5分” へと激減したのです。

復習の下準備として、赤シートで隠す部分をひととおり書くには30分ほど要しましたが、一度ノートをつくったあとは復習効率が劇的に上がりました。スキマ時間での勉強にもおすすめです!

また、メモリーツリーを作成したおかげか、語句チェックの際に自然と関連知識を思い出す癖がつきました。「(左列の)語句を隠す」と「(右列の)説明を隠す」の両方を行なったことで、より広く関連知識を記憶できた感じがします。

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結論:「反復練習×メモリーツリー」の組み合わせは最強だった!

もともと、テキストの内容を効率よく暗記するために実践したわけですが、じつはそれ以上の効果も感じられました。学びたいテーマについての情報感度が抜群に上がったのです。

たとえば、インターネットの記事や別の本を読んでいるときにも「これはいま勉強していることと関係がありそうだ!」という情報を発見しやすくなりました。ある事柄を意識すると関連情報が自然と目に入りやすくなる「カラーバス効果」が働いたためだと、筆者は分析しています。

結果、

反復練習とメモリーツリーで、知識の枝葉が増える
→記憶が強固になる
→日常的に記憶が思い出され、追加情報も無理なくインプットできる
→さらに枝葉が増え、記憶がより強固になる

という好循環が生まれました。これは、どちらか一方のノート術だけでは体験しえない効果だったと確信しています。

情報を追加していくことで、反復練習ノートとメモリーツリーノートをさらに質の高い勉強ノートにできます。どちらのノートも、余白をできるだけ空けておくほか、適宜新しいものにつくり替えるのもいいかもしれません。

***
本を読んで知識をつけたい人にも、試験に合格したい人にも、どちらにもおすすめできる勉強法です。ぜひ試してみてください!

(参考)
池谷裕二(2011),『受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法』, 新潮社.
樺沢紫苑(2019),『学び効率が最大化するインプット大全』, サンクチュアリ出版.
大学受験パスナビ|《吉田たかよし先生が解説!》記憶と思考の脳科学的メカニズム
片山湧斗(2021),『東大生のノートから学ぶ 天才の思考回路をコピーする方法』, 日本能率協会マネジメントセンター.
メリッサ・マルデ著, メリージーン・アレン著, クルト=アレクサンダー・ツェラー著, 小野ひとみ監訳, 若松惠子訳, 森薫訳(2010),『歌手ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと』, 春秋社.
アイデア総研|人生が変わるかも!?ほんとにスゴいカラーバス効果

【ライタープロフィール】
月島修平
大学では芸術分野での表現研究を専攻。演劇・映画・身体表現関連の読書経験が豊富。幅広い分野における数多くのリサーチ・執筆実績をもち、なかでも勉強・仕事に役立つノート術や、紙1枚を利用した記録術、アイデア発想法などを自ら実践して報告する記事を得意としている。

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