1日の終わりに “まとめて日報を書く” 人が成長できないワケ。

1日の終わりにまとめて日報を書くのがダメな理由。中司祉岐さんインタビュー第1回01

「日報」の書き方ひとつで業績が急上昇する――。そんな言葉を聞くと、「日報なんて業務報告のためのものなのに、ちょっと眉唾ものだな……」なんて思う人もいるかもしれません。

でも、企業ごとの独自の日報を作成し、その書き方を添削することでクライアントの業績を激増させているコンサルタント企業があります。

株式会社日報ステーションの代表取締役・中司祉岐(なかづか・よしき)さんに、仕事で成果を挙げるための日報の書き方を聞いてみました。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹 写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)

日報を「鏡」として使うと、業務改善できる

ふつう、日報というと、上司への報告のためのもの、会社や上司の指示で書かされるものといったイメージがあるはずです。そのイメージを持ったままだと、面倒だと感じますし、自分の積極的な意志が薄いこともあって、なかなか成果にはつながりません。そうではなくて、「自分の仕事の改善のために使う」発想を持って日報を書くべきなのです。

そもそもの話になりますが、人がなにかを改善しようとする場合に必要となるものがあります。それは「鏡」です。たとえば髪型を直そうとするとき、鏡がなければなかなかうまくいきません。でも、鏡があればうまく直せます。その鏡のように、日報を活用するというわけです。日報に自分の行動を逐一書き記し、自分の行動を客観視する。そして、どこをどう改善すべきかと考える。これが、わたしが考える日報の使い方の基本です。

1日の終わりにまとめて日報を書くのがダメな理由。中司祉岐さんインタビュー第1回02

では、みなさんはどのように日報を書いているでしょうか。おそらく多くの人が、1日が終わったあとにまとめて書いていることでしょう。だけど、それではなかなか成果を挙げられません。というのも、1日の終わりにまとめて書くのでは、書くべきことをしっかりと書けないからです。

業績を上げようとするとき、たとえば世界的に誰もが知る「iPhone」をつくるといったような画期的なアイデアなんてそうは出てきません。そんなことはまずないといっていいでしょう。

だとしたら、ほとんど出てくる可能性がない画期的なアイデアをひねり出そうとするよりも、いまの自分のちょっとした問題点を探して、それらを改善していくほうが確実に、そして即座に業績アップにつながるはずです。

その「ちょっとした問題点」というのは、たとえば「名刺を出すタイミング」だったり「自己紹介の仕方」といったものも含まれます。それこそ「ちょっとしたこと」に、じつは業績アップのヒントが隠されているのです。

ところが、「ちょっとしたこと」だけに、人はどんどんそれらの問題点を忘れてしまいます。ですから、日報は1日の終わりにまとめて書くのではなく、1日のうちに何度も何度もちょこちょこ書くようにすべきなのです

1日の終わりにまとめて日報を書くのがダメな理由。中司祉岐さんインタビュー第1回03

日報を使って仕事の「予習復習」をする

この、わたしが「PDCA日報」と呼ぶ日報の書き方、使い方にたどり着いたのは、前職である工務店の営業マン時代のこと。当時、23歳だったわたしは、「○○不動産で断られた」「△△不動産で断られた」と、営業の結果だけを日報に書いていました。すると、上司から「なにを話してなぜ断られたのか、そこまで書かないと日報の意味がない」と指摘されたのです。

当時、営業する先々でいわれていたのが、「君は若いからちょっと不安だな……」ということ。わたしは上司の指示どおりにそれを日報に書き込みました。

本来、営業で断られたというような嫌なことは、人は自然にどんどん忘れていこうとするものです。でも、日報に書き込んでいますから、目に入ることになる。そして、対策を考えるようになるのです。

わたしは「若く見られるのが駄目だとしたら、老けて見せればいいのかな」と考えて、無精ひげを生やしてみました。まあ、その作戦はまったくうまくいきませんでしたけど……(笑)。ただ、その事実すらも日報に書き込むのです。

次に考えたのが、「若さをプラスの方向に打ち出そう」ということ。そして、「スピード」をアピールしたのです。すると、営業先がわたしから受ける印象は、「若いから不安」から「若いからスピードがある」に切り替わり、それまでがウソのように営業成績が上がっていきました

このわたしのエピソードからもおわかりだと思いますが、このPDCA日報を使ってやることというのは「予習復習」です。「今日はこういう1日を送る、こういうことをやる」という予習をして仕事に臨み、「実際にどうだったのか」という結果をその都度書く。そして、1日が終われば振り返り、つまり復習をするわけです。

勉強で予習復習をすれば、学力が上がります。同じように、仕事で予習復習をすれば、ビジネススキルが上がるのです。みなさん、学校に通って勉強をするときにはあたりまえのように予習復習をするはずなのに、仕事となるとなかなかしないものですよね。それはものすごくもったいないことです。

1日の終わりにまとめて日報を書くのがダメな理由。中司祉岐さんインタビュー第1回04

成功したときこそ、事細かく日報を書き込む

その復習の際、そして日報を書く際にも注意してほしいのが、「成功したこと」やそれにまつわる「ちょっとしたこと」にも注目してほしいということ。ものごとがうまくいったときというのは、「やった! うまくいった!」とただよろこんでしまい、なぜうまくいったのか、その理由を把握したり掘り下げて考えたりすることが意外とできないものだからです。

場合によっては「たまたま」成功したとしか思えないようなことあるでしょう。でも、最初はなにが「たまたま」よかったのか気づいていなくても、日報にその都度書き込んでおけば、「たまたま」の成功を積み上げるうち、成功したケースに共通する「たまたま」の存在に気づくはずです。そうすればしめたもの。その「たまたま」を明確な成功要因として認識できるのです。

すると、その後は「たまたま」ではなく「狙って」成功することができるようになる。ビジネスにおいて大切となるのは、問題点の改善は当然として、「成功の再現性を高める」ことです。うまくいったことをもう一度できるのか――。むしろ、成功したときこそ事細かく日報を書き込み、冷静に振り返ってもらいたいと思います。

1日の終わりにまとめて日報を書くのがダメな理由。中司祉岐さんインタビュー第1回05

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【プロフィール】
中司祉岐(なかづか・よしき)
1980年12月25日生まれ、山口県出身。株式会社日報ステーション代表取締役。山口商工会議所エキスパート。山口県商工連合会エキスパート。財団法人やまぐち産業振興財団専門家。高校卒業後、零細飲食店に入社。集客を担当し、来店者数10倍、客単価2倍を実現。その後、大手アパレルチェーンで販売員として全国トップテンに入る業績を上げる。個人経営の工務店に勤務中、中小零細企業こそ少しの工夫で成果が出せると気づき、零細企業専門コンサルタントとして独立。代表取締役を務める株式会社日報ステーションでは、日報の赤ペンコンサル指導により数多くの企業の売上を大きく引き上げている。著書に『書くだけで自分が9割変わる』(プレジデント社)、『小さなひらめきが成果に変わる A4マイ日報で「勝ちパターン」仕事術』(幻冬舎ルネッサンス)、『A4 1枚で「いま、やるべきこと」に気づくなかづか日報』(経済界)がある。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。

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