自分を犠牲にする「優しい人」がもっとラクになる方法。その “我慢” はやめてもいい

いますぐやめるべき3つの我慢01

なんとなく心が晴れなかったり疲れがたまりやすかったりするみなさん。「我慢」しすぎてはいませんか?

「仕事を抱えすぎてしまう……」
「人間関係で疲れやすい……」
「オフの日なのに休んでいる感じがしない……」
こんなふうに感じるのであれば、過剰な「我慢」が無意識のうちに蓄積しているサインかもしれませんよ。今回は、いますぐやめるべき3つの我慢を指摘しつつ、我慢しすぎないための方法をご紹介していきます。

1. 仕事での「断らない」我慢はやめよう

自分のキャパシティを超えているにもかかわらず、頼まれ事を断れず仕事を抱え込みすぎてしまう……そんな人は少なくないはず。「仕事を断ったら自分の評価に響いてしまうのではないか」と懸念する人もいるかもしれませんね。

しかし、『学びを結果に変える アウトプット大全』著者である樺沢紫苑氏は、「断る」行為にデメリットはないと断言しています。むしろ、断ることで自分の評価が上がる場合もあるのだとか。

個人でビジネスをしている人は、「仕事を断ると仕事が減る、 次の仕事がこなくなる」と思っている人が多いですが、「仕事を断るほど、仕事は増える」という法則があります。「引き受けられないほど仕事が殺到している」ということは「人気がある」ことの証明だからです。

(引用元:東洋経済オンライン|「断る」のがヘタな人とうまい人の決定的な差 ※太字は筆者が施した)

つまり、仕事を断ることは、別に大事な仕事を抱えているという証明にもなりえるということ。逆に、どんな仕事でもさくさく引き受け続けてしまうと、実際はそうではないのに「いつも暇な人」と思われて評価が下がってしまう可能性だってあるのです。

とはいえ、「なんだか断りづらい……」と断り方に悩む人は多いはず。樺沢氏は、断り方のポイントとして「優先順位を決める」こと、「同じ基準で断る」ことを挙げています。

たとえば、資料作成をしている最中に、同僚から別の案件のヘルプを求められたとしましょう。ここで、優先順位がどちらなのかを判断します。資料作成を優先するのならば、「申し訳ないけれど資料作成を優先したい」と断るのです。

また、「今回だけ」という言葉に乗って、ケースバイケースをつくってしまうのもよくないそうです。次も「今回だけ」の約束を交わしやすくなってしまうので、あくまでも「自分の優先順位」という基準で判断しましょう。

いますぐやめるべき3つの我慢02

2. 人間関係の「相手を優先するばかり」の我慢はやめよう

嫌われたくないあまり、いつも相手に合わせて行動し、気づいたら相手を優先するばかりになっていた……そんな経験はありませんか。心理カウンセラーの積田美也子氏は、相手も自分も無理せずにすむ距離感でいられる「健全な境界線」を築けないと、他人を優先して自分を後回しにする傾向に陥ってしまうと述べています。

積田氏によれば、健全な境界線を引くために大切なのは「ノーと言う」ことなのだそう。とはいえ、「ノーと言ったら悪く思われるのでは……」と心配になってしまう人もいるでしょう。しかし積田氏は、それは思い込みに過ぎないと指摘します。「あえて真逆のことを考えてみる」と楽になれるのだとか。

たとえば、仕事終わりに友人から食事に誘われたとしましょう。このとき、「『疲れている』と言って断ったら、友人の機嫌を損ねてしまうのではないか……」と考えるかもしれません。しかし、それとは反対に「正直に言うことで、仕事が忙しいことを友人が理解してくれる」可能性だって考えられますよね。このように、真逆の可能性に目を向けることで、悪い思い込みから抜け出すことができるのです。

また、「自分の希望を伝えてみる」ことも大事。相手を優先しすぎてしまう人は、自分の本当の気持ちが見えなくなってしまっているため、自分の気持ちを冷静に探って言葉に表現しましょう。積田氏は、「自分はこう思うけど、あなたはどう思う?」という言い方をすすめています。

たとえば、ランチの場所を決めるとき。「私はA店が気になっているんだけれど、あなたはどこがいいと思う?」と、自分の希望を述べたうえで相手の意向もたずねてみてはいかがでしょうか。相手を尊重したうえで自分の希望も伝えられるようになると、無理のない付き合いを維持できるはずです。

いますぐやめるべき3つの我慢03

3. オフなのに「休まない」我慢はやめよう

オフの日なのに仕事のことが頭から離れず、ついパソコンを開いて作業してしまう……そんな状態が続いていませんか。仕事を優先したい気持ちもわかりますが、せっかくの休みを犠牲にしては悪影響が出てしまいます。それは「認知資源の枯渇」です。

認知資源とは、いわば脳のエネルギー。何かを考えたり、行動に移したり、感情をコントールしたりするうえで重要なものです。しかし、認知資源には限りがあるため、脳を酷使し続けると枯渇していきます。結果、平日の仕事の生産性も下がってしまうというわけです。認知資源の補充のためにも、オフの日とは十分に休息するようにしましょう。

『休む技術』の著者で精神科医の西多昌規氏は、パソコンやスマートフォンさえあればいつでもどこでも仕事ができる時代だからこそ、自ら能動的に「休む」ことに気を配る必要があると述べます。西田氏が提案するオフの日の休み方は、以下の2パターン。これら2つの休み方を、そのときの状況によって使い分けるのが重要だそうです。

  1. 静的な休み方――「家でぐっすり眠る」「のんびりする」など
  2. 動的な休み方――「どこかに出かける」「外で遊ぶ」など

たとえば、残業続きで疲れている場合は、音楽を聴いたりのんびりテレビを観たり、静的な休み方を選択してリラックスしたほうがいいでしょう。あるいは、仕事のストレスがたまっているようならば、公園をジョギングしたりヨガをしたり、身体を動かす動的な休み方を選択すれば、気分をリフレッシュすることができますね。

***
会社や他人のために頑張ることが必要かもしれません。でも、どこかで不調を感じているのであれば、何よりもまず “自分のため” に、自身を苦しめている我慢をやめてみてはいかがでしょうか。

(参考)
東洋経済オンライン|「断る」のがヘタな人とうまい人の決定的な差
STUDY HACKER|「相手のために無理ばかり」はもう卒業! “健全な境界線” の引き方、教えます。
ハーバード・ビジネス・レビュー|なぜ休日にまで仕事をしてしまうのか
まいにちdoda|休日にゴロゴロ…だけでは疲労は増幅!?今日からはじめる「休み方改革」

【ライタープロフィール】
青野透子
大学では経営学を専攻。科学的に効果のあるメンタル管理方法への理解が深く、マインドセット・対人関係についての執筆が得意。科学(脳科学・心理学)に基づいた勉強法への関心も強く、執筆を通して得たノウハウをもとに、勉強の習慣化に成功している。

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