「大目標を達成できる人」が地道にやっていること。「○○」を重ねられる人はやっぱり強かった

小さな成功の積み重ねで大きな目標達成を実現したビジネスパーソン

高く評価されている同僚と自分を必要以上に比べて、落ち込んでしまった。

成功を収めている友人を見て「自分も大きく成長したい!」と考え、スキルアップの勉強を始めたが、うまくいかず途中で諦めてしまった。

……そんな経験はないでしょうか?

もしかすると、あなたがうまくいかない理由は ”目標の大きさ” にあるかもしれません。せっかく大きな目標をもっても、達成する前に行動をやめてしまっては、成長につながらないもの。じつは大事なのは、目標を小さくすることなのです。

本記事では、小さな目標を立てて実行し「小さな成功」を積み重ねるメリットとそのコツについて、実例を交えて紹介していきます。みなさんの「大きな成長」への第一歩として、ぜひご活用ください。

【ライタープロフィール】
澤田みのり
大学では数学を専攻。卒業後はSEとしてIT企業に勤務した。仕事のパフォーマンスアップに不可欠な身体の整え方に関心が高く、働きながらピラティスの国際資格を取得。現在は国際中医師合格を目指し毎日勉強している。勉強効率を上げるため、脳科学や記憶術についても積極的に学習中。

小さな成功のメリット1.「自信・やる気につながる」

小さな成功の積み重ねによって “自分はできる” と思えるようになると、新たな課題や目標にチャレンジする自信がついていくものです。

「『自分ならやればできる』という自信を持つには、まずは1つでも構わないので『小さな成功』を経験すること」と話すのは、心理学をベースとした社会人向けスクールの、株式会社ポジティブ サイコロジーススクール代表の久世浩司氏。

大目標を細分化して、複数の小目標・中間目標を設定し、小さいけれども確かな成功を計画的に狙うのです。その積み重ねが自己効力感が増し、より大胆なゴールにチャレンジする自信となるのです。

(カギカッコ内および枠内引用元:ダイヤモンド・オンライン|まずは「小さな成功」により自信を積み重ねよう ※太字は編集部が施した)

つまり、大きな目標自体よりもそれを細分化した小さな目標を着実にこなしていくことこそ、大きな自信をもてる可能性を秘めているわけですね。

そうして経験した小さな成功によって得た自信は、やる気にもつながるものです。

というのも、産業医・精神科医の井上智介氏は以下のように述べています。

人は自信があると、「やる気」を促す脳内物質ドーパミンが分泌されます。するとモチベーションが上がって仕事がはかどり、いい結果につながります。結果が評価されると承認欲求が満たされるので、脳内ではさらにドーパミンが分泌されます。

こうして自信は好循環を生み、実績となって積み重ねられていきます。

(引用元:PRESIDENT WOMAN Online|「がんばりすぎることは人生のリスク」周囲の評価に振り回されない私になる思考法 ※太字は編集部が施した)

たとえば、仕事の幅を大きく広げるために難関資格取得にチャレンジしたいけれど、勉強時間の確保が難しい……という場合は、「毎日1問でも問題を解く」という小さな目標を定めて実践してみましょう。たとえ小さくとも「昨日もできた」「今日もできた」という成功体験が重なれば自信がつき、「明日もやろう」という意欲が高まるでしょう。

“自分にはできない” と思いながら、目標を達成することは困難なもの。小さな目標の達成を通して小さな成功を積み重ねるプロセスが自信を育み、「大きな成長」への糧となるのですね。

小さな成功体験でやる気になっている女性

小さな成功のメリット2.「よい習慣が身につく」

小さな目標とそれによる成功は、よい習慣を身につけるための足掛かりにもなりえます。

たとえば難関資格取得を目標とする場合、まずは朝の5分で参考書を読むことなどから始めてみましょう。このとき、どんなにゴールからはかけ離れているように見えても継続するのが重要です。

ラグビーワールドカップで選手として活躍し、現在は静岡ブルーレヴズCRO(クラブ・リレーションズ・オフィサー)を務める五郎丸歩氏も、「負けが続いたときにチームが進む方向を見失」わないために「本当に小さなことから積み上げてい」ったそう。さらに、「勝利と無関係に思え」ても「積み重ねが大事」だと強調しています。(カギカッコ内引用元:日経クロステック|指示に従うだけで結果は出ない 自律的な行動が勝利のカギ

前出の例で言えば、たった5分の勉強であっても、その小さな行動を毎日続けていけば、きっと勉強習慣が身につきますよね。このように、小さな成功は習慣化を促進させるのです。

注意したい点は、無理をしないこと

スタンフォード大学行動デザイン研究所創設者兼所長で行動科学者のブライアン・ジェフリー・フォッグ氏も、肉体的、精神的な痛みをともなう行動は「続かない」とし、次のように語っています。

そんな努力は、しばらくのあいだ続くことはあっても、そう長く持つことはない。無理をしても、いい習慣を身につけることはできないのだ。

(カギカッコ内および枠内引用元:ダイヤモンド・オンライン|「習慣がラクに続く人」と「続かない人」の決定的な差 ※太字は編集部が施した)

ですから、先ほどの例のように毎朝5分勉強すると決めたとしても、体調が優れない朝は休んでいいのです。そこで無理をしてしばらく寝込んでしまえば、せっかく積み上げた勉強の習慣が長く途絶えてしまう可能性も。

目標を見据えることは大切ですが、“いまの自分” を見失ってはいけませんよね。

進む方向を見失わないために団結する人々

小さな成功のメリット3.「挫折しない」

目標が大きすぎるあまり、目標に近づいている実感が湧かずに挫折した経験はありませんか? 「TOEICで高得点をとりたいから、毎日1時間勉強しよう」と決めたのに、仕事が忙しくて時間を確保できず、挫折した……などです。

元プロ野球選手で、現在はMLBシアトル・マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務める鈴木一朗氏は、目標設定について次のように話します。

目標は高く持たないといけないんですけど、あまりにも高過ぎると挫折してしまう。だから、小さくとも自分で設定した目標を一つひとつクリアして満足する。それを積み重ねていけば、いつかは夢のような境地に辿り着く

(引用元:WEB chichi|イチローの目標設定術|小さなことの積み重ねが、成功に至る唯一の道 ※ 太字は編集部が施した)

小さな目標をひとつずつクリアして小さな成功を積み重ねることは、挫折をも防いでくれるのです。

先ほどのTOEICの例であれば、「まとまった時間をとるのは難しいから、まずは通勤時間にひとつの英単語を暗記することから始める」という具合でやってみましょう。挫折して何もできなくなるより、わずか1単語でも毎日暗記できればいずれ得点につながっていきますよね。

せっかく大きな目標をもっても、その達成に近づいている実感が湧かなければ継続は難しいもの。その結果、挫折してしまっては元も子もありません。

大きな成長のために目標を設定するならば、挫折しないための工夫が大切。その工夫こそが、小さな成功の積み重ねなのです。

小さな成功で夢にたどり着いたビジネスパーソン

小さな成功のメリット4.「夢への近道」

ここまで、小さな目標と小さな成功の積み重ねが大切だとお伝えしてきました。そうはいっても、小さなことの積み重ねをじれったく感じる人もいるでしょう。

ですが、コツコツと地道に努力を続けることは結果的に夢への近道につながっています。

日本における「非認知能力」のパイオニアとして知られるボーク重子氏は、まずは「小さな夢」を実現させることから始める効果について以下のように語っています。

小さな成功体験をどんどん重ねていきながら、「前の夢も叶えられたのだから、次の少しだけ大きい夢だってきっと叶えられる!」と考え、徐々にステップアップしながら最終的な目標を達成できるのです。

(引用元:STUDY HACKER|「なぜかうまくいく人」と「何もうまくいかない人」。決定的違いは「夢の見方」にあった

筆者にも、これを実感した体験があります。

会社員時代にピラティスを始めた筆者は、「いつか講師をしたい」という夢をもつようになりました。ただ、ピラティスを始めたばかりの筆者にとって、講師になるというのはかなりの大目標。そこでまずはピラティスを習慣化するため、次のように継続しやすい小さな目標を設定しました。

  • 寝る前に1つだけエクササイズをする
  • 週末に1回はレッスンを受けにいく

上記を継続できたことが自信となり、筆者はさらに仕事終わりや週末に講師養成講座に通うまでになりました。そして資格をとり、夢を実現できたのです。実現までには2年ほどかかりましたが、小さな目標を設定し「小さな成功」を積み重ねたことで、知識と経験が増え、自信が生まれ、成長できたのだと感じています。

たとえ遠回りに感じられたとしても、夢に向かって進むためには、小さな成功の積み重ねこそが結局は一番の近道なのではないでしょうか。

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やる気や自信を育てながら、目標に向けて少しずつでも進み続けることが「大きな成長」につながります。そして、それは「小さな成功」の積み重ねで得られるのです 。

ぜひ、本記事をみなさんの「大きな成長」への第一歩としてご活用ください 。

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