読書が好きなあなた、アプリは活用していますか? 読書生活を豊かにしてくれるスマホアプリには、大きく分けて2種類あります。
- 電子書籍が読める「読書アプリ」
- 読んだ本・読みたい本を記録できる「読書管理アプリ」
iPadやAndroidスマホで使えるこのような有料・無料アプリは無数にありますよね。「どれを選べばいいんだろう……」と迷ってしまいます。
そこで筆者が、17個のアプリを比較してみました。アプリを選ぶときのポイントを挙げたうえで、おすすめをご紹介します。なお、掲載情報はすべて2021年11月時点のものです。
読書アプリを選ぶポイント
まずは、電子書籍が読める「読書アプリ」(電子書籍リーダー)について解説します。 アプリを選ぶとき、どんな点を見ればいいのでしょうか?
マーカー機能
そのアプリには、文章にラインを引ける「マーカー機能」はありますか? マーカー機能があれば、紙の本に近い感覚で読書できます。
アプリによっては、マーキングした文章を一覧表示してくれる機能も。本の内容を振り返るとき、とても便利です。
メモ機能
本を読むとき、ページの空欄に書き込みしていませんか? 「メモ機能」を備えた読書アプリなら、電子書籍にも書き込みできます。
電子書籍でのメモ機能は、選択した文章に対し入力するのが基本。「吾輩は猫である。名前はまだない。」という文章についてメモしたくなったら、その文章を選択し「メモ機能」をタップすれば、入力画面に遷移します。
紙の本と違ってスペースの制限がなく、無制限に書き込めるのが、電子書籍ならではのメリットです。「余白に書き込みすぎて、ごちゃごちゃしちゃった……」という心配もありませんよ。
辞書機能
多くの読書アプリには、単語の意味を調べる「辞書機能」が搭載されています。
「この “シンギュラリティ” ってどういう意味だろ?」と思ったら、その箇所を選択し「辞書」のボタンを押すだけ。「Google検索」や「Wikipedia検索」など、インターネットと連携した検索機能を備えるアプリもあります。
外国語に対応するアプリも多く、日本語を外国語に、外国語を別の言語に訳すことも可能です。電子書籍で語学を勉強したい場合は特に、辞書機能が充実しているかもチェックしましょう。
書籍内検索機能
特定の単語が何ページに登場するか一括検索できる「書籍内検索機能」。こんな場面で便利です。
- キーワードについて著者がどう述べていたか、ページをさかのぼって調べたい
- 小説の人物が、以前どのシーンで登場したか振り返りたい
「 “シンギュラリティ” って前のページでどう使われていたっけ?」と気になったら、文中の「シンギュラリティ」を選択して「書籍内検索」をタップ。「シンギュラリティ」を含むページが一覧表示され、目的のページへ瞬時にたどり着けます。
書籍内検索は、紙の本では実現しえない便利機能です。慣れないジャンルや難解な内容だと、特に大活躍するでしょう。
カテゴリ分け機能
購入した電子書籍を整理するには「カテゴリ分け機能」があると便利です。仕事術、経営学、歴史、ミステリーなどと分類すれば、「タイトルは忘れたけど、あのミステリーが読みたいな」というとき、すぐ見つかります。
アプリ内購入機能
一部のアプリでは、アプリ内で電子書籍を購入できません。あらかじめWebサイトで買っておく必要があります。月に何十冊も購入する人にとっては煩雑です。
スマートフォンとアプリの相性が悪く、アプリ内購入が不可能な場合も。たとえば、「Kindle」というアプリはAndroidだと問題なく使えるものの、iPhoneではアプリ内購入が制限されます。
あなたのスマートフォンはiOSですか? Androidですか? OSと相性のいいアプリを選びましょう。
読み放題プラン
料金を払うことで対象書籍を好きなだけ読める「読み放題プラン」のあるアプリも。「Kindle」の場合、月額980円の「Kindle Unlimited」に加入すると200万冊以上が読み放題です。
「定番の本はひととおりチェックしておきたいし、いろんなジャンルが読みたいな」という人は、読み放題プランがあるアプリを選びましょう。
デザイン
画面の見やすさ・使いやすさも、アプリによって異なります。
- レイアウトが見やすいか
- スムーズにページをめくれるか
- 各機能は使いやすいか
- 蔵書の一覧画面が見やすいか
- 見た目が好みか
……などを見つつ、読書アプリを選びましょう。
おすすめ読書アプリはどれ? 10個比較してみた
いよいよ、主な読書アプリを10個ご紹介します。実際に筆者が使い、比較してみました。なお、マンガに特化したアプリは対象外としています。
Kindle | Apple | 楽天 | ブックパス | dブック | Kinoppy | honto | i読書 | フライヤー | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
マーカー | ○ | ○ | ○ | ○ | △ | × | ◎ | ○ | × | × |
メモ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | × | ○ |
辞書・翻訳 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ | ○ | × |
書籍内検索 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × |
カテゴリ分け | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × | × |
アプリ内購入 | △ | ○ | △ | △ | × | △ | ○ | × | × | - |
読み放題プラン | ○ | × | × | × | ○ | × | × | × | - | ○ |
デザイン | ○ | ○ | ◎ | ○ | ○ | ○ | △ | ○ | △ | ◎ |
王道の「Kindle」
「Kindle」(iOS/Android)は、Amazonが提供する最も有名な電子書籍アプリ。ネームバリューを裏切らず、電子書籍アプリに期待される機能がひととおりそろっています。
- 文章にマーキングする「ハイライト」
- 感想などを書き残す「メモ」
- ハイライトやメモをまとめて表示する「マイノート」
- 本文中の語句を調べる「辞書」「翻訳」「サーチ」
- 本をグループ分けする「コレクション」
- 新しい本を探せる「カタログ」
- 月額980円の読み放題プラン(Kindle Unlimited)
……など充実しており、「あの機能はないのかな?」と不足を感じることはまずありません。読み放題プラン「Kindle Unlimited」では200万冊以上も読むことが可能です。
特筆すべきは「マイノート」機能。「ハイライト」や「メモ」をつけた文章をまとめて表示してくれ、要点を振り返りたいときにたいへん便利です。同様の機能は一部のアプリにしか搭載されていません。
「Kindle」はスマートフォンでも使用できますが、快適に読書を楽しみたいなら「Kindle Paperwhite」などの専用端末をおすすめします。
マーカー | ○ |
---|---|
メモ | ○ |
辞書・翻訳 | ○ |
書籍内検索 | ○ |
カテゴリ分け | ○ |
アプリ内購入 | △(iOS不可) |
読み放題プラン | 月額980円 |
デザイン | ○ |
強み | ハイライト・メモが自動集約される「マイノート」機能。読み放題対象が豊富 |
弱み | iOSでアプリ内購入不可 |
iPhoneなら「Apple Books」
iPhoneを開発したAppleによる「Apple Books」(iOS)。ハイライト、メモ、辞書など基本機能を搭載した、使いやすい読書アプリです。
「Apple Books」の強みは、電子書籍を購入する「ブックストア」のページ。以下のように、独自性の高いレコメンドがあります。
- 歴代ベストセラーからのセレクション
- 専属エディターによる「エディターのおすすめ」
- 期間限定セール
「普段とは違うものを読みたいな」という方も、さまざまな切り口から本に出会えますよ。文中の言葉を「Wikipedia」で調べられる「Wikipedia検索」も強みです。
ただし、「Apple Books」はiOSでしかリリースされていないため、Android端末では利用できません。iPhoneやiPadなど、Appleのデバイスで使えます。
マーカー | ○ |
---|---|
メモ | ○ |
辞書・翻訳 | ○ |
書籍内検索 | ○ |
カテゴリ分け | ○ |
アプリ内購入 | ○ |
読み放題プラン | × |
デザイン | ○ |
強み | エディターのレコメンド、期間ごとのセールや特集など、本との出会いが豊富。「Wikipedia検索」 |
弱み | iOSでしか利用できない |
シンプルさ重視「Google Play ブックス」
「Google Play ブックス」(iOS/Android)は、Googleの電子書籍アプリです。「Kindle」や「Apple Books」に比べ、画面がシンプルで使いやすい印象。
「しおり」や「メモ」をつけた部分を一覧表示でき、本の内容を振り返りやすい設計です。ただ、マンガの紹介・販売にウェイトが置かれているため、一般書籍を見つけにくいのが難点と言えます。
それ以外では「Kindle」「Apple Books」との機能的な違いはほぼありません。Androidユーザーなら、「Kindle」と「Google Play ブックス」のどちらでも大差ないでしょう。
マーカー | ○ |
---|---|
メモ | ○ |
辞書・翻訳 | ○ |
書籍内検索 | ○ |
カテゴリ分け | ○ |
アプリ内購入 | △(iOS不可) |
読み放題プラン | × |
デザイン | ◎ |
強み | 「Google Play」と連携可能。しおり・メモをつけた箇所の一覧表示 |
弱み | マンガに重点が置かれ、一般書籍を見つけにくい |
楽天ポイントが貯まる「楽天Kobo」
通販大手・楽天がリリースした「楽天Kobo」(iOS/Android)。洋書を含め約400万冊という豊富なラインナップから購入・閲覧できます。マーカー、メモ、辞書など基本機能が搭載され、読書アプリとして十分です。
「楽天Kobo」ならではの強みは、楽天のアプリであること。購入時に楽天ポイントが貯まるほか、楽天ポイントを使って購入することもできます。「楽天はよく使うよ!」というヘビーユーザーにとってメリットが多いと言えるでしょう。
マーカー | ○ |
---|---|
メモ | ○ |
辞書・翻訳 | ○ |
書籍内検索 | ○ |
カテゴリ分け | ○ |
アプリ内購入 | △(iOS不可) |
読み放題プラン | × |
デザイン | ○ |
強み | 楽天ポイントが貯まる。割引・還元が多い |
弱み | iOSでアプリ内購入不可 |
読み放題プランが安い「ブックパス」
「ブックパス」(iOS/Android)は、通信大手KDDIの読書アプリ。購入のたびにPontaポイントが貯まるため、Ponta会員やauユーザーにとって価値の高いアプリです。
「ブックパス」ならではのメリットは、2種類の読み放題プラン。
- マガジンコース:雑誌300誌以上(月額418円)
- 総合コース:雑誌+一般書籍(月額618円)
「Kindle」より安いので、コストパフォーマンスを重視するなら「ブックパス」を使ってみましょう。ただし、
- ハイライトが1色しかない
- メモ機能がない
- アプリ内で購入できない
……など、機能面では弱い点があります。
マーカー | △ |
---|---|
メモ | × |
辞書・翻訳 | ○ |
書籍内検索 | ○ |
カテゴリ分け | ○ |
アプリ内購入 | × |
読み放題プラン | 月額618円 |
デザイン | ○ |
強み | auと連携可能。Pontaポイントが貯まる。2種類の読み放題コース |
弱み | ハイライトが1色のみ。メモ機能がない。アプリ内購入不可 |
dポイントが貯まる「dブック」
NTTドコモの「dブック」(iOS/Android)。購入時にdポイントが貯まるのが最大のメリットです。
マーカー、メモ、辞書などの基本機能はほとんどありません。「dポイントを貯めるのが好き!」という方を除き、メリットは少ないと言えるでしょう。
マーカー | × |
---|---|
メモ | × |
辞書・翻訳 | × |
書籍内検索 | ○ |
カテゴリ分け | × |
アプリ内購入 | △(ドコモのAndroidユーザーのみ可能) |
読み放題プラン | × |
デザイン | ○ |
強み | dポイントが貯まる |
弱み | 機能が少ない。非ドコモユーザー・iOSユーザーはアプリ内購入不可 |
紀伊国屋会員には「Kinoppy」
大手書店・紀伊国屋の「Kinoppy」(iOS/Android)。購入時に紀伊國屋ポイントが貯まるため、紀伊国屋でよく本を買う方や「Kinokuniya Point カード」をおもちの方はお得です。
マーカーの色や種類が豊富なのもメリット。赤・青・緑・黄・ピンク・紫の6色がそろうほか、蛍光ペンのような「マーカー」とボールペンのような「ライン」から選べます。ほかにも、
- 文中の言葉を「Wikipedia」で検索できる
- iOSとAndroidのどちらでもアプリ内購入が可能(今回紹介したアプリで唯一)
……と、メリットの多い優秀なアプリです。しいて欠点を挙げるなら、画面内の要素が多いため、少し見づらいことでしょうか。
マーカー | ◎ |
---|---|
メモ | ○ |
辞書・翻訳 | ○ |
書籍内検索 | ○ |
カテゴリ分け | ○ |
アプリ内購入 | ○ |
読み放題プラン | × |
デザイン | △ |
強み | 紀伊国屋ポイントが貯まる。マーカーの種類が豊富。Wikipedia検索機能 |
弱み | 画面内の要素が多く、やや見づらい |
丸善・ジュンク堂・文教堂ユーザーには「honto」
「honto」(iOS/Android)は、丸善やジュンク堂、文教堂など多くの書店と提携したオンライン書店サービス。これら書店の共通ポイントカード「hontoカード」をおもちなら、「honto」で電子書籍を購入するとお得です。
ただ、一部の無料本を除きアプリ内購入ができません。日本全国、膨大な数の書店と提携しているのは強みですが、機能面ではやや劣る印象です。
マーカー | ○ |
---|---|
メモ | ○ |
辞書・翻訳 | ○ |
書籍内検索 | ○ |
カテゴリ分け | ○ |
アプリ内購入 | × |
読み放題プラン | × |
デザイン | ○ |
強み | hontoポイントが貯まる |
弱み | アプリ内購入不可 |
無料で古典に親しむ「i読書」
古典作品を無料で読めるのが「i読書」(iOS)。著作権切れの古典を提供するWebサイト「青空文庫」のアプリ版です。
- 福沢諭吉(思想家)
- マハトマ・ガンジー(政治指導者)
- ルネ・デカルト(哲学者)
- 芥川龍之介(作家)
- 石川啄木(歌人)
などなど、国内外さまざまなジャンルの著者による名作を読めます。ほかのアプリのような便利機能はないものの、「新しい本より古典に親しみたいな」という方は、ぜひダウンロードしてみてください。
Android版はないため、Androidユーザーは「青空文庫ビューア Ad」(Android)など別のアプリを使いましょう。
マーカー | × |
---|---|
メモ | × |
辞書・翻訳 | ○ |
書籍内検索 | × |
カテゴリ分け | × |
アプリ内購入 | × |
読み放題プラン | - |
デザイン | △ |
強み | 著作権切れの古典を無料で読める |
弱み | 機能が少ない |
本の要約なら「フライヤー」
最後は「フライヤー」(iOS/Android)。プロのライターが書いた「本の要約」を読める、少し変わったアプリです。正確には電子書籍リーダーではありませんが、読書に役立つためご紹介します。
「フライヤー」では、名著・ベストセラーを10分程度で読めるよう要約した記事が2,600件以上配信されています。たとえば、
- スティーブン・R・コヴィー『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』
- アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』
- チャールズ・ダーウィン『種の起源』
……など。新しい要約は、いまも追加され続けています。ジャンルはビジネス書や実用書が中心です。
要約は何重にもチェックされ、出版元に確認をとったうえで配信されているため、高品質なものばかり。好きなだけ読むには月額2,200円のゴールドプランに登録する必要がありますが、それだけのお金を払っても十分にもとをとれる良質なサービスです。
要約を読んで気に入ったら、アプリ内から「Amazon」「楽天」「honto」などのWebサイトに飛び書籍を購入することも可能。15分程度で要約を読み上げてくれる機能もあるので、「読む」だけでなく「聴く」インプットもできます。
読書代わりにザッと本の内容をつかむも良し、次に買う本を探す手がかりにするも良し。「本を読んで学ぶぞ!」という意欲のあるすべての人におすすめできる読書アプリです。
マーカー | × |
---|---|
メモ | ○ |
辞書・翻訳 | × |
書籍内検索 | × |
カテゴリ分け | × |
アプリ内購入 | - |
読み放題プラン | 月額2,200円 |
デザイン | ◎ |
強み | 良質な要約を読める |
弱み | 個別購入不可。マーカー、辞書、翻訳などの機能がない |
10個のアプリを紹介しました。「アプリで読書してみよう」と思ったら、ご紹介したなかから選ぶことをおすすめします。
読書管理アプリを選ぶポイント
続いて、本の情報や感想などを記録できる「読書管理アプリ」について解説します。主な用途は以下の5つ。
- 読んだ/読みたい本の情報を登録する
- 感想をメモする
- 実績を振り返る
- 本の情報を集める
- ほかのユーザーと交流する
「読書管理アプリを始めよう!」と思い立ったら、これらの用途に役立つ機能に加え、デザインと料金に注目しましょう。この7点について詳しく解説します。
バーコード読み取り機能
まず注目したいのが、本を手軽に登録できるかどうか。タイトルや著者などの情報を登録するプロセスが複雑だと、「まずは全部入力しなきゃいけないのか……」と感じ、アプリを使い続けるのが面倒になってしまいます。
重要なのは、「バーコード読み取り機能」の有無。本の裏表紙にあるバーコードをスマートフォンのカメラで読み取るだけで、書誌情報が登録されます。この機能があれば、本を一瞬で登録できるのです。
バーコード読み取り機能がないと、本の情報をいちいち入力する手間がかかります。バーコード読み取り機能の有無は、読書管理アプリを選ぶうえで重要なポイントです。
メモ機能
たいていの読書管理アプリには、感想などをメモする機能があります。何をどうメモできるかは千差万別。自由に書ける場合も、項目が細かく分かれている場合もあります。
画像を添付できるかどうかや、字数制限も異なります。あなたに合ったアプリを選びましょう。
カテゴリ分け機能
読み終わった本を振り返るには、カテゴリ分けの機能があると便利です。読書アプリと同様、仕事術、経営学、歴史、ミステリーなど自分で設定したカテゴリーごとに本を分類します。
実績集計機能
ほとんどの読書管理アプリは、読書の実績を集計しグラフ化してくれます。集計の仕方はアプリによってまちまち。
- 月ごと
- 累計
- 著者別
- ページ数
……などさまざまです。ざっくりでいいのか、細かく知りたいかで決めましょう。
SNS要素
アプリによっては、SNSのようにほかのユーザーと交流できます。感想をシェアしたり、ほかの人の感想を読んだりできますよ。
交流が生まれれば、「私ももっと読んで感想を書こう!」と読書の励みになります。本の情報を交換できるのもメリットです。
ニュース機能
本の最新情報を提供してくれる「ニュース機能」を搭載したアプリもあります。
- 新刊
- 人気ランキング
- ユーザー間で話題の本
- 運営のおすすめ
……など、情報の切り口はさまざま。「見たこともない本を読みたいな」「どんな本がはやってるのかな?」と気になる方は、ニュース機能もチェックしましょう。
デザイン
読書管理アプリでも、見やすさ・使いやすさは重要です。
- 本棚が見やすいか
- メモ機能は使いやすいか
- 実績が見やすいか
- その他の機能は使いやすいか
- デザインが好みか
……などを見つつ、使うアプリを選びましょう。
料金
アプリを選ぶうえでは、料金も考慮しましょう。無料か有料か、有料ならいくらなのか、料金に合ったサービスなのか……お財布と相談しつつチェックしてください。
これから紹介する読書管理アプリはすべて無料で使えますが、課金することで機能を拡張できるものもあります。
おすすめ読書管理アプリはどれ? 7個比較してみた
それではいよいよ、7つの読書管理アプリの特徴を比較していきます。
ブクログ | 読書メーター | Readee | ビブリア | Yomoo | BookClip | taknal | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
バーコード読み取り | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
メモ | ◎ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | △ |
カテゴリ分け | ○ | △ | ○ | × | × | ○ | × |
実績集計 | ○ | ◎ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
SNS | ○ | ◎ | ○ | × | × | × | △ |
ニュース | ○ | ○ | △ | × | × | × | × |
使いやすさ | ○ | △ | ○ | ◎ | ◎ | ○ | ○ |
料金 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
バランスのとれた王道「ブクログ」
読書管理アプリの王道といえば「ブクログ」(iOS/Android)。機能が充実しているのはもちろん、スッキリ見やすいデザインで、とても優秀です。2004年に始まった老舗のサービスで、150万人以上の会員数を誇っています。
「ブクログ」の主な機能は以下のとおり。読書管理に欠かせない機能が網羅されています。
- バーコード読み取りで瞬時に登録
- 読書メモ
- カテゴリ&タグで分類
- 読んだ本・感想の数を集計
- ユーザーどうしの交流
- 新刊や話題の本の情報を通知
メモのフォーマットだけでも3種類あります。
- ほかのユーザーに公開する「評価と感想」
- 自分用の「読書メモ」
- 気に入った「フレーズ」の抜粋
ほかのユーザーとおすすめを紹介し合う「ブックリスト」機能など、新しい本と出会いやすい機能も満載です。
メモ欄に画像をアップロードできないのは玉にキズですが、目立った欠点はありません。「こんなにアプリがあるけど、どれがいいのかな?」という方には、「ブクログ」を強くおすすめします。
バーコード読み取り | ○ |
---|---|
メモ | ◎ |
カテゴリ分け | ○ |
実績集計 | ○ |
SNS | ○ |
ニュース | ○ |
使いやすさ | ○ |
料金 | 無料 |
強み | すべての機能がバランスよく充実 |
弱み | メモに画像を添付できない |
交流重視「読書メーター」
2008年にオープンした「読書メーター」(iOS/Android)。累計2,800万件以上の感想が投稿されており、「ブクログ」に劣らぬ盛り上がりを見せています。
「読書メーター」の機能は「ブクログ」より細かい印象です。たとえば……
- 読書実績の振り返り:
冊数、月ごとのページ数、日ごとのページ数、著者の割合など - SNS機能:
ほかの人のレビューが読める「話題」、読書と関係ない「みんなのつぶやき」など
よく言えば「機能が多彩できめ細やか」、悪く言えば「機能が多くて複雑」といったところ。細かい機能やSNS性が好みなら「読書メーター」、シンプルに使いたいなら「ブクログ」がおすすめです。
なお、感想は非公開にできず、全体に公開されます。交流を重視するアプリなのです。
バーコード読み取り | ○ |
---|---|
メモ | ○ |
カテゴリ分け | △ |
実績集計 | ◎ |
SNS | ◎ |
ニュース | ○ |
使いやすさ | △ |
料金 | 無料 |
強み | 機能が多彩で細やか |
弱み | 機能が多く見づらい。感想を非公開にできない。カテゴリ分けしにくい |
楽天ユーザーなら「Readee」
楽天の「Readee」(iOS/Android)でも、本の記録・管理ができます。基本的な設計は、ほかのアプリとほぼ同じです。
- 読書メモ:ほかのユーザーに公開される「MYレビュー」/非公開の「メモ」
- 読んだ冊数:月ごと/累計
特筆すべきは、「楽天Kobo」や「楽天ブックス」と連携できること。これらのサービスで購入した書籍は自動で「Readee」に登録されるため、登録作業が必要ありません。楽天のサービスを日常使いしているなら、「Readee」がおすすめです。
マイナスポイントとしては、ニュースとして表示される情報が少ないことでしょうか。目立った欠点はないものの、ほかに比べ機能が少ない印象です。
バーコード読み取り | ○ |
---|---|
メモ | ○ |
カテゴリ分け | ○ |
実績集計 | ○ |
SNS | ○ |
ニュース | △ |
使いやすさ | ○ |
料金 | 無料 |
強み | 「楽天Kobo」「楽天ブックス」と連携 |
弱み | 機能が少なめ。ニュースが少ない |
シンプルさを求める「読書管理ビブリア」
「読書管理ビブリア」(iOS)は、このうえなくシンプルな読書管理アプリです。搭載機能は3つだけ。
- 本の登録
- 読書実績の振り返り
- メモや感想の記入
SNS機能もなし、ニュース機能もなし。必要最低限の機能に絞られています。「洗濯スタート」ボタンしかない洗濯機のような、いさぎよい設計です。
シンプルさゆえ、見やすさ・使いやすさは群を抜いています。デザインが洗練されており、どう操作すればいいか一目瞭然。
「読書記録の機能しかいらないんだけど?」「すぐ使いこなせるアプリがいいな」という方には、「読書管理ビブリア」が最適です。
バーコード読み取り | ○ |
---|---|
メモ | ○ |
カテゴリ分け | × |
実績集計 | ○ |
SNS | × |
ニュース | × |
使いやすさ | ◎ |
料金 | 無料 |
強み | シンプルで見やすく使いやすい |
弱み | 機能が少ない。Android版がない |
デザイン重視「美しい読書管理 Yomoo」
「美しい読書管理 Yomoo」(iOS/Android)は、美しさにとことんこだわったアプリ。淡いグレーを基調としたシンプルなデザインで、ほかとは一線を画すスタイリッシュさです。
機能は必要最低限。SNSやニュースの機能がない代わり、画面がスッキリ洗練され、容易に使いこなせます。
「オシャレなアプリでモチベーションを上げたい!」「無印良品みたいな、シンプルで落ち着いたデザインが好きだな」という方には、「美しい読書管理 Yomoo」を強くおすすめします。
バーコード読み取り | ○ |
---|---|
メモ | ○ |
カテゴリ分け | × |
実績集計 | ○ |
SNS | × |
ニュース | × |
使いやすさ | ◎ |
料金 | 無料(有料版は980円の買い切り) |
強み | オシャレなデザイン |
弱み | 機能が少ない |
文章を抜粋したいなら「BookClip」
「BookClip」(iOS)は、本の文章を保存・管理することに特化したアプリ。「スマートフォンのカメラで撮影した文章をテキストデータ化」という珍しい機能が特徴です。
『吾輩は猫である』の132ページに気に入った文章を見つけたとします。そのページを撮影するだけで文章がテキストデータ化されるため、自由にコピー&ペーストしたり、書き換えたりできるのです。
アプリ名が示すとおり、本で出会ったお気に入りの文章をクリップできるというわけ。読書ノートをつくるのにも便利です。
バーコード読み取り、読書実績の集計、カテゴリ分けなど、読書管理アプリに必要な機能もしっかり搭載しています。
バーコード読み取り | ○ |
---|---|
メモ | ○ |
カテゴリ分け | ○ |
実績集計 | ○ |
SNS | × |
ニュース | × |
使いやすさ | ○ |
料金 | 無料 |
強み | 本文をテキストデータ化 |
弱み | 機能が少ない。Android版がない |
新たな出会いを求める人に「taknal」
「taknal」(iOS/Android)は、すれ違ったユーザーどうしがおすすめ本の情報を交換できる、ユニークなアプリ。アプリ名の由来は「読み “たくなる” 」です。
スマートフォンの位置情報を利用し、近くにいるユーザーが「おすすめ」として登録している本の情報をキャッチします。筆者がアプリを起動したところ、たくさんのユーザーとマッチングでき、多くの新しい本と出会えました。
あなたもおすすめしたい本を登録し、みんなに紹介してみませんか? バーコード読み取り機能はないため、手動で入力します。
なお、メモ欄の制限は100字以内。読んだ本を記録するというより、ほかの人に紹介したり新しい本を探したりするツールだと言えます。
機能は少ないものの、インターネット検索やAIのレコメンドにはない「偶然の出会い」をもたらしてくれるので、本好きにはたいへんおすすめのアプリです。
バーコード読み取り | × |
---|---|
メモ | △(100字まで) |
カテゴリ分け | × |
実績集計 | × |
SNS | △ |
ニュース | × |
使いやすさ | ○ |
料金 | 無料 |
強み | 本との「偶然の出会い」が生まれる |
弱み | 機能が少ない。100字までしかメモできない |
読書記録や本との出会いをサポートしてくれるアプリを7つ紹介しました。あなたの読書生活を豊かにしてくれそうなアプリは見つかりましたか?
***
どの読書アプリが使いやすいかは、好みや読書スタイルで異なります。ご紹介したポイントをふまえ、「私にはこれがぴったり!」と思える読書アプリを見つけてみてください。
読書メーター|つぶやき
ITmedia eBook USER|「読書メーター」の感想・レビューが1000万件突破
#SHIFT|19万人以上が利用 本の要約サービス「フライヤー」が簡単にまねされない理由
佐藤舜
大学で哲学を専攻し、人文科学系の読書経験が豊富。特に心理学や脳科学分野での執筆を得意としており、200本以上の執筆実績をもつ。幅広いリサーチ経験から記憶術・文章術のノウハウを獲得。「読者の知的好奇心を刺激できるライター」をモットーに、教養を広げるよう努めている。