社会人が「勉強重視」ではいけないワケ。あなたもしている可能性大 “3つの不要な努力”

キャリアアップのためにしなくていい努力01

「希望の部署に異動して、将来的には役職にも就きたい!」
「会社での評価を上げて昇給したい!」
「もっといい企業に転職したい!」

このようにキャリアアップを目指す人にとって、仕事で努力を重ねて成果を上げることは、重要な戦略のひとつでしょう。

ですがじつは、仕事の努力のなかには「キャリアアップには不要な努力」が存在します。私たちはいったいどのような努力を避けるべきなのでしょうか? この記事では、キャリアアップを望む人が “じつはしなくていい努力” を3つご紹介します。

【しなくていい努力1】インプットを過剰に重視する

クリエイトJ株式会社代表取締役であり企業研修講師として活躍する堀田孝治氏によれば、ビジネスパーソンのなかには、周囲から「すごい」と思われたいという承認欲求によって “しなくていい努力” をしてしまっている人がいるそう。

たとえば、勉強や読書などの「インプットを重視しすぎている」人。堀田氏いわく、社会人の仕事は「する」ものであるから、学生時代の勉強のように「わかる」だけでは不十分だとのこと。いくらスキルアップのために勉強して「わかる」ようになっても、「できる」ようにならなければ意味がないと言います。たしかに、どれだけたくさん本を読み交渉術について学んだ人でも、実際に商談経験を多く積んだ人には勝てませんよね。

また堀田氏は、採用の場ではどんな人材が望まれるかについても紹介しています。面接で「ビジネススクールで〇〇を学びました」「勉強して難しい資格をとりました」などのインプット経験をアピールする人よりも、「前の会社ではこのような成果を出しました」「プロジェクトリーダーとして企画の立案から実施まで推進してきました」といったアウトプット経験をアピールする人のほうが魅力的な人材だと評価されるとのこと。たとえインプットが十分であっても、「自分は実際に何ができるのか」を具体的に伝えられなければ、ビジネスパーソンとしては評価されづらいのです。

つまりキャリアアップに重要なのは、単に知識の量を増やすための勉強ではなく、アウトプット経験を積むこと。堀田氏は、キャリアアップにつながるアウトプットのコツとして、「周囲を幸せにしたい」という思いをもつことが大切だと伝えています。仕事はその規模が大きくなればなるほど、ひとりでやり遂げられるものではなくなっていきます。たとえばチームメンバーのサポートを強化したり、商談で友好的に話が進むよう工夫したりしてみてください。そうした姿勢で現場でのアウトプットを重ねていけば、結果的に評価が上がり、キャリアアップへの道が開けていくでしょう。

キャリアアップのためにしなくていい努力02

【しなくていい努力2】上司や先輩に答えを聞いて回る

自分が関わっているプロジェクトを成功させるため、上司や先輩へ積極的に「どのように進めるのが正解か」を質問して回れば、その前向きな姿勢から自分の評価が上がると思う人もいるかもしれません。このように「上司や先輩に対して正解を求める」ことも “しなくていい努力” に含まれる、と堀田氏は言います。

なぜなら、仕事には勉強のように決まった正解があるわけではないから。仕事で迷ったとき、たとえ何人もの先輩に答えを尋ねたとしても、それぞれから同じ答えが返ってくるとは限りませんよね。

キャリアアップの観点から考えると、上司に答えを聞く代わりに求められるのは「自分で最適な答えを考える」こと。これが、自分の仕事の腕を上げることに直結します。たとえば、新商品の価格をどのように設定するべきか。顧客からの問い合わせにどう対応するか。取引先とのトラブルをどう解決するか……。仕事においては、答えを自分で考え、それを相手に説明して納得させなければならないシーンが数多くあります。そういうとき、人に答えを聞きに行く努力ばかりしないで、自分で最適な答えを考える努力に力を注げば、経験値も成果も上がり、おのずと職場での評価向上にもつながるはずです。

キャリアアップのためにしなくていい努力03

【しなくていい努力3】頭を使わない単純作業に精を出す

ITシステム分野におけるコンサルティングを行なう株式会社アークウェイ取締役会長の森屋英治氏は、一般的なビジネスパーソンの仕事のなかには “しなくていい無駄な努力” が5割ほどもあると指摘しています。

その例として森屋氏が挙げるのが、クリエイティブな頭を使わない、単純作業と言えるような仕事。データの入力や確認作業といったところでしょうか。もちろん、これら自体は必要な仕事です。しかし一方で、予定表や図表の体裁などに異常なほどこだわったり、文章の誤字脱字を必要以上に何度も繰り返し確認したりすることは、キャリアアップにおいてそれほど重要ではないのです。

森屋氏いわく、そういった仕事は終わったあとに達成感は得られるものの、成果にはつながらない恐れがあるとのこと。労働時間の長さや一生懸命さを純粋に評価する上司のもとで働くなら、そういった仕事の仕方もありなのでしょう。しかし裏を返せば、成果を重視する有能な上司のもとでは、単純作業に力を注いだとしても、結果に結びつかない限り評価にも出世にもつながりません。

ではどうすれば、目の前の作業をキャリアアップにつなげることができるのか。森屋氏は「ゴールを明確に設定すること」が重要であると伝えています。さらに言えば、個人以上に企業理念に基づいた「事業全体のゴールを設定すること」が重要とのこと。

たとえば、事業全体のゴールを「商品の売上を20%増加させる」と設定すれば、その達成に必要なキャンペーン施策の検討・提案あるいはシミュレーションなどといった具体的な仕事が見えてきます。するべき仕事は決して「商品説明の文言が気に入らないから修正を繰り返す」といったようなものではないことがわかるはずです。

キャリアアップに近づけるのは、単純作業に精を出す人ではなく事業のゴールに向けて努力できる人。ぜひ心得ておきたいですね。

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頑張っているのにキャリアアップできないと悩んでいる方は、“しなくていい努力” にもしかすると惑わされているのかもしれません。せっかくの努力が無駄にならないよう、仕事で何が本当に必要とされているのかを考えて取り組んでいきましょう。

(参考)
STUDY HACKER|「理不尽だ!」と感じたら要注意。あなたは仕事で “しなくていい努力” をしているのかも
STUDY HACKER|「ほめられたい、認められたい」と願う人がしている大きな間違い。あなたは当てはまる?
STUDY HACKER|勉強や読書を重視するのは危険!? キャリアアップのための「しなくていい努力」とは
ITmedia ビジネスオンライン|「今の仕事は5割が無駄」コンサル式働き方改革論

【ライタープロフィール】
YOTA
大学では法律学を専攻。塾講師として、中学~大学受験の6科目以上の指導経験をもつ。成功者の勉強法、効率的な学び方、モチベーション維持への関心が強い。広い執筆・リサーチ経験で得た豊富な知識を生かし、効率を追求しながら法律家を目指して日々勉強中。

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