夢の実現には「感謝」が不可欠! 「ありがとうロード」「ありがとうノート」とはなに?

渡邊康弘さんインタビュー「ありがとうロード、ありがとうノートの効果」01

夢を実現するには何が必要でしょうか? ぶれない情熱や具体的な計画なども大切でしょう。

ただ、著書『言葉の力を高めると、夢はかなう』(サンマーク出版)が話題となっている経営コンサルタントの渡邊康弘(わたなべ・やすひろ)さんは、「夢をかなえるには、『感謝』こそが大切」だと説きます。その理由を、渡邊さんが推奨する「ありがとうロード」「ありがとうノート」の実践法と併せて解説してくれました。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹 写真/玉井美世子

渡邊康弘さんインタビュー「ありがとうロード、ありがとうノートの効果」02

「ありがとうロード」で感謝できる人間になる

私は、常日頃から「ありがとう」と口にすることを大切にしています。なぜなら、「ありがとう」と言うことが、私の人生を大きく変えたからです。その習慣を始めたのは、20歳の頃でした。当時の私は、二浪もしたうえに……大学の二部に入学しました。それこそ、「人生、終わったな」と思い込んでしまい、精神状態はどん底。

しかも、そういう状態ですから、思考も最悪です……。「なぜこんなことになったのか」と考えても、「親がちゃんといい塾に入れてくれなかったからだ」「友だちが相談に乗ってくれなかったからだ」というふうに、すべて人のせいにしていたのです。でも、イギリスの作家であるジェームズ・アレンの著書『「原因」と「結果」の法則』(サンマーク出版)を読んだことが、私の思考に変化をもたらしてくれました

その本の有名なフレーズは、「私たちはどんなときにも、自分が学び、成長を遂げるために、最適の場所にいるのです」というものでした。そのフレーズを知ったとき、何が起こっても「ありがとう」と言える人間にならないといけないと、私は思ったのです。そうして始めたのが「ありがとうロード」でした

やり方はすごくシンプルです。自宅から最寄り駅に歩くあいだ、ただ「ありがとう」と言い続けることにしたのです。最初はただ「ありがとう」と言うだけだったのですが、何度も言っているうちに、「ありがとう」のあとに、人の顔が浮かんだり、出来事が浮かんだり、自分の体が浮かんだりして、さまざまなことに感謝できるようになりました。

もちろん、これは私の場合ですから、「ありがとうロード」の場所はみなさんそれぞれで決めてかまいません。ただ、注意してほしいのは、「ありがとうロード」は日常生活に組み込むということ。普段から散歩をしていない人が、「よし、散歩のついでにありがとうと言おう」と決めたところで、うまくいきません。習慣化する際の一番のコツは、すでに日常生活に根づいている習慣に付随させることです。

さて、当時の私は自宅から最寄り駅までのあいだ、ぶつぶつと「ありがとう」とつぶやくようになりました。まわりから見れば完全に危ない人です(笑)。でも、このことが私を変えました。

渡邊康弘さんインタビュー「ありがとうロード、ありがとうノートの効果」03

「ありがとう」と言い続けて、「ありがとう」と言える人生にする

何があっても「ありがとう」と言うのですから、本当の意味で「ありがとう」と言いたい事象にも気づきやすくなったのです。つまり、「ありがとう」と言いたい事象にフォーカスするフィルターを手に入れたわけです。そうして、それまでの私だったら素通りしていたようなことにも気づき、「ありがとう」と言えるようになりました。

これはとても大切なことです。日本には、「言霊(ことだま)」という言葉があるように、忌み言葉やひがみ、他人の悪口ばかりを言っている人には幸運は寄ってきません。結局、自分が使う言葉が自分の人生をつくっていくと私は考えています。ならば、「ありがとう」とか「うれしい」といったポジティブな言葉をたくさん使って、「ありがとう」「うれしい」と言いたくなる場面が多い人生にしたいではありませんか

そのように「ありがとう」と言えるようになることは、ビジネスの場を考えてもとても大切です。仕事がうまくいくかどうかは、結局は人間関係にかかっていると言っていいでしょう。誰とも関わらずひとりで完結できる仕事をしている人は、そうはいないはずです。そこで、「ありがとう」と素直に言えることが大きな武器になる。

たとえば、みなさんがある仕事を誰かに頼むとき、ビジネスライクなつき合いだけで仕事を淡々とこなす人と、事あるごとに「ありがとう」と言ってくれて一生懸命に仕事をする人では、どちらに頼みたいですか? たとえ前者が実力では少しばかり上回っていたとしても、仕事を頼みたいのは迷うまでもなく後者であるはずです。

渡邊康弘さんインタビュー「ありがとうロード、ありがとうノートの効果」04

日常と自分の体に感謝する「ありがとうノート」

また、ただ「ありがとう」と口に出すだけでもいいのですが、どうしても言葉は時間とともに流れていってしまうものですから、なにかに書きとめておくことも大切です。

私がおすすめしているのは「ありがとうノート」。これは、日常のなかで出会った「ありがとう」と言いたいことを書き記すというものです。この手法を用いることで、「ありがとうロード」と同じように、「ありがとう」と言いたい事象にも気づきやすくなるという効果があります。

このとき、新たに特別なノートを用意するのは不要です。先の「ありがとうロード」の習慣化のコツと同じことで、いますでに使っている手帳やノートに書くのです。そうすれば、「ありがとうノート」もしっかり習慣化できるはずです。

それから、「ありがとうノート」には、ぜひ自分の体に対する感謝も書き込んでみてください。みなさんは、自分の体に感謝したことがありますか? おそらく、多くの人にはその経験がないはずです。でも、いまの自分をつくってくれたのも、未来の自分をつくってくれるのも紛れもなく自分自身の体なのです。そのことに感謝すべきだと私は考えます。

「ありがとう、私の頭よ。私の頭はさまざまな願望を実現することができる。いつも私を楽しくさせてくれるのは頭だ」「ありがとう、私の目よ。私は完全なビジョンを持っている。私はすべてが明確に見える」「ありがとう、私の耳よ。私のまわりに起こる調和された音を聞くことができる」「ありがとう、私の声よ。私は自分自身のことを話すことができる。愛や喜びを歌える。わたしの言葉は人生の音楽だ」というふうに、思いつくままに書き出すのです。

それだけで、たとえ物事がうまくいかなくてモヤモヤしているようなときも心が満たされていき、うまくいっていないことにも再び高いモチベーションで臨むことができます。そのようにしていい精神状態を維持できれば、それだけ夢への実現に近づけることになるでしょう。

すべては、「ありがとう」のひとことから、人生は変わります。そして、その「ありがとう」が、夢の実現への一歩なのです

渡邊康弘さんインタビュー「ありがとうロード、ありがとうノートの効果」05

【渡邊康弘さん ほかのインタビュー記事はこちら】
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「言葉のマネジメント」で夢の実現に近づける――ネガティブな口ぐせ、事象、思考とのつき合い方

言葉の力を高めると、夢はかなう

言葉の力を高めると、夢はかなう

  • 作者:渡邊康弘
  • サンマーク出版
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【プロフィール】
渡邊康弘(わたなべ・やすひろ)
人生実現コンサルタント。日本トップレベルの「読書家」。神奈川県横浜市出身。青山学院大学経済学部卒。幼少期より、読書が大の苦手だったこともあり、2度大学受験に失敗する。20歳のときに神田昌典氏の本に出会い本が読めるようになり、人生が激変。ベンチャー企業の立ち上げに関わり、ゼロから8億の売上をつくる(のちにマザース上場)。独立後、最新の脳科学、行動経済学、認知心理学を基にした独自の読書法「レゾナンスリーディング」を生み出す。この読書法は、10歳から91歳まで全国3500人以上が実践している。年間の読書数は、(洋書含め)ビジネス書で2000冊、文芸書、実用書含め年間3000冊以上。「日本トップ5」に間違いなく入るほどの読書家。この膨大な読書量によりビジネス、歴史、科学、芸術、スピリチュアルに関するさまざまな知識をもつ。「読書」というスキルを通して、その専門知識を実務レベルで実践。その結果、短期間で、驚くほどスキルレベルが向上する「研修プログラム」や個人の「自己実現のプログラム」などを次々と開発。そのコンテンツは高い評価を受けており、上場企業やベンチャー企業、地方の有力企業での講演多数。企業コンサルタントも務める。読書の苦手な人をなくし、読書を通じて夢をかなえる人を増やすべく、書評などの読書情報の発信や読書イベント、海外著者との交流会を催すなど、読書文化を広げる活動を行っている。著書に『1冊20分、読まずに「わかる!」すごい読書術』(サンマーク出版)、翻訳協力に『ビジネスモデルYOU』(翔泳社)、『イルミネート:道を照らせ。』(ビー・エヌ・エヌ新社)がある。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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