10分あったら何をする? 普通の人「だらだらスマホ」、東大生「思考法ゲーム」

短時間でできるスキルアップ術01

1日の中で「スキマ時間」は確実に存在します。朝起きてから会社や学校に行くまでの時間、電車やバスに乗っている時間、夜寝る前の時間――そんな、ほんの数分や数十分程度の時間を、みなさんはどのように使っていますか?

「どうせ数分(数十分)だから」と、スマートフォンを操作したりテレビを観たりといった “無為な過ごし方” をするのはもったいないですよ。短時間でもスキルアップにつなげられる良い習慣があるのです。3つご紹介しましょう。

1. “すてきな声” を身につけられる「1分間朗読」

家族や友だちと会話したり、仕事のときに同僚とコミュニケーションをとったり――「声」を出さない日はまずありませんよね。では、その声を磨く習慣を持っている人は、はたしてどれくらいいるでしょうか。「人の印象の4割は声で決まる」という説もあるとおり(※アメリカの心理学者アルバート・メラビアン氏が実験で導いた)、声を改善することで自分の印象をぐっと改善させられるかもしれませんよ。

現在はフリーアナウンサーとして活躍する魚住りえ氏は、「1日1分朗読」をすれば誰でも良い声を出せるようになるとすすめます。ここで注意したいのは、「朗読」は「音読」とはまた違うということ。音読が単に文章を声に出す “独り言” であるのに対し、朗読は相手の存在を意識して “伝える” ものだと、魚住氏は言います。舌がよく動くようになったり口のまわりの筋肉がほぐれてきたりして自然と滑舌が良くなるのはもちろん、この “相手に伝える” という意識がプラスされることで「自然と “大きく通る声” “つやのある良い声” が出る」のだそう。

また魚住氏は、朗読の習慣をつくったことで「頭の中で考えたことがスラスラ言葉になって出てくるようになったとも語っています。文字を読んで声を出すということは当然、自分自身が発する声を耳で聞くということにもつながります。視覚情報と聴覚情報を同時にキャッチすることになるため、脳がうまい具合に活性化されるのでしょう。

声質が良くなって頭も働くようになる――こんなメリットが期待できるのであれば、ぜひやってみたいですよね。“1日1分” で良いとのことなので、朝のちょっとしたひとり時間を使うなどして、自分の好きな本を声に出して朗読してみてはいかがでしょうか。

短時間でできるスキルアップ術02

2. 東大生がすすめる「10分間思考法ゲーム」

次は、通勤通学で電車やバスに乗っていたり、どこかに出かけたりしているときに実践したい習慣です。

これから紹介する「東大式10分間思考法ゲーム」を提案しているのは、『現役東大生が教える 「ゲーム式」暗記術』や『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく東大読書』などの著書を持つ西岡壱誠氏。西岡氏によれば、賢い東大生たちには「日常の些細な事柄に疑問を持って思考する」という習慣があるのだそう。つまり、普通の人であればとうてい気にも留めないようなことに対し、あえて意識を向けて考えを巡らしているのです。

通勤通学中など外にいるとき、まずは周囲に目を配ってみてください。次に、「疑問を見つけてみよう」という意識を持ち、疑問に感じることを実際に探してみます。「この木はなんという名前なんだろう?」「どうしてこのお店は人気があるのだろう?」など。そして、スマートフォンで検索するなどし、その答えを10分間で探し出してください

時間内に答えが見つかったら成功ですが、見つからなくても悲観しなくて結構です。なぜならば、このゲームの本質は、答えを見つけることではなく「日常の些細な事柄から学ぶ姿勢」を身につけることにあるから。西岡氏は「教養の源泉」と表現していますが、こういった姿勢が知識へとつながっていったりするのです。

皆さんは、ケンタッキーフライドチキンの「カーネル・サンダース」の本名を知っていますか?「ハーランド・デーヴィッド・サンダース」です。「カーネル」というのは、彼の名前ではないのです。(中略)実は、カーネル(colonel)という言葉は、「大佐」という意味の英単語なのです。(中略)そして、このことを知っていれば、楽に「colonel」という英単語を覚えることができますよね?

(引用元:ダイヤモンド・オンライン|10分で賢くなれる! 現役東大生が実践する秘密の思考法ゲームとは

ついスマートフォンで動画視聴やゲームに興じてしまう時間を、少しでも学びに変えていきましょう。

短時間でできるスキルアップ術03

3. 昼には心身の疲れの回復に効く「パワーナップ」を

心身の調子を整え、万全の状態で仕事や勉強に取り組むには、睡眠が欠かせません。毎日充分な睡眠時間を確保するのがベストですが……それが難しそうなのであれば、昼に「パワーナップ」を実践してください。これは、米コーネル大学の社会心理学者ジェームス・マース氏が提唱した、午後の早い時間帯にとる15~30分程度の仮眠のこと。

私たちが眠っているとき、眠りが浅い状態の「レム睡眠」と、眠りが深い状態の「ノンレム睡眠」のリズムが交互に繰り返されることは、多くの人もご存じのはず。そして、入眠してから数十分程度で起きるパワーナップでは、眠りが深い「ノンレム睡眠」状態で目を覚ますことになります。

このタイミングが非常に重要なのです。カリフォルニア大学・バークレー校の神経科学者マシュー・ウォーカー氏の研究によれば、入眠後20分前後で起きると、脳内に蓄積したキャッシュメモリ(疲労など)がクリアされるとのこと。「集中力の向上」「ストレス軽減」「記憶力向上」といった効果が期待できます

ただし、30分以上眠ってしまわないように要注意。眠りの時間が長くなると、かえって目覚めがつらくなってしまいます。そこで、パワーナップ前にコーヒーや紅茶などを飲んでカフェインを摂取しておくのがおすすめです。眠気覚ましとして有名なカフェインですが、その効果が表れるのは摂取してからおよそ30分後。パワーナップを終えた頃に覚醒効果が効き始めるというわけですね。

なお、パワーナップでは横になる必要はなく、自分のデスクで座って寝るかたちでも良いとのこと。午後になるとパフォーマンスが下がるという自覚がある人は、昼休憩などのスキマ時間を使ってパワーナップに取り組んでみてください。

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ほんの数分~数十分程度のスキマ時間でも、使い方しだいでは有効活用できます。ぜひスキルアップや日々のパフォーマンス向上にお役立てください。

(参考)
プレジデント・オンライン|第一印象は声が4割! 効果絶大な「“声”の6技術」
東洋経済オンライン|「1日1分朗読」で、会話がみるみる上達する5理由
ダイヤモンド・オンライン|10分で賢くなれる! 現役東大生が実践する秘密の思考法ゲームとは
大正製薬商品情報サイト|効果的な疲労回復法『パワーナップ』とは?上手に利用して疲労回復につなげよう
e−ヘルスネット|眠りのメカニズム
日経 Good day 30+|昼寝前にはコーヒー!? 仕事の効率上げる意外なコツ

【ライタープロフィール】
亀谷哲弘
大学卒業後、一般企業に就職するも執筆業に携わりたいという夢を捨てきれず、ライター養成所で学ぶ。養成所卒業後にライター活動を開始し、スポーツ、エンタメ、政治に関する書籍を刊行。今後は書籍執筆で学んだスキルをWEBで活用することを目標としている。

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