どこか勉強できる場所をお探しですか? 自宅の勉強部屋では、やる気や集中力を発揮できないこともありますし、休日は家族もいますよね。
この記事では、カフェや自習室など、無料・有料のおすすめの勉強場所を13個紹介しています。各環境のメリットとデメリットも解説するので、自分にとって最適な自習スペースが見つかりますよ。
勉強をどこでするか悩んでいるなら、この記事を参考にしてみてください。勉強できる場所は、あなたの想像以上に多いのです。
- 勉強できる場所1:図書館
- 勉強できる場所2:大学の空き教室
- 勉強できる場所3:電車
- 勉強できる場所4:公園
- 勉強できる場所5:有料自習室
- 勉強できる場所6:スクールの自習室
- 勉強できる場所7:コンビニ
- 勉強できる場所8:マクドナルド
- 勉強できる場所9:ネットカフェ
- 勉強できる場所10:喫茶店
- 勉強できる場所11:公民館
- 勉強できる場所12:ファミレス
- 勉強できる場所13:カラオケ店
勉強できる場所1:図書館
勉強できる場所といえば、図書館。静かで費用がかからないのはもちろん、学生でも社会人でも利用可能です。勉強していて気になったことがあれば、すぐに本で調べることもできます。
図書館だと勉強に集中しやすい理由のひとつは「ミラーニューロン」です。脳科学者の茂木健一郎氏によると、ミラーニューロンとは脳の「前頭葉」という部分にある神経細胞。ミラーニューロンの機能により、他人の動作を見ると、自分の脳もその動作を行なっているように活動するのだそうです。(参考:茂木健一郎(2007),『脳を活かす勉強法 奇跡の「強化学習」』, PHP研究所.よりまとめた)
つまり、自分の感覚は周囲の人に影響されるということ。図書館には読書や勉強に励む人が多いですから、そのような人々に囲まれることで、自分も自然と集中できるのですね。
一方で、図書館のデメリットは「静かすぎること」です。本のページをめくったり咳払いをしたりなど、にぎやかな場所なら気にならない雑音に注意を奪われやすいかもしれません。
また、基本的に館内での飲食は禁止。長時間勉強したいのに、飲み物も食べ物も口にできないのはつらいですよね。そのため、長居するときでも、いったん図書館を出る必要があります。日曜日は開館時間が短い場合も。
無料で勉強できる場所としてまっさきに思いつく図書館ですが、教科書やノートを用意しての勉強を禁止しているところもあるので、ご注意ください。
勉強できる場所2:大学の空き教室
図書館以外に試験勉強できる場所を探しているなら、あなたが大学生の場合、大学の空き教室が穴場です。授業を入れていない時間帯や昼休み、使われていない教室で勉強するといいでしょう。
筆者も、空き時間に教室で自習していたことがあります。「ほかの人が勉強していないときにも、自分は勉強してるぞ。偉いなぁ」と感じ、モチベーションが上がりました。
ほかの人も別の場所で勉強しているかもしれません。ですが、教室という「学習するための場所」にひとりでいるだけで、「他人よりまじめに頑張っている」という特別感を得られるのです。
それに、空き教室を使えるのは次の授業が始まるまで。「限られた時間を有効活用しないと」という適度な緊張感が生まれ、集中力が高まります。
ただ、空き教室には人が少ないため、「ピアプレッシャー」が生まれません。ピアプレッシャーとは「仲間からの圧力」です。
授業中なら「みんな集中して授業を受けてるから、自分も集中しなきゃ」と思えるのですが、空き教室だとそうはいきません。すぐに気が散ってスマートフォンをいじりがちな方は、別の場所で勉強するほうがいいでしょう。
なお、「勉強できる場所」として大学の空き教室をご紹介しましたが、使用が禁じられている可能性もあるので、事前にご確認ください。
勉強できる場所3:電車
通勤・通学中の電車も、勉強できる場所のひとつ。うるさくて勉強に向かないと思うかもしれませんが、むしろ集中しやすく、勉強がはかどる場所です。メンタルやコミュニケーションに関する企業研修を提供する一般社団法人・日本メンタルアップ支援機構代表理事の大野萌子氏によると、「ある程度の雑音があったほうが集中しやすい」そう。(カギカッコ内引用元:東洋経済オンライン|「やる気スイッチ」を簡単に入れる方法がある※太字は編集部が施した)
東北学院大学教授の神永正博氏も、「集中したいときのとっておきの場所」として電車を挙げています。片道1時間の通勤中、電車のなかで博士論文を書いていたそうです。(プレジデントオンライン|集中のコツ、上手な時間の使い方※太字は編集部が施した)
ただ、車内は混雑していることが多いため、大きいノートやパソコンを開いて周囲の迷惑・邪魔にならないよう注意してください。単語帳やアプリを使った暗記、イヤホンをつけてリスニングなどの勉強法がおすすめです。移動中の電車も、効率的に勉強できる場所になりますよ。
勉強できる場所4:公園
意外かもしれませんが、勉強できる場所には公園も挙げられます。ベンチやテーブルのある公園が、自習スペースとしておすすめです。
公園で勉強すると、屋内より多くの日光を浴びられるため、神経伝達物質「セロトニン」の分泌が増えます。セロトニン研究の第一人者として知られる脳生理学者・有田秀穂氏によれば、セロトニンが適度に分泌されていると次のような状態になるそう。
- 頭が覚醒する
- 心のバランスがとれる
- 物事に対する意欲が湧く
(参考元:My Wellness|“幸せホルモン”セロトニンで心も身体もスッキリ目覚める!よりまとめた※太字は編集部が施した)
勉強のため室内ばかりで過ごしていると、セロトニンの分泌が不足してしまうことも。たまには気分転換に、近くの公園で勉強してみるのもいいですね。
ただし、公園のベンチやテーブルは勉強を意図していないため、何時間も座り続けると疲れてしまうでしょう。遊びに来たほかの人がベンチやテーブルを使いたがっていないかにも、気を配ってください。
いくつかの注意点はあるものの、公園も「勉強できる場所」の選択肢に加えてみてくださいね。
>>晴れた日は外で勉強しよう! 東大生が「ソト勉」を試してみた。
勉強できる場所5:有料自習室
お金を払って勉強できる場所なら、有料自習室が断然おすすめです。有料自習室とは、快適に勉強できる環境を提供するサービス。多くの場合は月額の会員料金を支払いますが、1日だけ利用できるところもあります。
駅前を中心に多くの自習室があるので、地元の店舗を検索してみてください。リモートワーカーやフリーランサーが仕事をできる「コワーキングスペース」も、自習室として使えます。
有料自習室での勉強がはかどるのは、1人用のブースが用意されているから。勉強法や読書術についての著作がある粂原圭太郎氏によると、「狭い空間では、よけいなものが視界に入らないので集中して勉強することができ、成果を得られる」そうです。(カギカッコ内引用元:ダイヤモンドオンライン|【自宅での勉強がはかどる】一人勉強も安心。超集中スペースをつくる「秘密基地法」)
ただし大抵の場合、自習室は個室でないため、ほかの利用者への配慮が必要です。飲食が可能な自習室でも、カップラーメンのようににおいが強いもの・音が出るものを食べるのは控えましょう。空調の操作もできないので、上着やブランケットを持参しましょう。
多少のお金はかかりますが、そのぶん「もとをとろう」という意識が働くため、静かに勉強できる場所としては有料自習室が特におすすめです。
勉強できる場所6:スクールの自習室
社会人が勉強できる場所といえば、自習室。資格スクールや予備校に併設されていることもあります。
たとえば、英語コーチングサービスの「STRAIL」では、新宿・銀座・恵比寿・梅田の各校に自習室があります。まわりは英語学習に励む同志ばかりなので、自然と勉強に集中できそうですね。
スクールの自習室は、授業料を払っている会員しか使えないため、学習意欲の高い人が集まりやすいのがポイントです。ただし、感染症対策で自習室が使えない場合もあるので、事前の確認が必要。それさえクリアできれば、集中して勉強できる場所として活用できますね。
勉強できる場所7:コンビニ
「勉強できる場所」にはコンビニも含むことが可能です。早めに家を出て、授業や仕事の前に少しだけイートインスペースで勉強……という使い方が考えられます。
コンビニにはドリンクや軽食が豊富で、本格的なコーヒーマシンもあるため、朝食をとるついでに少し勉強してみては? 席は窓際が多いため、太陽光を浴びることでセロトニンの分泌も期待できます。
ファミリーマートの場合、イートインスペースの有無で店舗を検索可能です。「近くにイートインはないかな?」というときは、公式サイトから検索してみてください。
ただ、イートインスペースは、あくまで買った物を飲んだり食べたりする場所。空席に余裕がある場合に限ったうえで、単語帳やまとめノートをめくる程度の、短時間の予習・復習に留めましょう。
10分程度の勉強にも、大きな意味があります。『目標を次々に達成する人の最強の勉強法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2016年)の著者である医師の猪俣武範氏は、移動中やエレベーターの待ち時間に英単語などの暗記を行なっていたそうです。「まとまった時間に続けて何度も復習するより、ある程度の時間をおいた複数のスキマ時間で復習するほうが記憶への定着度が高まる」のだとか。(カギカッコ内引用元:STUDY HACKER|社会人は「1日48分」を “◯◯” の勉強にあてよ。超多忙でも時間を確保する工夫とは)
メインの勉強場所としては利用できませんが、「勉強できる場所」の候補にイートインスペースも加えてみてください。
勉強できる場所8:マクドナルド
ハンバーガーチェーン・マクドナルドを「勉強できる場所」として選ぶ人は珍しくありません。ニュースサイト「Sirabee」が2019年、全国の10~60代を対象にアンケート調査をしたところ、学生時代にマクドナルドで勉強したことのある人は12.7%。年収が1,000万円以上の人に限れば23.1%でした。(参考:Sirabee|イートインスペースで… 高収入層ほどマクドナルドで勉強したことがある?よりまとめた)
マクドナルドのコーヒーは税込120円(Sサイズ)と安価なので、勉強のおともに最適です。前出の茂木氏もコーヒーを愛飲し、「コーヒーが生み出すドーパミンが、一日の調子を整えてくれる」と語ります。(カギカッコ内引用元:全日本コーヒー協会|エッセイ*茂木健一郎【初めてのコーヒーと最良のドーパミン】)
軽食や甘いものもあるので、脳へのエネルギー補給も簡単です。
ただ、にぎやかな環境だと集中しにくい方は、なるべく空いている店舗を選びましょう。筆者もマクドナルドで勉強・執筆をした経験がありますが、集中を要する作業に入ると、普段は気にならない程度の音をうるさく感じることがありました。
そしてもちろん、勉強が禁止・制限されている店舗もあります。朝から勉強できる場所ではありますが、お店やほかの利用者の迷惑にならないようご注意ください。
>>ギリギリの時はマックで勉強? 東大生が使う意外な勉強場所
勉強できる場所9:ネットカフェ
ネットカフェ(漫画喫茶)も「勉強できる場所」です。最近のネットカフェは、パソコンを使ったり漫画を読んだりするだけでなく、勉強する場所としても選ばれています。
筆者は昔からネットカフェを利用しており、お店による雰囲気や仕様の違いを感じてきました。ネットカフェには「店内が暗そう……」「パソコンがあるから机が狭そう……」というイメージがあるかもしれませんが、「オープン席」はカフェのように開放的です。
「オープン席」は個室でないため、料金が安いほか、受付後すぐ席に着けるのもメリット。ドリンクバーやトイレに向かうとき、いちいちドアを開閉する必要がありません。
ただ、すぐ横でほかの客が漫画を読んでいるのが目に入り、気になってしまうかもしれません。また、オンラインゲームや漫画を楽しむ環境が整っているため、誘惑に負けると、勉強を放棄して遊びに熱中してしまう可能性があります。
誘惑はあるものの、ネットカフェは快適に長居できるところです。勉強できる場所でもあるので、ぜひ検討してみてください。
勉強できる場所10:喫茶店
「勉強できる場所」として喫茶店を挙げる人も。教育学者で明治大学教授の齋藤孝氏は、著書『15分あれば喫茶店に入りなさい。』(幻冬舎、2010年)で、喫茶店での仕事・勉強をすすめています。カフェで勉強や読書などの「朝活」をしている人も見かけますね。
筆者がよく利用する喫茶店は、明るくて広く、パーテーションで視界が遮られているため、快適な勉強スペースです。長時間使いたいのであれば注文を追加するのがおすすめですが、そもそも勉強が規制されている場合もあります。店舗ごとのルールを確認しつつ、「勉強できる場所」の候補に加えてみてください。
>>「カフェ勉」vs「家勉」――効率がいいのは結局どっちなのか?
勉強できる場所11:公民館
公民館や地域交流センターなどの施設も、勉強できる場所です。筆者も友人との勉強会で公民館を利用していましたが、これほど恵まれた環境はなかなかありません。
公民館には、広い机と椅子だけでなく、地域によっては自習用の部屋や図書室もあります。もちろん無料で使えるうえ、友だちと会話しても周囲に迷惑がかからないので、快適に楽しく勉強できました。
文部科学省の「社会教育調査」(2021年度)によると、全国に13,798もの公民館があります。(参考:文部科学省|公民館の振興)
あなたの近所にもあるはずです。飲食店や学校と違って人が少ないので、ラフな格好のまま、徒歩や自転車で気軽に向かえます。勉強するだけなら、住民でなくても利用できる場合がほとんどです。いっしょに勉強したい友だちと住所が離れていても、集まりやすい公民館で勉強できます。
デメリットは、椅子がパイプ椅子で座り心地がよくなかったり、机が傷ついていたりすること。気になるなら、ほかの施設を利用したほうがいいでしょう。
早朝や夜間は入れないうえに休館日(月曜日など)が多いですが、気軽に勉強できる場所なので、ぜひ公民館を利用してみてください。
勉強できる場所12:ファミレス
ファミリーレストランは、飲食店としてはにぎやかなので、友だちと勉強する場所として使う人もいます。椅子もテーブルも広いので、グループでの勉強も可能です。
Wi-Fiや電源を整え、作業用のスペースとしてアピールするファミレスが増えています。ほかの人に迷惑をかけないよう気をつければ、勉強にも適していると言えるでしょう。
筆者も、勉強や仕事でファミレスをよく利用します。喉がかわいたとき、ドリンクバーが便利です。食べ物の価格がリーズナブルなこともあり、勉強に必要なエネルギーを簡単に補給できます。24時間営業の店舗も多いため、早朝や夜中も勉強できます。
ファミレスのデメリットは、時間帯や立地によっては騒がしいことです。特に安い価格帯のチェーンは、にぎやかだと感じるでしょう。
ファミレスで勉強する場合、場所を確保したとしても、満席になったら退店しましょう。勉強できる場所とはいえ、あくまで飲食店なので、食事をする人が優先です。
勉強できる場所13:カラオケ店
最後になりましたが、勉強できる場所としては、カラオケ店が最もおすすめです。個室なので周囲の目が気になりませんし、友だちとの勉強にも適しています。
大きいテーブル・椅子を使え、空調の設定を変えることもできるので、過ごしやすいでしょう。自分たちだけで使える空間なので、新型コロナウイルスへの感染が気になる方にもおすすめです。
外国語などの音読ができる場所としても、カラオケ店は最適。こちらの記事でも解説しているように、音読は勉強の能率を上げてくれるので、たまには周囲を気にしなくてもいい環境で音読しましょう。
>>音読の効果とやり方を丁寧に解説。テキストの選び方・おすすめの本は?【保存版】
勉強していて疲れたとき、カラオケ店なら息抜きに歌うこともできます。鶴見大学元教授の斎藤一郎氏によると、実験で被験者に好きな曲を3つずつ歌ってもらったところ、ストレスホルモン「コルチゾール」が減ったそう。(参考:NIKKEI STYLE|カラオケで気分スッキリには、科学的根拠があったよりまとめた)
カラオケ店で勉強するメリットは、歌えることだけではありません。利用時間を最初に決めるので、制限時間を意識して勉強に集中できます。多くの場合、終了時間が近づくと店員さんが知らせてくれるので、「気づいたら時間が過ぎちゃってた!」ということになりません。
カラオケ店での勉強には多くのメリットがあります。とはいえ、ほかの部屋から漏れる音が気になるかもしれません。ゴールデンウィークや大晦日など、特別な日は料金が高いほか、部屋が空いていない可能性も。
そして、歌うことに熱中せず、あくまで「勉強できる場所」として使いましょう。
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勉強できる場所を13個まとめて紹介しました。あなたに合った場所は見つかりましたか?
茂木健一郎(2007),『脳を活かす勉強法 奇跡の「強化学習」』, PHP研究所.
東洋経済オンライン|「やる気スイッチ」を簡単に入れる方法がある
プレジデントオンライン|集中のコツ、上手な時間の使い方
My Wellness|“幸せホルモン”セロトニンで心も身体もスッキリ目覚める!
ダイヤモンド・オンライン|【自宅での勉強がはかどる】一人勉強も安心。超集中スペースをつくる「秘密基地法」
STRAIL
STUDY HACKER|社会人は「1日48分」を “◯◯” の勉強にあてよ。超多忙でも時間を確保する工夫とは
Sirabee|イートインスペースで… 高収入層ほどマクドナルドで勉強したことがある?
全日本コーヒー協会|エッセイ*茂木健一郎【初めてのコーヒーと最良のドーパミン】
齋藤孝(2010),『15分あれば喫茶店に入りなさい。』, 幻冬舎.
文部科学省|公民館の振興
NIKKEI STYLE|カラオケで気分スッキリには、科学的根拠があった
STUDY HACKER 編集部
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