「新しい職場に異動したけど、馴染めていない感じがする。どう振る舞えばいいだろう……」
「誰とでもうまくやっている同僚がうらやましい。自分と何が違うのかな……」
今回の記事では、上記のような悩みがある方に向けて、どこに行っても大事にされやすい “嫌われない人” の特徴を3つご紹介します。
職場の仲間と良好な関係を築くことができれば、仕事のしやすさにもつながるはずです。さっそくご説明しましょう。
1.「相手の名前」を呼んでいる
職場の人に声をかけるなら、「すみません」や「あの……」だけで済ませることなく、「○○さん、いまよろしいですか」などと相手の名前を呼ぶように心がけてみませんか?
というのも、会話のなかに相手の名前を入れることで、相手から好感を持たれやすくなるからです。
アメリカの心理カウンセラーで経営コンサルタントのレス・ギブリン氏によると、「人は自分の名前を見聞きすると、大切に扱われていると感じる」ものなのだそう。そして同氏はこう説明しています。
すべての人が「自分は重要な存在だ」と感じたがっていて、誰かに大切に扱われると、自尊心を高めることができる(中略)
人々が自分の気分をよくさせてくれる人に好意を抱くのは不思議ではない。
実際、相手の自尊心を高めることが、人間的魅力のカギなのだ。
(引用元:ダイヤモンド・オンライン|「誰とでもうまくやれる人」だけが知っている、あまりにも単純な人間関係のカギ)
あなたが同僚の名前を頻繁に呼べば、その同僚から「この人は私のことを大切にしてくれる。なんて魅力的な人なんだ」と思ってもらいやすくなるわけです。
また、株式会社人財育成JAPAN代表取締役の永松茂久氏によると、部下から慕われる上司には、「何かを話す前にその相手の名前を呼ぶ」習慣があるのだそう。「人は自分の名前を呼んでくれるリーダーを好きになる」と永松氏は言います(カギカッコ内引用元:東洋経済オンライン|部下に好かれない上司は相手を巻き込む力が弱い)
たしかに、上司からただ「お疲れさま」と言われるよりも、「○○さん、お疲れさま」と言われるほうが、自分の存在を尊重してもらえているような気持ちになりますよね。
名前を呼ぶ習慣は、初対面の場でも有効。たとえば、取引先の担当者が変わったのであいさつをする、新プロジェクトが発足しメンバーと初顔合わせをする、といった場面で、相手の名前を積極的に呼んでみるのです。「相手の名前にフォーカスして話すだけで、初対面の相手とも一気に心理的距離を縮める」ことができると永松氏は言います。(カギカッコ内引用元:サライ.jp|名刺を受け取ったら、すぐにしまってはいけない【人は話し方が9割 】2)
どこに行っても好感をもたれる人になりたいなら、下記のように会話のなかに相手の名前を入れることを習慣にしてみましょう。
- 「おはようございます」
→「○○さん、おはようございます」 - 「さすがですね」
→「さすが、○○さんですね」 - 「私はこう考えますが、どうですか」
→「私はこう考えますが、○○さんはどうですか」 - 「このあと近くでランチに行く予定なのですが、おすすめのお店はありますか?」
→「このあと近くでランチに行く予定なのですが、○○さんのおすすめのお店はありますか?」
いつもの会話のなかに相手の名前を入れるだけで、その後のやり取りがよりスムーズになるのだとしたら、試さない手はありませんね。ぜひ積極的に名前を呼んで、好感度をアップさせましょう。
2.「笑顔」を見せている
しかめっ面でいると、周囲からは不機嫌そうに見えるもの。誰からも大事に思われる人になりたいなら、できるだけ多く笑顔を見せるのが正解です。
心理学者の内藤誼人氏は、「笑顔で、ニコニコとしていれば、まず嫌われることはない」と断言。また、笑顔をつくると自分自身が楽しい気分になるだけでなく、「相手の笑顔を引き出す」こともできると言います。これを「表情の返報性」というのだとか。(カギカッコ内引用元:ダイヤモンド・オンライン|人に嫌われないかどうかは「笑顔の練習量」でほぼ決まる!?)
笑顔を大事にしている経営者としてご紹介したいのが、ラーメン店の日高屋などを運営する、株式会社ハイデイ日高の代表取締役会長・神田正氏です。日経ビジネス電子版によれば、神田氏は「いつも温和で笑顔を絶やさない」ことで有名なのだそう。(カギカッコ内引用元:日経ビジネス電子版|ハイデイ日高・神田正会長が笑顔を絶やさないワケ)一軒のラーメン店が有名チェーンへと成長したのには、神田氏が日頃から多くの笑顔を見せながら、従業員と協力し合ってきた――そんな背景があったのかもしれませんね。
とはいえ、これまで笑顔を意識してこなかった人にとって、とっさに笑顔をつくることは難しく思えるはず。そこで、前出の内藤氏がすすめているのが、「普段から、ヒマを見て、笑顔をつくってみる」こと。いつでも「ニコニコした笑顔づくりの練習」をすることで、「無意識のうちに笑顔がつくれるようになる」そうですよ。(カギカッコ内引用元:前出のダイヤモンド・オンライン記事)
また、一般社団法人笑顔トレーナー協会代表理事の川野恵子氏は、相手に好印象を与える笑顔のポイントとして以下の3つを挙げています。笑顔の練習をする際の参考にしましょう。
- 口角が上がっていることが大切
- 上の歯が8本見え、下の歯は見えない状態に
- 目は力を抜いて三日月のような形になっていると優しい雰囲気に
川野氏いわく、「口角が上がる→ほおが上がる→ほおが下まぶたを押し上げて優しい目元になる」という仕組みなのだそう。(枠内・カギカッコ内引用元:NHK|笑顔ってどんなんだっけ? 脱マスク前にリハビリ需要高まる)
これらのポイントを押さえられているかどうか、ときどき鏡でチェックしてみてもいいですね。
いつでも自然な笑顔でいられれば、周囲から好感を抱かれることは間違いありません。ぜひ、時間を見つけては笑顔をつくる練習をしてみてはいかがでしょう。
3.「オーウェル思考」である
「新人は始業30分前には出社すべき」や「上司に呼ばれたらメモを持って行くべき」など、仕事における強いこだわりがある人は要注意。周囲との心地よい関係を望むなら、こだわりすぎず、おおらかになることをおすすめします。
人材育成コンサルタントの吉田幸弘氏は、「こうあるべき」と考える「マスト思考」が強いと、「他の人に対して『なぜそうしないのか?』とイライラしがち」だと指摘します。
反対に、「まあいいか」(英語でoh well)と考えるのが「オーウェル思考」。オーウェル思考をもっていて「イライラした感情を出さない穏やかな人に対しては、周囲も協力的に」なるのだそうです。(カギカッコ内引用元:マネー現代|仕事が早く終わる人の特徴、「オーウェル思考」とは何か?)
たとえば、マスト思考で「始業時間の15分前には席についているべき」と考える人は、毎朝ギリギリの時間に出社してデスクにつく人に対しイライラするかもしれませんね。もしそのいらだちが周囲に伝わってしまうと、「一緒に働きたくない」と思われるおそれが。
そこで、考え方をオーウェル思考に変えてみましょう。「遅刻せず始業時間に席についていれば、まあいいよな」とおおらかに考えるのです。きっと、あなたの穏やかさに周囲は心地よさを感じ、好感を抱いてくれるはずですよ。
「自分は仕事でイライラすることがよくある。もしかしたらこだわりが強いほうなのかも……」という心当たりがある人は、ぜひオーウェル思考で考える癖をつけてみてくださいね。
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どこに行っても大事にされる “嫌われない人” の特徴を3つご紹介しました。今回ご紹介した特徴を参考に、職場で愛される存在を目指してみてはいかがでしょう。
(参考)
ダイヤモンド・オンライン|「誰とでもうまくやれる人」だけが知っている、あまりにも単純な人間関係のカギ
永松茂久(2022),『リーダーは話し方が9割』, すばる舎.
東洋経済オンライン|部下に好かれない上司は相手を巻き込む力が弱い
サライ.jp|名刺を受け取ったら、すぐにしまってはいけない【人は話し方が9割 】2
ダイヤモンド・オンライン|人に嫌われないかどうかは「笑顔の練習量」でほぼ決まる!?
日経ビジネス電子版|ハイデイ日高・神田正会長が笑顔を絶やさないワケ
NHK|笑顔ってどんなんだっけ? 脱マスク前にリハビリ需要高まる
マネー現代|仕事が早く終わる人の特徴、「オーウェル思考」とは何か?
STUDY HACKER|「仕事が早く終わる人」3つの特徴。スタバ思考・コンドル思考・オーウェル思考って何のこと?
【ライタープロフィール】
こばやしまほ
大学では法学部で憲法・法政策論を専攻。2級FP技能検定に合格するなど、資格勉強の経験も豊富。損害保険会社での勤務を通じ、正確かつ迅速な対応を数多く求められた経験から、思考法やタイムマネジメントなどの効率的な仕事術に大変関心が高く、日々情報収集に努めている。