アマゾンが新オフィスを “植物だらけ” にした興味深い理由。視界のグリーンがもたらすメリットがすごい!

オフィスのグリーン01

働く環境が仕事のモチベーションや生産性に大きく影響していることは、多くのビジネスパーソンが実感しているはずです。1日のほとんどの時間を過ごすオフィスだからこそ、自分にとってできるだけ心地よい空間であることが望ましいですよね。

今回は、生産性の高い企業が取り入れている「オフィス空間のある工夫について分析していきます。ちょっとの工夫で作業環境を変えることにより、仕事の生産性を向上させるコツも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

アマゾンの植物園型ワークスペースとは?

米国ではアップルやグーグル、アマゾンなどの大手IT企業を筆頭に、オフィス空間に大胆に植物を入れる動きが加速しています。2018年にはシアトルにあるAmazon新本社ビルの前に、植物園型ワークスペース「Amazon Spheres(アマゾン・スフィア)」が完成して話題になりました。

この「Amazon Spheres」、3,700平方メートルもの広さに最大800人を収容できる大規模なワークスペースでありながらも、世界50以上の国から4万本以上の植物を集めて育てているというから驚きです。日中は湿度60%、夜になると湿度80%以上に保つように設定された3つのガラスドームからなる温室構造は、まさに森の中にいるかのような気分を味わうことができるそう。

日本でも、メガネメーカーの『JINS』が運営する会員制のワークスペースや総合不動産業として120年以上の歴史を持つ『東京建物株式会社』、『パソナ』や『パナソニック』などの大手企業のオフィスでも、次々に植物を効果的に取り入れる動きが出てきています。

近頃は天井から吊り下げるタイプの「グリーンシャンデリア」や、デスク上の採光も兼ねた「テーブルライトプランター」など、デザイン性が高いものも増えてきており、グリーンがおしゃれな空間づくりの一端を担っていることは間違いないでしょう。

しかしそれは、単純にインテリアとしての要素だけではなく、企業の生産性を向上させるためにしっかりとしたエビデンスに基づいて導入されたものだといいます。

オフィスのグリーン02

植物が仕事の生産性を上げる理由

植物や自然に触れると、人は副交感神経が働いてリラックスします。反対に、ストレスがたまってイライラしたり興奮したりしていると、交感神経が優位になります。そのような状況で、細かい作業をしたり注意深く業務を進めたりすることは難しいでしょう。ですから、植物の効果を取り入れて副交感神経が優位な状態をつくれば、作業効率のアップが期待できるというわけです。

リラックスしてストレスが減る

2013年、日本建築学会において豊橋技術科学大学の松本博豊名誉教授は、緑視率」(人の視界を占める緑の割合で緑の多さを表す指標)が増えることで心理的リラックス効果が高まるという研究結果を発表ました。

この研究結果に基づき、パソナグループとパナソニックの合弁会社「パソナ・パナソニック ビジネスサービス(PBS)」が乗り出したのが、オフィス緑化サービス「COMORE BIZ(コモレビズ)」というプロジェクトです。

PBSの調査によると、植物なしの場合に比べて、植物ありのオフィス空間のほうが、在席者の平均ストレス値が11%下がったといいます。さらに、自然環境音も加えると、ストレス軽減効果が24%まで高まることもわかりました。

ただし、むやみにオフィス中にたくさんの植物を置けばいいというものでもないそう。研究の結果、人は視界に占める植物が多すぎてもストレスを感じてパフォーマンスが低下するため、最適な緑視率は10~15%だといいます。緑の割合がどれくらいあるかを確認するには、自分のデスクから写真を撮ってみると正確に把握できるでしょう。

作業効率がアップして生産性が上がる

エクセター大学のクリス・ナイト博士と10人の心理学者たちによる研究 では、「オフィスにいくつかの観葉植物を置くことで、同じオフィスでも従業員たちが活動的に働くようになり、生産性が15%上昇することが判明した」といいます。

2013年、ナイト博士らは、オランダ・イギリスにあるコールセンターなどの大規模なオフィスで実験を実施しました。その実験とは、18ヶ月間にわたり、1平方メートルごとに観葉植物を設置して、全員の机から植物が見えるように配置する、というもの。

その結果、従業員の仕事効率や記憶力、その他の基礎的能力の向上が見られるようになったそうです。もし観葉植物を設置できなくても、植物が写されている写真を設置したり、ライトや香りを変更したりしても同様の効果が期待できることもわかりました。ナイト博士は心理的な刺激を与える何かがオフィスにあるだけで、幸福感をもって働くことができると結論づけています。

集中力が増すことでミスが減る

メルボルン大学では、次のような実験を実施し、「環境と人の集中力に関する研究」について調べました。

まず、2つの学生グループに退屈なタイピング作業を行なってもらい、作業の途中で40秒間の休憩を挟みます。そこで、ひとつのグループにはオフィス街のコンクリート屋根の画像を、もうひとつのグループには緑あふれる屋根の画像を見てもらいました。

その後、同じようにタイピングの作業を再開させたところ、コンクリート屋根の画像を見たグループよりも、緑の屋根の画像を見たグループのほうが、圧倒的に集中力が増し、タイプミスが少なくなったことが証明されたのです。この結果からグリーンを見ることは、働いている人の集中力回復にポジティブな影響を与えるということがわかりました。

オフィスのグリーン03

作業環境に植物取り入れるには

私たちの作業環境にグリーンを効果的に取り入れるには、どうしたらいいのでしょうか。部屋全体を変えることは難しくても、自分のデスクの上だけなら簡単に取り入れることができるはずです。

手軽さを重視するなら、コンパクトサイズのものをデスクの上に置くのがおすすめです。いつでも目に入るように、パソコン画面の斜め後ろ、視界の隅に入る場所に設置するといいでしょう。

もしデスクの上に土を置くことに抵抗があるのなら、土を使わない「ハイドロカルチャー」という水耕栽培のものを選ぶといいかもしれません。土がいらず、霧吹きだけで育つ「エアプランツ」もおすすめです。

それでもなお水やりが面倒というのなら、いっそ本物そっくりの人工観葉植物や造花、フェイクグリーンを置いても同様に効果が期待できます。空気清浄効果があるという光触媒のフェイクグリーンもあるので、自分のライフスタイルや作業環境に応じて、取り入れやすいものからはじめてみましょう。

また、写真だけでも効果が期待できることが実証されているので、パソコンのデスクトップ画面を自然の写真に変えてみるものおすすめです。

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普段から自分の視界に入るグリーンを意識していますか? ふとパソコン画面から目を上げたとき、そこに植物があるのとないのとでは、作業効率にまで影響することがわかったのではないでしょうか。世話が大変な植物を置くことに抵抗があるのなら、まずは自然を感じられる写真を飾ってみてもいいかもしれませんね。

(参考)
The Seattle Times|Take a look inside Amazon’s Shares as they get set to open
SankeiBiz|植物と共生する働き方改革がオフィスを変える トヨタとパソナが共同研究
COMORE BIZ|コモレビズのエビデンス化
The Guardian|Plants in offices increase happiness and productivity
オーストラリア留学センター<進学版>|緑で集中力アップ!? メルボルン大学環境心理学研究
RICOH|働き方改革ラボ|視界に緑を!緑視率を高めて快適なオフィス作り

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