「口数の少ない人」が交渉で成功するための “たった3つ” の秘訣

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取引先への営業やクライアントとの打ち合わせなど、ビジネスの場において交渉をする機会は多々ありますよね。口数が多い人や緊張しづらいタイプの人に比べて、寡黙な人や物怖じしやすい人は、交渉の場で自分の意見をうまく伝えられなかった経験も多いのではないでしょうか。

今回は、寡黙な人、物怖じしやすい人が交渉で成功するための秘訣を3つ伝えましょう。 

1. 「身だしなみ」に気をつかうのは基本中の基本

当然のことかもしれませんが、整った身だしなみは、相手に好印象を与えやすいもの。アメリカの心理学者アルバート・メラビアン氏が提唱した「メラビアンの法則」によると、話し手が聞き手に影響を与える内容は、言語情報(話の内容)が7%聴覚情報(話し方や声の大きさ)が38%であるのに対し、視覚情報(外見や仕草)が55%であるそう。

つまり、人間が他人を判断する最大の要因は見た目なのです。交渉の場でどんなに饒舌に語ったとしても、身だしなみが悪ければ、相手から誤解される可能性もあります。逆に、口数が少なくても、身だしなみさえ整っていれば、相手は好印象を持ち、その結果交渉がスムーズに進むかもしれません。

清潔感のある服装以外にも、髪型を整える、爪は切りそろえる、装飾品は過度に身につけない、といったことも大切です。また、姿勢の良さ、礼儀正しい挨拶なども、相手に良い印象を与える効果があります。

身だしなみに気をつかうことは、交渉において大きなアドバンテージとなるのです。

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2.「初頭効果」と「親近効果」で印象アップ

交渉に限らず、人と接する際は「第一印象が大事」というのは、よく聞く話です。数年前から、自分の印象を良くするための2つの心理効果がビジネス界で注目されています。

ポーランドの心理学者ソロモン・アッシュ氏が行なった実験によると、「明るい、素直、頼もしい、用心深い、短気、嫉妬深い」とポジティブな内容の形容詞から順番に並べたA群と、「嫉妬深い、短気、用心深い、頼もしい、素直、明るい」とネガティブな内容の形容詞から順番に並べたB群を複数の人に見せたところ、書かれている項目自体は同じであるにもかかわらず、A群に好印象を抱いたと答えた人が多かったそうです。

この「最初のイメージによって印象が決まる」という現象は、心理学用語で「初頭効果」と呼ばれます。 

たとえば、初めて交渉の場に向かう際には、姿勢や表情、声のトーンに注意し、相手にとってポジティブな第一印象を与えるように努めてください。また、交渉において最も強調したい強みや、相手にとって有利な情報を最初に述べることも大切です。今後も良い印象を与えたまま取引ができる可能性が高まります。

もうひとつ、アメリカの心理学者N・H・アンダーソンが提唱した「親近効果」というのもあります。これは、「最後に与えられた情報で印象が決定されやすい」というもの。 

たとえば、Aという人物に対する情報を相手に伝えるとき、「Aは信頼できるが気難しい」と伝えるのと「Aは気難しいが信頼できる」と伝えるのでは、後者のほうが相手に好印象を与える可能性が高いのです。

こちらも、交渉術に応用できます。たとえば、自分が抱えている案件の延期をクライアントに伝える際は「今回の仕事は非常に完成度が高いのですが、完成までに時間がかかっています」とネガティブな情報を最後に述べるのではなく「今回の仕事は完成までに時間がかかっていますが、非常に完成度が高いです」とポジティブな情報を最後に述べるのです。そうすれば、クライアント側が納得する可能性が高まるでしょう。

言葉数が多くなくても、情報を伝える順序を意識するだけで、交渉がはかどるようになりますよ。

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3.「BATNA」で有利な立場に

明治大学研究家専任教授の松浦正浩氏は、交渉の際は「BATNA」(Best Alternative to aNegotiated Agreement)と呼ばれる問題発生時の代替え案を用意するのが鉄則と語ります。極端に言ってしまえば、ある企業と交渉が決裂したとしても、代わりに担当してくれる企業が存在すれば問題ありませんよね。BATNAがあれば余裕を持って交渉に挑めるのです。

また、相手のBATNAの有無を把握すると交渉を優位に進めることが可能です。たとえば、何らかの価格交渉をしなければならなくなったとしましょう。見積もり額を示した際に、相手先が言い値よりも大幅に安い金額を提示してきた場合は、BATNAがあると予測できるでしょう。逆に相手が言い値とほぼ同等の金額を提示してきたときは、BATNAがないと推測できるのです。 

相手に有効なBATNAがないとわかれば、自分が優位な立場で交渉を進めることができます。また、「この技術は弊社だけのものです」などと代替がないことを強調すれば、相手が受け入れる可能性はさらに高まるでしょう。

事前になるべく多くの選択肢を用意しておけば、物怖じしやすい人でも余裕をもって交渉に挑めますよ。

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交渉を成功させるためには、無理に口数を増やしたり毅然とした態度を取る必要はありません。身だしなみや話し方に気をつけ、事前の準備をすることが肝心なのです!

(参考)
STUDY HACKER|「口下手で寡黙」なのになぜか評価が高い人は何をしているのか?
テンプスタッフ|仕事とキャリアのプチまなび:身だしなみ
ferret|情報を伝える順が大事!「初頭効果」と「親近効果」を使い分けよう
神岡真司(2016),ヤバすぎる心理術,ワニブックス.
松浦正浩(2018),『おとしどころの見つけ方 世界一やさしい交渉学入門』,クロスメディア・パブリッシング.
THE21ONLINE|気弱な人でも勝てる「得する交渉術」

【ライタープロフィール】
亀谷哲弘
大学卒業後、一般企業に就職するも執筆業に携わりたいという夢を捨てきれず、ライター養成所で学ぶ。養成所卒業後にライター活動を開始し、スポーツ、エンタメ、政治に関する書籍を刊行。今後は書籍執筆で学んだスキルをWEBで活用することを目標としている。

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