「話を聞いてもらえず」「人を動かせない」人の残念すぎる特徴。“いつも否定ばかり” は圧倒的に損だ

星渉さんインタビュー「話を聞いてもらえず人を動かせない人の残念すぎる特徴」01

「部下が思うように動いてくれない」「最近パートナーと喧嘩ばかり……」。人間関係の悩みを抱える人はたくさんいます。でも、人間を心理学の観点から紐解けば、そこにはおよそどんな場合にも通じる、コミュニケーションを改善するシンプルな原則が存在します。

そこで、ベストセラー『神メンタル 「心が強い人」の人生は思い通り』『神トーーク 「伝え方しだい」で人生は思い通り』(ともにKADOKAWA)の著者である、作家・ビジネスコンサルタントの星渉(ほし・わたる)さんに、コミュニケーション力を劇的に高め、自分もまわりも幸せになれる具体的な方法を聞きました。

構成/岩川悟(slipstream) 取材・文/辻本圭介 写真/塚原孝顕

星渉さんインタビュー「話を聞いてもらえず人を動かせない人の残念すぎる特徴」02

「話を聞いてもらえない」のは言動が一致していないから

話を聞いてもらえない――そんな悩みの原因は、じつはとてもシンプルなもの。それは、「人に言っていることを自分はやっていない」ということです。つまり、ふだんの言動の一致をどれだけできているか。それこそがコミュニケーションの大前提であり、この大前提ができていない人がかなりいると私は感じています。

たとえば、あなたのまわりに「忙しいからいま話しかけないで」と言うわりに、いつも自分の都合で話しかけてくる人はいませんか? そんな人に対しては、まわりの人も「いつも話しかけづらいオーラを出しているのに、こっちには都合関係なく話しかけてくるよね……」と感じています。

このように、ふだんから言動が一致していなければ、相手はその人を好意的に捉えることができず、話を聞く気にはなれません。そして、話を聞いてもらえないから、その後のコミュニケーションに齟齬や誤解が生じてしまうわけです。

そこで、もしあなたが「話を聞いてもらえない」と感じているのなら、まず自分自身が思う「こんな人の話は聞きたくない」という条件を挙げてみましょう。たとえば、「偉そう」「すぐ決めつける」「人に意見を求めない」「うまくいってもほめない」「ミスをしたらすごく怒る」というように書き出していき、それを自分がやっていないかどうかをチェックします。そのうえで、ひとつひとつ直すようにしていけば、少しずつ言動に説得力がついていくはずです。

当たり前ですが、自分がされて嫌なことは人もされるのは嫌だし、人は話を聞きたい人からしか聞きません。そして、それはふだんの言動の一致にかかっているのです。

星渉さんインタビュー「話を聞いてもらえず人を動かせない人の残念すぎる特徴」03

人は本能的に「安心感」と「自己重要感」を求めている

言動一致の大前提を踏まえたうえで、さらに「人を動かす」方法を探っていきましょう。まず、シンプルな原則を紹介します。それは、「人は感情を求めて動く」ということ。もし人を動かしたいなら、その人に「やってもいいかな」「がんばろうかな」という前向きな感情をつくってあげることがポイントになります。

そんな感情をつくるためには、「この人なら安心して頼ることができる」という「安心感」と、「自分は必要とされている」という「自己重要感」が重要になる。このふたつの感情を人間は本能的に求めているのです。まず、相手に「安心感」を与えることができると、たくさん相談をされるようになり、人望が厚くなっていきます。一方、「自己重要感」は行動力につながるので、相手が自分のために動いて助けてくれるようになっていきます。

しかし、このふたつの感情を満たせない人は、それらの感情が湧かないようなコミュニケーションをしてしまっています。安心感で言うなら、相手に「この人だったら相談できる」「悪い報告でもすぐにできる」という気持ちを抱かせていません。最も多いパターンが、すぐに「否定」をする人でしょう。たとえば、部下からトラブルを報告されると、開口一番「だから言っただろう!」と怒るような人ですね。

考えてみれば、起きてしまったトラブルはどうしようもない。そこで、真剣に問題解決を考えるなら、まず「どうして起きたか教えて?」「じゃあどうすればいいだろう?」と対話を始めるべきです。少なくとも、当の本人を否定する必要はまったくありません。にもかかわらず、とにかく否定から入る人は、相手に絶対に「安心感」を与えることはできません。

星渉さんインタビュー「話を聞いてもらえず人を動かせない人の残念すぎる特徴」04

コミュニケーションでは相手を絶対に「否定」してはいけない

私は、「否定しない」ことはコミュニケーションの鉄則だと捉えています。どんなことを言われても、否定してはいけないのです。なぜでしょうか? それは、相手を否定すると、相手は自分の意見にますます固執してしまうからです。

私の場合も、過去にクライアントから面と向かって全否定されたことがあります。でも、そのときですら相手を否定せず、「どこが間違っているか教えていただけますか?」「では、どうすればいいと思われますか?」「私にどうしてもらいたいですか?」と話を進めていき、「このかたちならやってみてもいいですか?」と、お互いの接点を冷静に探っていきました。なぜなら、私にとっての最重要事項は、相手を論破して自分の正しさを証明することではなく、クライアントに結果を出してもらうことだったからです。

もちろん、私だって面と向かって否定されると怒りの感情は湧きますよ……(苦笑)。でも、そのストレスはひとりで晴らせばいいじゃないですか。これは、「怒るな」「相手に合わせろ」ということではなく、目的に対してベストなコミュニケーションをするために、相手に怒りをぶつけるなということです。怒りの感情は、ひとりになったときに「ちくしょー!」といくらでも出せばいいし、その後は「はい、もう終わり!」と言葉で感情をコントロールすればいいのです。

これは、もうひとつの「自己重要感」につながりますが、「自己重要感」が満たされていないから相手を否定したくなるのです。相手を否定するのは「相手が間違っている」と下げることであり、「相手を下げることができた自分はすごい」と他人を使って「自己重要感」を満たすことです。しかし、本当に「自己重要感」が強い人は、他人でそれを満たそうとはしません。

星渉さんインタビュー「話を聞いてもらえず人を動かせない人の残念すぎる特徴」05

自分の価値を実感していると、できることが積み重なっていく

では、「自己重要感」を満たすにはどうすればいいのでしょうか? これは、まず自分が「できていること」を日常のなかで認識することが必要です。これを「自己効力感」と呼びますが、「自分にできることはたくさんあるんだ」と実感できていると、自分に価値を感じることができて、結果、相手で満たす必要がなくなります

「自己効力感」は、日々の勉強などを通じても高めることができます。たとえば、「長文を10問解く」「英単語を20個覚える」というように、今日、自分が勉強することを最初に決めて、すべて紙に書き出す。そして、ひとつ終えるたびに横線を引いて消していくのです。すると、1日を終えたときに「こんなにやったんだ!」と目視できて、「自己効力感」が増していきます。

ポイントは、線で消すアクションが多いほど脳にはプラスに働くということ。なるべくタスクを小分けにして、終わるたびに消したほうが効果は高まります。脳は反復して起きることを重視するので、タスクを1回消すのと、数十回消すのとでは、まったく効果が違ってくるのです。

「自己重要感」と「自己効力感」が増すと、パフォーマンスも上がって気持ちに余裕が生まれるので、他者の自己重要感を満たすことにも気が向くようなります。そうなると、できることが積み重なっていき、「できる自分ならこのくらいはできるはずだ」とさらに自分にいいイメージを持てるようになって、ますますできるようになっていきます。

いずれにせよ、すべては自分の言葉と行動から始まります。だからこそ、コミュニケーションでは、相手を絶対に否定してはいけません。否定をしないだけで、私はすべてが変わるとすら考えています。なぜなら、絶対否定しないと決めることで、相手が感じる「安心感」や「自己重要感」をすべて網羅した伝え方を考えるようになるからです。

かの名将・武田信玄は、「一生懸命だと知恵が出る。中途半端だと愚痴が出る。いい加減だと言い訳が出る」という言葉を遺しました。「他者を否定しない」ということに対して本当に一生懸命になるからこそ、「こういう言い方がいいのかな?」「こんな例えはどうかな?」とアイデアが出てくるようになります。これは、勉強、仕事、パートナーシップなどすべてに通じています。なにをやるにしても、「なんのためにやるのか?」と一生懸命に考えてみる。そうした姿勢が、すべてのよき行動の前提になるのだと思います。

星渉さんインタビュー「話を聞いてもらえず人を動かせない人の残念すぎる特徴」06

【星渉さん ほかのインタビュー記事はこちら】
思考は現実化するからこそ「無理だ」と思うなかれ。“使う言葉” を変えれば人生はうまくいく
負の感情を「消そうとする」のは間違い。やっぱり「紙に書き出す」が最強だった

神メンタル 「心が強い人」の人生は思い通り

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【プロフィール】
星渉(ほし・わたる)
1983年生まれ、宮城県出身。株式会社Rising Star代表取締役。大手企業で働いていたが、東日本大震災を岩手県で被災。生死を問われる経験を経て「もう自分の人生の時間はすべて好きなことに費やす」と決め2011年に独立起業し、心理療法やNLP、認知心理学、脳科学を学びはじめる。それが原点となり、個人の起業家を対象に「心を科学的に鍛える」を中心に置いた独自のビジネス手法を構築。わずか5年間で、講演会、勉強会には7200人以上が参加し、手がけたビジネスプロデュース事例、育成した起業家は623人にのぼる。ゼロの状態から起業する経営者の月収を、半年以内に最低100万円以上にする成功確率は、日本ナンバーワンの91.3%。数千人規模の講演会を実施し、海外でも大規模なイベントを行うなど、グローバルに「好きな時に、好きな場所で、好きなシゴトをする個人を創る」ための活動をしている。著書には、『神メンタル 「心が強い人」の人生は思い通り』『神トーーク 「伝え方しだい」で人生は思い通り』(ともにKADOKAWA)などがある。

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